台湾旅行(第二天)2012-04-20
眠りについたのは3時近くになっていたのに、朝は8時過ぎに目が覚めてしまいました。もう少し朝寝坊しようと2度寝を試みるも、結局寝付けないまま1時間以上過ごしてしまいました。台湾初の朝は天気良好。僕の部屋は北向ですが、有名な圓山大飯店は丁度前のビルに遮られて見えません。
ホテルでメールチェック
身支度の後、受付のPCを使いに行きました。というのもこのホテル、LANケーブルは机の奥から出てるけど、無線LANは無いので、僕のiPod touchは使えません。
受付には昨晩の人とは別の女性が居たので、横においてあるPCを使いたいというと、OKと言って電源を入れ、Yahooの日本語版を表示してくれました。しかし、OSは中文設定なので、日本語入力は出来ません(キー配列も微妙に違う)。
早速、iCloudにログインして、メールチェック。昨日のMayさんからメールは届いて居ませんが、今日の待ち合わせ場所と時間についてこちらからメールしました。
その時、台湾には花粉は無いはずなのに、僕は何故かクシャミをしてしまいました。すると受付の女性が”Cold?”と声をかけてくれましたが、部屋は冷房が入っておらずむしろ暑いので”No no, its OK, its worm”とか僕が言うと、ティッシュを持ってきてくれました。おお何と心優しいのでしょう。
Wifiカードを求めて
そうこうしているうちに11時頃になってしまったので、一旦部屋に戻ってから出かけました。旅行前の予定では、この日にEVショーに行くつもりでしたが、Mayさんと会う予定の士林夜市とは別の方向だったので、先に故宮博物院に行くことにしました。
出先でMayさんと連絡を取るために、台湾で最もポピュラーな公共無線LANと噂の”Wifly”カードを買おうとコンビニを探しました。その前に地下鉄圓山駅についてしまったので、取り敢えず公衆電話からMayさんの携帯に電話してみました。繋がったものの、稚拙な英会話がイマイチ通じないうちにコインが無くなってしまったので、ここで一旦通話は断念。
駅から暫く歩くとファミリーマート(台湾では「全家」)があったので、Wiflyカードは無いかと尋ねたら、男性店員はあるような口ぶり。しかし、日本でもお馴染みの情報端末を操作し始めたものの見つからず、更にレジの下からファイルを取り出して長々と調べてくれましたがやはり無いみたい。で結局、道の対岸の建物を指差し、あそこなら売っていると言われたので行ってみました。
するとそこは、中華電信という日本のNTTのような雰囲気のビルでした。そこで「Wifly」と書いた紙を渡して、こういうカードは無いかと尋ねたら、そういえばあったかなという感じ。奥で何やら色々探してから、僕にメモを書きながら日数と料金を説明してくれました。
ネットで調べたのより安いのでちょっと不思議でしたが、3日間パス(190元)を買いました。実はこれWiflyカードじゃなくて、中華通信独自のカードだったと程なく分かるんですがまあいいやと。裏に書かれたIDとPassでログインを試みたところ何度やっても失敗。
店の人に状況を説明すると、携帯番号を入れてアクティベイトしたり(僕は携帯を持ってないので会社の携帯でやってくれた)、数人がかりで延べ20分くらい悩んでようやく繋がるようになりました。これでもうID/Passは入れる必要はなく、次からはCHT-Wifiを選択すれば自動的に繋がるとの事でした(しかし実は・・・)。
メールをチェックするとMayさんから着信があり、午後6時にMRT剣澤駅で待ち合わせましょうとの事。そこで僕は、じゃあ北側出口で待ってますと返信しました。
因みに、待っている時に僕がクシャミをすると、またもやティッシュを差し出してくれました。この気の効きようは何でしょう?台湾の人は滅多にクシャミなどしないので、よっぽど重篤に思うのか?それとも、意外と細菌には神経質なのか?
