Tennis -- MCタイチ

昨年からずっと試打して気に入ってたけど、高くて買えなかったGrinta100。2022年中ごろからアマゾンや楽天でガット込み16,900円になり、年末には12,900円になっていたので遂に購入しました。

サービスガットは標準装備のサニーコアではなく、何故かトアルソンのゴールド1.30㎜でした。テンションは縦横50ポンドで注文しました。

因みに、ラケットにはGrinta100とプリントされているだけで、Liteという表記は無く、重量とバランスポイントが表示してあるだけです。これは、本家スノワートではGrinta100 LIteというモデルは存在しないので、多分このスペックのものを日本ではLiteと呼んでるだけでしょう。

スペック

バランスを測ってみると、僕の試打史上最もトップヘビーな340㎜でした💦重量は最軽量のひとつ300gでした。ノーマルのGrinta100は勿論、最初はトップヘビーに感じたBlade98S V7よりも明確にトップヘビーです。勿論これはスペックだけでなく体感上も明らかです。もっともこれはオーバーグリップを巻いていないのと、ガットが太めなのも若干影響してると思います。

製品名重量バランスフレーム厚重量(実測)バランス(実測)
Grinta 100 Lite285g335mm22-23.7-23mm300g ※340mm ※
Grinta 100305g315mm320g321mm
Blade 98S V7295g325g21mm310g332mm
Vcore100 2021300g320mm24-25-22mm320g326mm
CX400 Tour300g320mm23.0mm322g324mm
EZONE 100 2020300g320mm23.5/26/22mm315g326mm
※ オーバーグリップテープ無し。

尚、グリップが思ったより太かったので、加工して細くしました。詳しくはこちらのページをご覧ください。

壁打ちレビュー

今の所壁打ちしかしていませんが、軽くレビューをば。

バランスはやはりトップヘビーでやや鈍重さが残るものの、重量がかなり軽いので十分扱えます。

打感は気温の低さのせいかガットのせいか、昨年夏にスクールで試打した時のような吸い付くような柔らかさはありません。とは言え十分柔らかい打感だしホールド感があるのでコントロールし易いです。しっかり押し出すスイングが出来るので、パワーも出るしスピンもちゃんと掛かってると思います。

ストロークにしろボレーにしろ「昔はこうだったよなあ」という感覚が蘇り、自然に手が順応します。特に恩恵を感じるのは元々得意だったバックハンドスライスです。ちゃんとボールを掴んで押し出す事が出来るので、ボールが浮かないパワフルなスライスが打てます。

これに比べるとBlade98Sは何と硬く、キンキン弾いてしまう事か。特に今張っているポリツアーREVは猛烈にパワフルなので、ホールド感を得る前にぶっ飛んでしまいます。次にガットを張り換える際はナイロンに戻すと思いますが、それでもGrintaの柔らかさやホールド感には及ばないでしょう。

軽量ヴァージョンのGrinta100 Liteをスクールで試打してから約一年。ようやく通常バージョンのGrinta100の試打ラケットがあるショップを見つけ、借りる事が出来ました。

外観

Blade98sと重ねて見ると一回り大きいフェイスですね。通常、100平方インチと98平方インチでは見た目も大差ない事が多いのですが、今回は面積が2%しか違わないとは思えない程差が有ります。

横から見た厚みの差も結構あります(写真ではわかり難いですが)。Blade98Sはスロート部分はソコソコ厚いですが、リム部分が薄いので差が顕著に出ます。Grinta100は先端から手元まで中厚ですね。

スペック

Grinta100の4つの仕様と他社の黄金系ラケットと比較しました。今回のGrinta100はスペック上は黄金スペックよりも5g重く、5㎜トップライトですが、実測では重量はほぼ同じで、バランスだけトップライトでした。

やはりスペックと実測の乖離の仕方はブランドによって異なりますね。他社製品の重量がスペックと実測で20g程違いますが、ガットの重さは15gもない筈。何時も言うように「黄金スペック」として売るための数値だと思われます。その点、スノワート(15gの差)には黄金スペック信仰は無いのか、比較的正確な値を出してるようです。

製品名 重量 バランス フレーム厚 重量(実測) バランス(実測)
Grinta 100 305g 315mm 22-23.7-23mm 320g 321mm
Grinta 100 Lite 285g 335mm 300g 340mm
Grinta 100 Tour 305g 315mm
Grinta 100 Tour Lite 285g 330mm
Vcore100 2021 300g 320mm 24-25-22mm 320g 326mm
Vcore98 2021 305g 315mm 22.5-23-21mm 332g 319mm
CX400 Tour 300g 320mm 23.0mm 322g 324mm
EZONE 100 2020 300g 320mm 23.5/26/22mm 315g 326mm

