Tennis -- MCタイチ

3月末に試打して良い印象がずっと残っていたので、9月初旬に再び借りて打ってみました。スイングウェイトが比較的軽いのとボレーがやり易いのは前回と同様でしたが、ストロークとサーブの打感がちょっと変わったので最下部に追記しました。実測スペックも修正しました。

試打レビュー

スイングウェイトとしてはEZONE 98と同じバランスで全体に一回り軽くした感じでしょうか。私のTour90やBurn FSTと比べたらやや手元が軽いですが、ゴールデンスペックの中では最もトップライトな部類だと思います。

それに打感が非常にスウィート。しなやかでホールド感があるのにパワーもあってスピンも強力です。スウィートエリアも(Yonex形状に慣れたからかもしれませんが)EZONE98より広いと思います。勿論、厚ラケらしく分厚くヒットするとフレームの硬い領域に入ってしまいますが、巻き込むようにスピンをかけるモダンスイングを心がけると、楽にマッシブなショットが打てます。

サーブも同様に、軽いからビュンビュン振れるし、更にホールド感があるからコントロール性もスピン性能もパワーも高次元で両立しています。更に好印象だったのがボレーですね。ちょっと押してやるだけで十分なパワーが出ますが、ホールド感があるのでコントロールもし易いという正にボレーマシン。ダブルスなら問答無用で強力な武器になりそうですが、シングルスでも省エネで勝ちに行く実践的なプレーが出来そうです。特に体力的に厳しいので楽をしたいと思っている中高年には魅力的なラケットではないでしょうか。逆に言うと上級者同士でバシバシ打ち合うような状況だと、意識してスピンをかけたりパワーをセーブしないとホームラン性の当たりになるかも知れません。

因みに、前回のEZONE98はVcore98に近いと書きましたが、このEZONE100は順当にVcore100に近いですね。Yonexのラインナップは、フレームが分厚くパワーアシストが強くなるほどタッチが柔らかくなるようです。ただVcore 100はスイングウェイトが重めでしたが、EZONE 100は軽快なのに柔らかさとパワーを両立しているところが素晴らしい進化だと思います。

外観/スペック

EZONE98と並べて比較したわけではありませんが、見た目は非常に良く似ています。ただ横から見るとEZONE100のフレームの厚さが際立っています。Wilsonのラケットはどのシリーズもフレームの断面形状が手元から先端まであまり変わりませんが、ヨネックスのラケットはリムの部分がかなり扁平で分厚くなっていますね。リムの部分は内側に撓ませる事でホールド感を出し、スロートの部分はやや薄めにして撓らせるという役割分担がハッキリしてるようです。

製品名 重量 バランスP フレーム厚 重量(実測) バランスP(実測※)
EZONE 100 300g 320mm 23.5/26/22mm 315g 323g +13mm +11mm
EZONE 98 305g 315mm 23/24/19mm 321g +8mm
Blade 100 V7 300g 320mm 22mm 316g +18mm
Blade 98 V7 305g 320mm 21mm 325g +16mm
Vcore Pro 98 305g 315mm 22/22/21mm 335g 未計測
Vcore 100 300g 320mm 24/25/22mm 323g 未計測
Pro Staff Tour90 315g 315mm 17mm 336g 0mm

※私のプロスタッフツアー90を基準に何㎜ずれているか(先端方向がプラス)

2度目に借りた時に測定しなおしたら前の数値が間違っていました。上の表の通り重量が8gも違っており、Ezone98より何故か重くなってしまいました。バランスは2mmほど手元寄りに修正されたもののEZONE98よりは先端寄りなので、EZONE100の方が重く感じる筈。ところが実際に打った感じではEZONE100の方が一回り軽く感じたのでEZONE98の計測ミスか?

