IT-WEB -- MCタイチ

渋滞が起きる本当の理由2008-04-30

大型連休の只中、渋滞に巻きまれている人も多いことでしょう。何時間も高速(拘束?)道路に缶詰になっていると「きっとこの先には大事故など、何かトンでもないことが起こっているに違いない」と想像していまうものです。しかし、実際には何もない・・・ある地点を過ぎると自然に動き出します。

勿論、本物の事故やトンネル、 ゆるい上り坂などが原因で渋滞は起きます。しかし、そうしたボトルネックが無くても、渋滞は発生してしまう。このメカニズムについて面白い実験がありました。

名古屋大学の実験

校庭に作った円形のトラックに、22台のクルマを集めて30km/hで走ってもらう。 すると、最初はスムーズに流れるが、そのうち渋滞部分が現れ、その”shock wave”は20km/hで後方に移動する。

確かに、渋滞の衝撃波のようなものが後方に流れているのが判りますね。

理論上は全員が30km/hで走っていれば、何処にも淀みが生じないはず。しかし、実際には正確に30km/hをキープするのはかなり難しいし、速度計だってクルマによって結構誤差があります。

よって、各車の微妙な揺らぎが、後続のクルマの走りに影響を与え、それがさらに後続のクルマに影響を与える・・・うーん、輪廻転生、複雑系でしょうか。

勿論、十分車間距離が空いていれば、その程度の揺らぎは吸収してしまい、全体としてはスムーズに流れるはずです。しかし、クルマの密度がある値以上になると、途端に相互作用が増大してスタックすると言うことでしょう。

未来の交通システム?

実際の道路では、ドライバーの行動もまちまちで、環境にも多少ボトルネックになるようなものもあったりと、上の実験より遥かに厳しい条件で動いているわけですから、許容密度も遥かに低く(厳しく)なるはず。

だから、大型連休のように、同じエリアに多くのクルマが殺到したら、どうあがいても渋滞は発生するってことです。それが嫌なら、もう電車みたいにクルマを連結してしまうしかないですね。そうすれば、上の実験でも30km/hで永遠に流れ続けるでしょう。いや、60km/hでも可能なはず。

まあ、物理的に連結するのは無理だと思うので、電子的に制御するしかないでしょう。つまり、 道路に埋め込まれたセンサーがクルマの密度を検出し、ある一定の値を超えると、全てのクルマは自動的かつ強制的にオートドライブモードとなり、セントラルコンピュータによって制御される。こんな感じでしょうか。まあ、すでに多くの研究がなされていると思いますが。

↓↓ ♥ ♥ ♥ Share this post ♥ ♥ ♥ ↓↓