試打レビュー

先ず軽く振ったところ、スペックの割にはやや鈍重な感じがしましたが、打っているうちに気にならなくなりました。自分のBlade98s V7 に持ち替えて比較すると、矢張りGrinta100はトップライトだという事が判ります。

ただトップライトだから振り抜きが良いかというとそうでもないです。空力的な面でBlade98はリム部分が薄いので、特にストロークのトップスピンの縦振りがし易いですが、Grinta100は中厚なのでそれなりに空気抵抗が有ります。とは言えこれは完全な薄ラケと比較した場合の話であり、Grinta100も中厚系の中では縦振り抵抗が少ない方だと思います。

それより一番意外だったのは打感です。勿論、Blade98sと比較すれば遥かに振動はマイルドですが、昨年打ったGrinta100 Liteと比較して何故か硬い気がしました。通常、同じラケットの通常版と軽量版を比較すると、通常版(重い方)の方が柔らかい打感になりますが、このGrinta100は逆に通常版の方が硬く感じるという不思議さ。ただ硬いと言っても腕に伝わる振動がキツイという硬さではなく、剛性が高くしならない硬さです。

張ってあるガットはセット販売のサニーコア(ナイロンマルチ+ポリコーティング)でテンションは45ポンドと低めなので、それが硬さの原因とは思えません。実際ハードヒットするとすっぽ抜けるように暴発するので、ナイロンにしてはテンションが緩すぎだと思います。

にも拘わらず、Grinta100の方がLite版より硬く感じるのは何故なのか?1年も前に打ったLite版の記憶が改ざんされてしまったのか?その辺を確かめるために、両方同時に試打できるウインザーラケットまで行って、交互に打ってみました(但し狭い室内の試打ルーム)。

そうしたら、本当にLite版の方が柔らかいんですよ。昨年スクールで打った時の感覚が蘇ります。対してノーマルのGrinta100は特にスロート部分ががっちりした感じで高剛性です。普通ノーマルバージョンを軽量化してLiteバージョンにする時、フレーム手元側(内部)に付いている錘やフォーム(?)を抜いて調整すると言いますが、それだと打感は硬くなるはず。なのにGrinta100 Liteは硬くない(寧ろ柔らかい)のはカーボンフレームそのもの(例えばチューブの肉厚を薄くしたり?)を変更したんでしょうか?

理由は良く判りませんが、しなり感という意味ではGrinta100 Liteの方が僕の好みです。一方、スウィングウェイトは両者粗同じに感じたので、トップライトでやや重めのノーマル版の方が好みです。この辺はその人の好みで選べばよいのですが、剛性感の違いも含めて打つ人によって感じ方が違うかも知れません。結局、自分で試打して決めてくださいという何時もの結論になってしまいますね💦

クラビコード試奏記チェンバロ試奏記の続きです。

な、何と!この小さなお店で、日本では音大か博物館にしか置いてないだろうと思っていたフォルテピアノが2台も置いてありました。1台は跳ね上げ式の元祖シュタイン、もう一台はその弟子ヴァルターのフォルテピアノです(勿論レプリカですけど^^;)。

これを試奏するという事は、国宝正宗の短刀(のレプリカ)でスイカを切ってみるのと同じくらい恐れ多い事ですが、勿論弾かせてもらいましたよ(^^) 印象は音もタッチも割とチェンバロに近いです(特にシュタイン)。

勿論ピアノですからチェンバロのON/OFF制御とは違いますが、キーの質量感がかなり軽い割にクリック感が強いのでチェンバロっぽく感じます。多分、かなり短いキーストロークの間にハンマーを跳ね上げているんでしょう。音もチャンバロをやや丸くしたような感じで割と近いです。多分弦やケースの構造が殆ど同じだからでしょう。

だから、18世紀のフォルテピアノという楽器を知らない人が初めて弾いたら、「ちょっと変わったチェンバロだな」くらいにしか思わないのではないでしょうか?逆に、ピアノしか知らない現代人に「これがチェンバロだよ」と言って弾かせたら、「おお、これは確かにピアノとは全然違うな」と納得するかも(^^)