あと台湾の女性は(男性もかな?)何かに行き詰まると「チッ」と舌打ちをしますねえ。日本でやると驚かれるでしょうが、そんなにイラついてる訳ではなく、「うーん、判らん」位の意味だと思います。
そうこうしているうちに午後1時頃になってしまい、再び円山駅に戻ってMRTに乗ります。できるだけ地下鉄で博物院に近づいておき、そこから真横にタクシーに乗ろうという作戦です。しかし、この日本的発想は無駄でした。
何駅か北上して下車し、タクシーに乗り込みガイドブックを指さして「ここに行ってくれ」と頼みます。すると「日本人いいねえ、寿司うまいねえ」みたいな定番のお世辞を言いつつ、どうも地下鉄で今きた方角を逆走しているようです。因みに運転が荒いというか、狭い路地でバイクを押し出すようにかっ飛ばしてくれるのでヒヤヒヤです。
故宮博物院
15分位走ったでしょうか。白いゲートをスルーして一番高い位置にあるメインの建物の前で下ろされました。値段は130元だから350円くらいです。ケチって損した。
博物館のエントランスは目の前ですが、もう2時でお腹が空いてるので、先に食事をします。確か、向かって右側の建物の地下にレストランがあるはずなんですが、従業員専用みたいな入り口だったり、特別展示みたいな事をやってたりと、どうも違う。アチコチうろちょろしてしまったけど、結局メインの建物のすぐ横の小さな建物でした。
中はかなり暗いですが、値段の割には小奇麗なレストランです。ちょっと南方系な感じのキュートな店員に声をかけて小さめのテーブルに着席。メニューにチェックマークを入れて注文するようです。中文、英文、日文の表記があるので判りやすく合理的です。
注文したのは、肉そぼろご飯とビーフンと肉きのこ餅のようなもの。最初の2品は結構美味しかったですが、最後の餅?は寒天か何かがしつこくて、ほぼ具だけ食べて残してしまいました。よく考えたら、どれも同じような味付けの品でした。
いよいよ入場しようとエントランスに戻るも、すごい人でごった返しています。有名な中国人団体客のようです。一旦外に出て建物の写真を撮ったり、室内のベンチで休んだりしながら空くのを待ちましたが、次々と新たに人間が補充され一向に減る気配がありません。
チケットカウンタ自体は殆ど並んでないのを発見し(多分団体客は事前にチケットを持ってる)、先ずはチケットを購入。音声ガイド機も借りていくかと思って立ち寄ったら、何と入場料(150元)とは別に100元もするといいます。
日本人の性分というか「じゃあ要らない」と言えず借りることにしたら、デポジットとして免許証を預かると!「何じゃそりゃ、誰がこんなもの盗むんじゃ!」と思うのはこれまた日本人的発想なのでしょうか。「大丈夫、心配しないで」と日本語いうんだけど、結果的にこの音声ガイドは余計でした。
そうこうする間にまた列が長くなってしまいましたが、待ってたらキリがないし時間も無くなって来たので、中国人の列の中に飛び込みました。彼らも一応列は作っているんですが、僕の前後ででかい声で会話しつつそのうち割り込まれます。
入場制限をしていますが、出てくる人も多くなってきたのでようやく入場できました。ただその後も、順路通りに見ようとすると、一緒に入場した大体客にまた飲み込まれたので離脱。空いてるブースに移動し、ようやく展示物が見れるようになりました。
時間的にも体力的にも、じっくり鑑賞する余裕は無くなってしまいましたが、真に価値ある骨董品は素人目にも凄いですね。「よく判らんけど、高いのかな?」じゃなくて、豪華で超精細な細工が明らかに凄い。恐るべき加工技術とかけた人月を感じます。ただ、混んでる展示は避けたので、有名な白菜と肉片の彫刻は見てません。
残念なのはトイレで、紙を流さずゴミ箱に入れるタイプでした。流さないので当然匂います。これはこの国家的観光施設にはふさわしくないですね。
時間がなかったので見落としてる可能性もありますが、実質3フロアの展示スペースは広大というほどでもなく、混雑が尋常なら3時間位あれば普通に見れる感じです。土産物屋も良いものが有りそうであまりない。
ただ、超人的な混雑を勘案すると、半日でも足りない可能性はあります。しかしだからと言って、団体客との格闘に大半の時間と体力を使うために長時間滞在したいとは思いません。平日でこの混雑なら一体どうすれば良いのやら?
イザ夜市へ!