ガットですが、今回のEZONE100はアスタリスタ125が50ポンドで張ってありました。このガットは柔らか系のナイロンですが、EZONE98に張ってあったG-Tour3はポリエステルで、掴み感が特徴だけどさほど柔らかくはないようです。この違いはEZONE98と100の打感の違いを強調する方向ですね。ただガットの違いはラケットの違いほど大きくないので、EZONE100は98より柔らかくてパワフルなラケットであることには変わりないと思います。

【9/13追記】尚、2度目に借りた時はミクロスーパー16(50ポンド)に張り替わっていました。時期的には7月初旬なので借りてから2か月ちょっと経っています。これって80年代からある定番のナイロンモノストリングですが、古い割に今でも普通に使えますね。ただ少なくともEZONE100との組み合わせではアスタリスタの時より硬くて飛ばない感じになっていました。その前に試打したFX500やExtremeがパワフルだからそう感じたのかも知れませんが。

YonexのEZONEが新しくなったので試してみました。先ずはシリーズ中最も面積が狭く、最も競技志向だと思われるEZONE98です。

尚、これまでは外観とスペックについて先に書いていましたが、今回から試打レビューを先に書きたいと思います。スペックから始めると前置きが長い感じがするし、実際の順番も先に試打して後でスペックを調べるからです。

試打レビュー

この前に試打したBlade100 V7がかなりトップヘビーだったので、今回のラケットは格段に軽快に感じました。多分私が試したYonexの製品の中でもVcore Pro 97に次いで軽いスイングウェイトだと思います。これならトップヘビー嫌いな私でも特に違和感なく、自然に振ることが出来ます。

とは言えイザ打ってみると、いきなりフレームショット気味に当たってガツンと弾かれてしまいました。慣れて来るとそれなりに当たるようになりましたが、スイートエリアが広々という訳ではなさそうです。また、厚ラケ的な強力なパワーアシストが無いのは判るとしても、分厚く捉えてもホールド感も球速もあまりないので報われない感じがします。Yonexは硬くて飛ばないラケット=上級者向けという考えなのでしょうか?

因みに、リフティングをすると柔らかいタッチで結構はねるし、手で曲げてみるとそこそこ撓ります(私のFSTより余程しなります)。なのにショットでは硬めであまり飛ばないのは、強めのインパクトだとしなり代を使い切ってしまい硬いゾーンに突入してしまうからでしょうか?

この感覚に近いのは2018モデルのVcore98だと思いますが、EZONE100はスウィングウェイトがもっと軽いのが救いです。またVcore Pro97みたいにキンキンした振動は感じませんが、Vcore Pro97ほど取り回しは良くありません。勿論、Bladeのように重々しくはありませんが、Bladeのしなやかさには遠く及びません。つまり大きな欠点は無いけど、これと言った長所も無い。残念ながら中途半端なラケットという印象でした。

もっとも、このラケットを借りている期間、天候不順などであまり打てなかったので、もっとコンディションの良い時に沢山打てたらもう少し好印象だったかもしれません。ただこの次に借りたEZONE100がかなりスウィートなラケットだったので、敢えてEZONE 98をまた試す気が起きないのが困ったところです(;’∀’)

外観/スペック

製品名 重量 バランスP フレーム厚 重量(実測) バランスP(実測※)
EZONE 98 305g 315mm 23-24-19mm 321g +8mm
Blade 100 V7 300g 320mm 22mm 316g +18mm
Blade 98 V7 305g 320mm 21mm 325g +16mm
Vcore 98 305g 315mm 22/22/21mm 335g 未計測
Vcore 100 300g 320mm 24/25/22mm 323g 未計測
Pro Staff Tour90 315g 315mm 17mm 336g 0mm

※私のプロスタッフツアー90を基準に何㎜ずれているか(先端方向がプラス)

今回のスペック比較は直近のBlade(100/98)V7に加えて、昨年試打したVcore98と100にも再登場してもらいました。

重量はスペックではVcore 98と同じですが、実測では14gも軽いという結果でした。バランスポイントもスペック上はTour90と同じ。ガットを含めた実測でも+8mmですからトップライトな部類です。この辺は振った時の体感的な軽さと合致します。

ガットはGツアー3 117(ゴーセンのソフト系ポリらしい)でテンションは48ポンドとやや低め。

Tour90と比べて判ったのですが、フェイスの幅も長さも思ったほど差がありませんでした。よく考えたら、同じ面積でもYonexの四角いフェイスは角の部分で面積を稼ぐので、全長と全幅は普通の楕円フェイスより短めの筈です。更に四角いフェイスはスウィートエリアが外に拡大するらしいので、その外側はいきなりフレームショットになるという事でしょうか?