と言っても、現代のピアノに比べたらチェンバロ的なだけで、本当のチェンバロと比べたらやはりピアノです(なんのこっちゃ^^)。チェンバロのタッチが100%か0%なのに対し、フォルテピノは当然ながら弱い(あるいはゆっくりした)タッチにも反応してくれます。

一方ヴァルターですが、キーはシュタインより若干重く、音はかなり丸くなります。最初はモデレート(フエルトを弦とハンマーの間に挿入して音を丸くする)がかかってるのかと思ってチェックしましたが、かかってませんでした。多分ハンマーヘッドの素材がシュタインのものより分厚くなっているのでしょう。

当然ヴァルターの方がモダンピアノに近いのですが、何となく重厚感を出そうと無理してる気がするので、個人的には軽快なシュタインの方が好印象でした。跳ね上げ式の元祖にしてにしてこの完成度。流石にモーツァルトが一番欲しかった(でも高くて買えなかった(;_;)ピアノだけありますね。

まとめ

僕は単にバロックや古典派の音楽を演奏する目的でこれらの「古楽器」に興味を持ったのではありません。あまりにも重厚長大に発展し過ぎたモダンピアノに変わる楽器、ジャズやポップス等にも使える軽快な鍵盤楽器を探しているのです。

今回、3種類の歴史的な鍵盤楽器に初めて触れて大興奮し、これを昔の音楽の再現だけに使うのは勿体無い気がしました。よって、あえて現代的な視点で総括してみたいと思います。

クラヴィコード

先ず、クラヴィコードの弦に直接触れているようなタッチは何とも魅力的ですが、あまりにキーが軽すぎストロークが短く敏感に音が出過ぎですね。まあ、ストロークと重量感は自作して改良する事も出来そうですが^^ 独特のシャンシャンとした音色は個人的にはちょっと軽すぎるというかひ弱すぎかなと。

ただ、この音が結構好きで、なおかつ珍しい楽器をやりたいと思う人には、テルミンなんかよりは断然オススメですね。音楽表現の幅や適応ジャンルが断然広いでしょう。蓋を閉じちゃえばサイドテーブルみたいで家の中で全く違和感無いですし(あまり上にモノも置かれても困りますが^^;)。

普及が先か価格が先かという鶏と卵の問題はありますが、構造の単純さから言って大量生産すれば完成品で10万円位の小売価格にできるんじゃないでしょうか(?キットで5万円くらいならなお人気出ると思いますけどね(^^)

チェンバロ

一方、チェンバロの音は繊細さと力強さと華やかさを兼ね備えています(倍音成分が非常に多い?)。弦をピックで弾くというのは、弦楽器を鳴らす方式としては、音色的にもエネルギー効率的にもベストなんじゃないかと思いました。

だた、問題はやはり発音のON/OFF制御ですね。常にMaxの音量/音色しか出ないのもさることながら、弱いタッチは許されないのが個人的にはキツイです。チェンバロは見た目や出る音のエレガントさとは裏腹に、演奏者には「音出すのか出さんのかハッキリせんかい!」と要求してくる、かなりマッチョな楽器なんだと思いました^^;

ただ、演奏するのは大変でも聴いてるだけなら心地よいので 、コンサートホールには常備して欲しいですね。バロック音楽は勿論、弦楽器と組み合わせる場合は絶対ピアノよりチェンバロのほうが合ってると思います。何もアンティークで豪華なチェンバロでなくても良いんですから、コンサートグランドの何分の1かの予算で買えるはず。

フォルテピアノ

チェンバロに対するフォルテピアノ利点は音の強弱が付けられる事だと言われていますが、僕が弾いて先ず感じたのは、キータッチの許容範囲の広さでした。

クラヴィコードのようにちょっと触れただけで音が出てしまう事はないし、チェンバロのようにシッカリ押さないと発音しないわけでもない。(フォルテ)ピアノはある意味ルーズな弾き方をしてもそれなりに音は出てくれます。結果として3者の中で最も速いパッセージが演奏可能なんだと思います。

一方音については、チェンバロに近いとは言え、チェンバロの華やかな響き(豊かな倍音)はそれなりに失われています。代わりに弦を叩く「ゴワン」という音が若干混じってくる。これは、ハンマー・ダルシマーの幻想的な音とも違い、重めの金属的な音なのです。

因みにこれはヴァルターのレプリカを使ったベートーベン「悲壮」の演奏です。

ホールの響きやマイキングの関係もありますが、十分な音量だと思いませんか? この人のタッチが強すぎるのか、僕には寧ろ煩いくらいです。有名な第2楽章(ビリージョエルもコピーした部分)に入ると穏やかになるので、この楽器の適性ヴェロシティという感じになります。高音部はややカリカリかつ鼻にかかったような音色ですが、中低域は十分リッチな音色だと思います。