ベンチで少し仮眠を取りたいくらい疲れて眠かったのですが、Mayさんと約束した6時まであと1時間を切ってしまったので外に出ました。
博物院のゲートに向かって白い道を歩いて行きます。ゲート前のロータリーにタクシーが待機していたので、外に居た運転手に「一番近い駅に行ってほしい」と英語で言いました(まだ懲りてない)。しかし、相手は理解できない様子。
「Japanese?」と聞くので「Yes」と答えると、「日本人なら日本語使うね」とか言うので、日本語で話しました。すると「地下鉄より(最終的に)何処行きたい?台北駅でも130元よ」というので、地図をさして剣澤駅(中国読みは判らない)だというと、「夜市ね。OK、OK」と言うことで、仲間のタクシーに指示して乗せてくれました。
このタクシードライバーも寡黙な雰囲気ながら運転は荒いです。ちょっとスペースが開くと、バスの横だろうが何だろうが、空かさずクルマをねじ込みます。車内でちょっとウトウトしかけた頃、剣澤駅に到着してしまいました。結局、往復共タクシーで良かったですね。
士林夜市
ひとつ南の圓山駅と打って変わって、ここは人通りが非常に多いです。約束の30前に到着してしまったので、ボンヤリと駅に出入りする人を観察してました。日本と比べ、若干人種が多様な気がしますが、単に服装や髪型の問題かも知れません。
約束の6時になってもMayさん達は現れないので、駅の公衆電話から彼女の携帯に電話してみると、20分くらい遅れるとのこと。こんなに人が多いのに、無事出会えるか心配になりましたが、北出口で待ってるとメールしたので、まあ大丈夫だろうと改札の前で待っていました。
しかしよく考えたら、Mayさんの顔をちゃんと覚えてる自信がありません。一度合ったきりだし、向こうも僕が判るだろうか?駅から出てくる女性を見て、あれ?あの人だったっけ?・・・うーん、違う。
あまり見続けていたら酔いそうだし、不審に思われても困るのでちょっと目を伏せたら・・・「タイチさん」と声をかける女性が目の前に現れました。おおMayさん!声で直ぐに解りましたが、向こうは直ぐにこちらを発見できた感じです。うっ、日本男児として有るまじき失態(何がやねん)。
隣に居る友達はリリアンさん。日本語で「はじめまして」とか何とかご挨拶しました。とても色白でスリム、明るい感じの女性です。Mayさんに僕のメールを見たか尋ねたら、どうも最後のメールは見てないみたい。じゃあなんで北出口に居ると判ったのでしょう・・・?
駅の出口から直ぐに地下街に入り、そこから夜市がスタートです。ガイドブックには夜市は屋台&食材市場みたいに書かれていましたが、実際には雑貨や衣料、射的に麻雀(?)等雑多な夜店が出ていて、日本の夏祭りのような雰囲気です。
しかし、食べ物屋は座る所はおろか、立ってる場所も無いほどの混雑です。取り敢えずフルーツジュースを見つけて、コレが飲みたいというと、リリアンさんが日本語でメニューを説明してくれた上に、自分の分と一緒におごってくれました(^_^)
何が食べたいか聞かれたので「牛肉麺かな」と答えたら、スマフォで色々と調べてくれましたが、結局「ここはオヤツみたいなものしかない」との事。まあ見た目に祭りの屋台ですからさもありなん。ただ僕は食べ物の内容より、ゆっくり座って話したいと切望していました。
日台友好親善晩餐
歩いていると、まともなテーブルがあり、さほど混んでない店があったので、「ここはどう?」と僕が問うと、「ステーキだけど良い?」、僕「OK,OK!」と言うことで入りました。2階席の奥のテーブルに陣取り、これでようやく落ち着けます。
注文して出てきたのは薄くてとても広い肉。しかし、牛ステーキの筈が食感がどうも違う。柔らかいけど筋っぽいというか・・・マトンのような食感です。おまけにソースの味もしまらない。注文したとき「辛いのOK?」と聞かれ「ちょっと辛く」と答えたのが不味かったかも。
まあ、さほどお腹も減ってないし、食べ物よりも彼女たちとの会話の方が大事です。リリアンさんは何度も日本に行った事があるというだけあって、かなりの日本通です。