逆にモダンビアノでこの曲を弾くと無駄に重々しい音に感じます。タッチが強いと金属的な爆音になり、タッチが弱いと籠った音になるという。多分この曲のボイシングが割と中音域に集中しているので、そう聴こえるんだと思います。正にワルター向きの曲ですね。逆にモダンピアノはそれが完成した時代に作られた、ドビュッシーやラベルの曲が合っていると思います。

勝手に商品企画

というわけで、どれも一長一短という結論になってしまいそうですがさに非ず、夫々の長所を併せ持つ新たな鍵盤楽器が出来ないか考えてみたいと思います。

まず単純に、フォルテピアノを現在の技術で復刻するだけでも良いと思います。巻線を使ってコンパクトにしたり、アップライトにしても良いでしょう。これなら一般のご家庭にも完全フィット。今のピアノのように、音が大きすぎるから防音工事をしたり、消音器を付けるなんてマッチポンプをやる必要はありません。最初からそんなにでかい音は出ない楽器を作れば良いのです。

究極的には、チェンバロのように弦を弾く方式で強弱を付けられないか?と考えています。ピックでギターを演奏するとき、弦の摘みしろやピックを持つ強さで音量を調整してると思います。なので、チェンバロのジャックが爪を保持する力、又は爪の吐出量をキーベロシティーで変えられれば良いわけです。

実はアイデアが無くも無いのですが(内容は秘密(^o^/)、これは木材加工では手に負えず、クリストフォリや僕が家で試作できるモノではありません^^; プラスチックの精密加工技術があれば出来ると思います。誰か作ってくれませんかね?というか3Dプリンタに頼めば作れるか!

まあ、そんな苦労をしなくても、デジタルピアノやシンセを使えば良いじゃん!というご意見もあろうかと思いますし実際僕も使ってます。しかし、メモリチップに録音された音がスピーカーから出てくるデジタル楽器と、実際のメカで物理的に運動して音を出す生楽器とでは、演奏感というかフィードバックがまるで違うんですよね。

バンドなんかでも最近はギターはアコギが多いですが、ピアノやエレピなどの鍵盤楽器はデジタルが殆どですよね。だからもし、キーボードプレーヤーがクラビコードやスピネットを持ち込んで演奏したら、「何だ!あの楽器は?」と注目される事請け合いです(^^) あなたもお一つどうでしょう?

クラビコード試奏レビューに続いてチェンバロの試奏レビューです。

フレンチ

超豪華なチェンバロも触らせてもらいました。クラビコードの音がか弱かったせいか、想像以上にブリリアントなサウンドに感激しました(^^) ピアノのように鉄筋をゴンゴン叩いてるような音ではなく、繊細でありながら華やかな音です。

音量的にはアップライトピアノをあまり頑張らずに弾いたくらいでしょうか。普通の住宅内では十分以上の音量です(環境によってはご近所に気を使う)。だから、小さなホールやよく響く中規模ホール(例:宝塚ベガホール)ならマイク無しで十分ではないかと。

ただ、キータッチはやはりクリック感の塊ですね(*_*;ONかOFF、0か100でその中間はありません。ピアノだと何げなくフワッと弾いても音は出ますが、チェンバロだとしっかり押さえる必要が有ります。クラビコードが気をつけないと余計な音を出してしまうのに対し、チェンバロは気をつけないと必要な音が鳴らないのです。

ご主人は「キーを下ろす速さで音色を変えられる」と仰るので試してみたら、確かに相当ゆっくり押せばシャカンという音になり(前後のジャックの僅かなズレ?)、スコンと一気に押せばズンと塊感のある音になるような気もします。ただ「出来てますよ」と言われても正直「うーん」と唸ってしまうような微妙な差ですね(*_*; これは聴き分けるのも弾き分けるのも相当訓練が必要そうです。

構造

このチェンバロはフレンチと呼ばれるタイプですが、後述のイタリアンとの違いはケースが上下に分厚い事だそうです(鍵盤が1段か2段かは関係ない)。よって、イタリアンと比べるとやや重厚で円やかな音がします。

初めて知ったのですが、チェンバロのケースって、響板・側板・底版で閉じてるんですね(この楽器は響板にロゼッタというバラ模様の小さな穴が開いてるが、無いものもある)。これはギターで言えばサウンドホールが無いのと同じなので、音が篭りそうですがそんなことはありません。

音域は(写真で数えると^^;)5オクターブ+1=61鍵かな?キーピッチは現在の標準鍵盤より狭そうだし、左右の枠はほぼ側板1枚分しかないので、幅というか間口は案外狭いです(900mmも無いらしい)。一方、(演奏者から見た)奥行きは多分2m以上あり、写真で見るよりかなり細長い楽器です。

チェンバロ ジャック

上下の鍵盤の使い分けは、上がメロディーで下がベースとかではありません^^;上下段は同じ音程ですが、弾く弦の本数を変えて音色を変えています。

この楽器の場合、1音につき3本の弦が張ってありますが、内訳は8フィートと呼ばれる通常の弦が2本、そして4フィートと呼ばれる半分の長さ弦(1オクターブ高い)が1本です。上の鍵盤を押すと8フィートが1本だけ弾かれ、下の鍵盤を押すと8フィートと4フィートが1本づつ弾かれます。つまり、下段はユニゾンで弾いてるので、分厚く派手な音になります。

更に、上の鍵盤は手前に少し引き出して弾く弦の数を変えられます。このポジションでは、下の鍵盤を押せば上の鍵盤も連動して下がります(つまり3本すべての弦を弾く)。その時上段だけを押さえると・・・確か8フィートが2本鳴るんだったかな?(うろ覚えですみません^^;)

ちなみに、この2本の8フィート弦はテンションもゲージも弦長も同じですが、弾く場所が前後にズレているので音色が若干違います(弦の端で弾くほうが倍音が多く派手な音)。

イタリアン

写真は撮ってませんが、イタリアンのチェンバロも弾かせてもらいました(何とこれもキット販売してる)。鍵盤は1段で音域が狭く、間口は上述のフレンチより更に狭いのに(700mmちょと?)、奥行きは2mくらいあるという超細長い楽器です。これは広めの廊下に置けば良いのでしょうか^^;?

弦は各音につき2本で、1本だけ弾くことが出来たかどうかは確認してません。音はフレンチより明るくカラッとした印象です。実はサスティーンが短いとご主人に言われてフレンチと比べたら確かに短いですね。

ところで、商品情報(置いてあった楽器とは外装違い?)を見ると何と重量が25kgしか無いそうです。デジタルピアノより格段に軽いじゃないですか!(重めのステージピアノと同じくらい)。ギターや管楽器などでは、良い楽器ほど軽いと言いますが、鍵盤楽器だってアコースティックなら同じはずですよね。

フィレミッシュ

フォレミッシュというのは初めて聞きましたが、これはフランドル地方(現フランス、ベルギー、オランダにまたがる地域)で作られたチェンバロだそうです。フレンチより歴史が古いというか、そもそもフレンチはフレミッシュを手本に発展したようです。

鍵盤は2段で、ゴージャスな見た目も音も上述のフレンチに似ていますが、フレンチより明るい音だと言われて比べたら、確かにちょっと明るいですね^^;

なおこれとは別に1段鍵盤のタイプもあるそうで、これは上のイタリアンより音域が広いにも関わらず、奥行きが間近いそうです。それはお買い得感がありますね、値段は未だ見てませんけど^^;

スピネットとヴァージナル

実は僕はスピネットを見たかったんですが、展示品も含む在庫が全て売り切れてしまったそうです(なんでも消費税UP前の駆け込み需要とか^^;)。

スピネットとは写真のような小型チェンバロで、弦が各音に1本づつしか張られていません。よって音色は1種類ですが、ジャックが各弦につき1本なので鍵盤に対して弦をかなり斜めに張ることが出来、奥行きが格段に短くなっています。これだったら普通の住宅に置けそうだし、見た目もオシャレですよね。

一方、ヴァージナルという小型チェンバロは置いてありました。これは上記のクラビコードを一回り大きくしたくらいの真四角の箱から鍵盤だけ飛び出しているような形状です。

スピネットと同様に各音につき弦一本ですが、低音弦が手前に来て高音弦が奥に張ってあります(スピネットは逆)。言ってみれば、スピネットはチェンバロの弦を右側に傾けていった形状で、ヴァージナルは左に傾けた・・・・というよりチェンバロの左側面に鍵盤をくっつけたような形態です。

でそのヴァージナルを弾いてみた感想は、ちゃんとチェンバロの音がします(^^/ ケースの蓋を閉じていたせいか、イタリアンチェンバロよりむしろ落ち着いた音に聴こえました。音量も家庭で弾くには十分以上です。ただ、音やタッチが同じなら、見た目がエレガントなスピネットの方が良いかな^^