僕がFacebookのアカウントを教えると、日本の人はFBはやらずにMixiじゃないの?とか、日本の携帯電話はスマフォじゃなくて折りたたむタイプのものが主流でしょうと言ってました。そこで僕は、かつてはそうだったけど最近は段々と逆転している、今や携帯の新機種は殆どスマフォだよと説明しときました。
また、「立山黒部」と紙に書いて、近々ツアーでここに行くというので、「まだ雪の中でかなり寒いよ」と僕が言うと、へーというリアクション。大丈夫か?あと東京はMayさんとも行ったことがあり、関西は京都・大阪・奈良と定番スポットを回ったそうです。
あまり日本語ばかりで話すとMayさんが孤立するので、時々英語で話しかけました(リリアンさんもちゃんと英語が話せます)。2人は同じ職場かと尋ねると、元々はそうだったけどリリアンさんは転職して今は商業銀行にお勤めだそうです。一方MayさんはIT関連にお勤めで、昨日空港バスで僕と合った時は中国に出張に行った帰りだったそうな。
そうこうしてるとMayさんがポケットWifiのようなものをカバンから出して、これでWifiを使えるからどうぞと僕にも薦めてくれました。3人で暫しスマフォチェック。因みに、台湾の若者は日本人に負けず劣らず携帯中毒という感じで、どこでも携帯を覗いています。
僕は名刺を渡したり自分のWEBサイトを見せる一方、リリアンさんはこの店の小籠包は美味しいよとか、この店はTVで堂本君が行ったとか教えてくれました(彼女はKinKi Kidsの堂本光一のファンらしい^_^;)。おまけに明日、牛肉麺の美味しい店を調べて、僕にメールをくれるといいます。
僕は電気自動車やバイクのサイトを運営しており、明日は「EV台湾/モーターサイクルショー」を見に行くと説明したら、なるほど!と納得してくれました。もっとも、彼女たちはそういった方面には興味は無いらしく、そのイベントの存在はおろか会場もよく知らないみたいでしたが。
とまあ、取り留めがない会話を1時間近くしたでしょうか。大分空いてきた店を出て、再び夜市に突入。彼女たちもイマイチ地理感覚がわからないらしく、スマホのマップを確認しながら行ったり来たり。
途中、お土産用のフルーツケーキを買ったり、カエルの卵みたいな名前の飲み物を買って飲みました。寒天入り水飴みたいな味ですが、ビックリするほど美味しくはないし、量が多いので半分ぐらいしか飲めませんでした。
出会いもあれば別れもある
20分ちょっと歩いたでしょうか、買いたいものや入りたい店があったら何処でもどうぞと言ってくれましたが、僕はこの雑踏の中でうろちょろする気はもうなかったので、そろそろ帰ることにしました。
お2人も地下鉄で同じ方向に帰るので、一緒に駅に入りました。僕が「台湾の地下鉄は安くて良いね、日本だとその3倍以上だよ」と言うと、リリアンさんは香港やシンガポールはその位だと言います。「何故、台湾は安いんだろ?」と僕が言うと、どちらかが「私達の給料は安いから」と言って、もう一方がウンウンと同意してました。台湾の人件費も上昇しているといいますが、当人たちはマダマダ不満なようですね(^_^;
そうこうしてる間に電車が来て、僕は次の駅で下車するので一駅だけ一緒。最後に2人にお礼を言って別れました。お互い「今度日本に来たら/台湾に来たら、また会いましょう」等と言ったものの、これが永久の別れになるかも知れません。しかし僕は名残惜しさより、彼女達と一緒に過ごせた喜びに浸っていました(^o^)
2人とも知的でアクティブな感じですが、変に構えたり肩肘張ったところがありません。出会った他の台湾人と同様、屈託がなく明るいです。一方、彼女達が僕をどう見たか気になる所ですが、「俺ってやっぱ海外ではモテるんだよね」等とあまり天狗にならない方が良いかも知れません(^^ゞ 台湾の人は皆とても社交的だし、僕は日本人というブランドである程度嵩上げされていたでしょうから。
しかし何れにしろ、最初に誘ってくれたMayさんにも、非常に世話を焼いてくれたリリアンさんにも、とても感謝しています。お陰で、とても楽しい思い出になりました。
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