振り抜きが悪いとレビューしたVcore pro 100ですが、店頭で少し持ち比べてみたら此方の方が大分振り抜きが良く、バランスもトップライトに感じたので試打してみました。

概要/スペック

Vcore pro97  

フレーム断面は100と同様、スロートからリム全体が粗同じサイズのボックス形状でした。ただ厚みは21㎜と言う割には厚めに見えました。フェイスの形状を僕のBlade98Sと重ねて比較してみたところ、縦横の長さはほぼ同じでVcore pro97の方が角張ってるので四隅が出っ張っています。という事は面積はBlade98より大きくないと辻褄が合いませんね(;’∀’)

使用ガットはアスタポリ125。テンションは48ポンドでした。

製品名 重量 バランス フレーム厚 重量(実測) バランス(実測)
Vcore pro 97 2021 310g 310mm  21mm 332g 319mm
SX300 Tour 2022 305 315mm 23-26mm 331g 322mm
CX400 Tour  300g  320mm  23.0mm  322g  324mm 
Vcore pro100 2021 300g  320mm  23mm    
Vcore100 2021 300g 320mm 24-25-22mm 320g 326mm
Vcore98 2021 305g 315mm 22.5-23-21mm 332g 319mm

カタログスペックは重めでトップライト。実測重量も331gと重く、バランスは319mmとトップライトな部類です。今気付いたんですがこの実測値はVcore98と全く同じですね。しかし記憶を辿ると、Vcore98の方が重い印象が有りました。

試打レビュー

先ず振り抜きですが、コートでちゃんと振ってもVcore pro100より明らかに良いです。スイングウェイト感はよりトップライトながらより重いので100と同等でしょうか。SX300TourVcore98より若干軽いですがEzone100 2022よりは若干重いと言ったところ。前作のVcore pro97と比べると、後期型(紺に金)と同等の重量感ですが、前期型(紺にオレンジ)と比べると明らかにトップヘビーで重々しいです。

さて、打った感想としては確かに非常に柔らかです。これはフェイス/リムが撓んでるとかスロートが撓っているというよりも、ラケット全体が柔らかい感じです。かなり硬く感じた前作の前期型と比べたら勿論の事、少し柔らかくなった後期型と比較しても明らかに柔らかいです。

ただ如何せん飛びません💦 これで僕のPro stuff tour 90くらいスウィングウェイトが軽ければ問題無いのですが、この重さでこの飛びは正直しんどいです。この後、Blade98S V7で打ってみるとカンカン飛ぶ感じがしましたw

このラケットが合うのは、かなりパワーがあるけど持ち球がフラット系で、暴発を防ぎつつタッチは出来るだけソフトなのが良いという人でしょう。最近までウッドラケットを使っていたという人に良いかも知れませんw 

ダンロップのCXシリーズは何種類も試打してきましたが、SXシリーズは今回が初めてです。

ただラケットショップで他のラケット(Blade98 v8やピュアドラ、ピュアアエロ等)と持ち比べてみると、SX300はずっしりと重く感じました。一方、SX300Tourも重いですが若干振り抜きが良いように思いました。また、複数のYouTuberのレビューによると、今年のSX300は硬めでスピン向き、SX300Tourは柔らかくフラット向きとの事だったので、Tourを試打する事にしました。

概要/スペック

使用ガットはリンクス125というものでヘッドのポリガットのようです。テンションは50ポンドでした。

製品名重量バランスフレーム厚重量(実測)バランス(実測)
SX300 Tour 2022305g315mm23-26mm331g322mm
CX200 Tour 2021310g310mm20.5mm330g322mm
Vcore pro97 2021310g310mm21mm331g319mm
Vcore95 2021310g310mm21.5-22-21mm325g320mm
Vcore98 2021305g315mm22.5-23-21mm332g319mm
Blade 98(18*20)V7305g320mm21mm330g327mm

今回はスペックが似ているツアー系モデルとスペックを比較しました。実測重量とバランスも大体近い値になってますね。ただVcore95は実測の値通り、この中では明らかに軽く感じました。あとCX200Tourも数値の割には若干軽く感じました。

色は僅かに白っぽくマッドな感じなのでバナナっぽく見えました。一方黒い部分は真っ黒なのでコントラストが強すぎて黄色スズメバチか阪神タイガースみたい。

SX300tour

フェイスサイズは僕のBlade98Sと重ねて比較してみたところ(写真2枚目)、何と縦にも横にもCX300Tourの方がフェイスが小さいです。同じ98平方インチというスペックなのに実寸は全然違いますね。

試打レビュー

厚ラケ的なフェイスが撓むような柔らかさと、薄ラケ的なしなりが合体したような打球感です。そしてラケットの重さとしなりの戻りを生かして相当強力なショットが打てます。ストリングのテンションは50ポンドと、最近のポリのセッティングとしてはやや高めながら、打感的には遥かに緩いテンションで張ったかのように弾力性があります。これが縦横のストリングが動く方向を最適化したという新型グロメットの効果なのでしょうか?まあ重量的に高速縦振りは無理ですが、フラットドライブ的に押し出すだけで、スピンも十分に掛かった重い球が打てます。

しなり感や撓み感が強いだけでなく振動吸収性も良いようで、振動止め無しなのに痛い振動を殆ど感じません。ダンロップラケット定番のグリップ上部のゴムバンドは意外と振動止め効果があるのですが、試しに外してみても打球音が甲高くなるだけで手に伝わる振動はあまり変わりませんでした。他のラケットと比較すると、CX200 Tourと同等の柔らかさ。柔らかいと称されるClash V2やEzone100 2022より柔らかく感じました。

また、上の写真の通りBlade98Sより小さなフェイスにも関わらず、ミスヒットした時のブレは100平方インチのラケット並み、下手するとそれより小さく感じました。まあ重いラケットはブレが少なく実質的なスウィートエリアが広いものですが、それに加えて上述のグロメット形状がここでも効いてるのかも知れません。

スピンを売りにしたラケットというと、バボラの様にカチカチに硬いラケットを想像し敬遠していましたが、少なくともSX300 Tourにはそれは当てはまりませんでした。寧ろ最も柔らかい厚ラケと宣伝した方が良いと思います。ただ僕にとっては矢張り重すぎなので、特に疲れている時には打つ気が起きません(-_-;)

今回は一応これを持ってダブルスの練習に行き、最後の方でちょっとだけ使ってみました。既にかなり疲れている上に、これだけ重いと動きの速いダブルスではキツイだろうと思ったのですが、意外と打ちやすかったです。相手が中高年で球速が遅くバウンドしないせいもあるでしょうが、下手にエースを狙わず面を作って軽く押し出すテニスに徹すると、安定しかつ十分パワフルなショットが打てました。逆に自分から打って走らなければいけないシングルスの方が、こういう重いラケットは厳しいのかも知れませんね。

前作のEzone 100 2020モデルはしなやかでパワフルという素晴らしいラケットでしたが、新型はどうなったのか試してみました。

概要/スペック

今回は写真を撮り忘れてしまいました(;^_^A カラーはダークブルーになりましたが、個人的には前作の明るいブルーの方が好きでした。

ガットは柔らかくてあまり飛ばないとの評判のExel130が48ポンドで張ってありました。

製品名 重量 バランス フレーム厚 重量(実測) バランス(実測)
Ezone100 2022 300g 320mm 23.8-26.5-22.5mm 315g 328mm
Vcore pro100 2021 300g 320mm 23mm
Vcore100 2021 300g 320mm 24-25-22mm 320g 326mm
CX400 Tour 300g 320mm 23.0mm 322g 324mm
EZONE 100 2020 300g 320mm 23.5/26/22mm 315g 326mm

スペック重量とバランスはお決まりの黄金系ですが、実測重量は他の黄金系と比べてやや軽いようで、体感上のウェイトも軽く感じます。

新旧で実測値がほぼ一致するので、これがEzone100の設計値でしょう。工作制度が非常に高いとも言えそうです。

試打レビュー

ストロークをしてまず感じたのは、ボールの軌道が高く良く飛ぶという事です。今回は壁打ちだけなので相手のコートの何処に落ちたか判りませんが、左程スピンを掛けた打ち方ではないのにポンポン弾いてしまうような感触だったので恐らくベースラインオーバー連発でしょう(;’∀’)

打感は一見新型Vcore pro 100と似たしっとり系ですが、何故か試打ラケットに立派な振動止めが付いており、これを外してみたら意外と硬くシャキシャキした打感でした。旧モデルは振動止め無しでも柔らかな感触だったので、新型は明確に硬くなってると思います。硬い分、エネルギーロスが少なく反発力があるんでしょうが、少なくとも僕の好みは断然旧型の方です。

旧型は軽く打っても撓る(撓む)手ごたえがあってパワーもある反面、分厚くハードヒットした時に撓り代を使い切ったかのように硬く感じる事がありました。今から考えるとこの特性は、軽く打ってもヒョロヒョロにならず、強く打っても頭打ちで暴発を防ぐという、ロバスト性が高い設計と言えるかも知れません。

振り抜きはBlade98程良くはないものの、新型Vcore pro 100より明らかに良く、スピンサーブも打ちやすいと感じました。振動止めを付けた時のしっとりとした打感は新型Vcore pro 100と似ているので、それなら振り抜きが良い分新型Ezone100の方が良いなと当初は思いました。ただ良くも悪くも鈍い感じで抑えが効くVcore pro 100に対して、ボールの軌道が思いのほか上がってしまう新型Ezone100はフラットドライブ系の僕には向いてないと思います。

何より、旧型Ezone100と比べてしまうと僕にとっては残念な変化になっていました。実は昨年、ネットショップで旧型のセールを狙っていたのですが、夏には品薄になってしまい逆に値上がりしていました。逃がした魚は大きいバイアスもあるでしょうが、旧型は多くのレビュアーの評価が高く売れ行きも大変好調だったのに、2年と言う短いスパンで恒例行事のようにモデルチェンジをする意味が判りません。後で聞いた話では、Yonexは現行モデルの生産を早めに終えるそうそうですが、売れ続ける限り同じモデルを継続した方が利益が大きいと思うのですが。何れにしろYonexのラケットは、気に入ったモデルがあれば発売後1年以内くらいで買った方が良さそうですね。

もう半年以上前に試打していたのですが、レビューをサボっており遅くなりました。

前作2018モデル(マイチェン?)は97インチモデルをレビューしましたが、今回は評判の良い100インチモデルです。

概要/スペック

Blade98s V7

使用ガットはアスタリスタ125、テンションは50ポンドでした。

そして何時もの重量とバランスの実測ですが、計測はしたはずが何と記録した紙を無くしてしまい、記憶もしていないので今回は無しです。

製品名 重量 バランス フレーム厚 重量(実測) バランス(実測)
Vcore pro100 2021 300g 320mm 23mm
Vcore100 2021 300g 320mm 24-25-22mm 320g 326mm
Vcore98 2021 305g 315mm 22.5-23-21mm 332g 319mm
CX400 Tour 300g 320mm 23.0mm 322g 324mm
EZONE 100 2020 300g 320mm 23.5/26/22mm 315g 326mm

試打レビュー

実は前作のVcore pro 100はウィンザーラケット梅田店の小さな試打ルームで打った事がありますが、滅茶苦茶硬かった記憶が有ります。

ところが今作は打って変ってとてもソフトでホールド感がありました。またミスヒットしてもブレにくく、ねっとりとした安定感があります。パワーアシストも適度にあり、またあまり擦らなくてもホールド感である程度スピンが掛かるので、フラット気味に打っても暴発しにくいと思います。打たれ強く安定した実践向きのラケットという感じです。

ただ全般的に何とも鈍いというか重々しい印象が拭えません。と言ってもとりわけ重量が大きいとか、トップヘビーな訳ではありません(実測データは無いけど持った感じとして)。そこでふと、自分のBlade98Sに持ち替えた時に原因が判りました。Vcore pro 100は明らかに振り抜きが悪いのです。記憶を辿れば同じ100インチののEzone100やVcore100と比べても振り抜きが悪いと思います。

考えてみればこのラケット、所謂ボックス形状なのに分厚いフレームで、しかもその断面形状がスロートからリム全域に渡って殆ど変わりません。という事は縦振りした時は板が風邪を受けてるような状態になるので、空気抵抗がかなり大きい筈。普通の厚ラケなら場所によって厚みが様々で、例えばリムの中間部分はが最も分厚く、ラケット先端とスロート部分に近づくにつれて細くなったりします。断面形状も楕円やおにぎりのような形で縦振りでも左程空気抵抗が増えないようになっていると思いますが、このVcore pro 100にはそうした工夫が見られません。

勿論、横振り(フラット)なら逆に空気抵抗が少ない方向です。それにあまり縦振りをしなくても、上述のようにホールド感でそこそこスピンが掛かるので、持ち球がフラット系かつスウィングが比較的コンパクトな人ならフィットすると思います。ただ、問題があるとすればスピンサーブですかね。相手のボールの威力を使う事が出来ない上、頭上で高速で擦り上げないといけないので。