EV -- MCタイチ

クルマ未来博20122012-11-17

昨年に引き続き、クルマ未来博に行ってきました。実は今年は行こうかどうか迷っていたのですが、Facebook友達で西宮の上田さん(電動の乗り物屋さん)が金曜に日帰りで行かれると聞いたので、便乗させてもらうことにしました^^; 去年のクルマ未来博はプレスデーを含めて2日間でしたが、今年は出展者が増えたようで3日間になりました。しかも初日から一般来場OKで、午後からですが試乗会もやってました。

新名神で名古屋にGO!

当日はバイクセブン伊丹で待ち合わせて、上田さんのハイゼットで名古屋に向かいます。今はなきツインカムエンジンと乗用車用タイヤで意外なほど快適でした。 しかも草津から初めて新名神を走ったのですが、素晴らしく快適な道でした。天気も非常によく、雪景色の鈴鹿御在所岳は勿論、遠く御岳や南アルプスの雪の山頂も見えました。

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下からグルっと回って名古屋インターで降り、昼食にとろみスパを食べてから会場に向かいました。会場の愛・地球博記念会場(モリコロパーク)に到着したのでは13:;30頃でした。 とりあえず中央広場に行ってお友達のサノモータースのブースを覗いたら、「サティアン」(看板裏の「個室」)に佐野さんが居ました。Teco代表の西下さんもご一緒だったので、軽くご挨拶と名刺交換。

2輪EVインプレ

近くの2輪試乗コースに行くと受付にNomelの小林さんが居ました。実際の順番と違いますが、先に2輪試乗インプレいきます。

Nomel Vita LIB仕様

新開発のLIB仕様のVITA。素晴らしいパワーとスムーズさだった。狭いコースだから判らないが、40km/h位一気に行きそうな感じ。小林さんに言ったら、やはりLIBにした分軽くなったからのようだ。先週公道で試乗したScootech(鉛電池)が今までで最高と書いたけど、少なくとも低速域ではそれを凌駕するパフォーマンスだと思う。

ハンドリングに関しては、昨年チョロットだけ乗った鉛電池仕様と同様の癖があった。比較的高重心なのか?フラッと倒れるタイプなんだけど、その割にセルフステアが弱いので益々倒れこんでしまう感じ。コーナリングの一連の接地感がつかみにくく、個人的にはどう扱って良いか判らなかった。昨年乗ったCOMPAのハンドリングはナチュラルで安定してたので、それにこのパワートレーンを付けたら最高ではなかろうか。

minimo

Minimo

株式会社ミニモという会社が開発した新型電動バイク。見ての通りお洒落でキュートなルックスだが、何処かで見たようなフレームワーク・・・そう、これはスズキ チョイノリの改造車なのだ。カラーとフェンダー周りを変更するだけで、こんなにオシャレに生まれ変わるとは驚き。

走ってみると他と比べて明らかに非力。後で聞いたら350Wだとのことで納得。丁度、初期型ミレットと同じくらいのパワーと重量感。それでも、本家チョイノリのエンジンが余りにも非力/ノイジーなので、電動化することで全体の印象はかなり上質になってると会社の人は言ってた。

ハンドリングに関してはこの日の試乗車の中で最も率直で、一番Uターンがやりやすかった。チョイノリベースなのでリアサスは無いが、こうしたコースなら乗り心地の悪さは感じなかった。

TECO TypeS

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見ての通り、Zoomerのフレームにカブのレッグシールドを組み合わせたようなデザイン。走った感じも見た目通りちぐはぐというか大味というか・・・西下さんごめんなさいm(__)m。

実はTECOのマシンは上田さんのお店でも扱っており、中身を見せてもらったのだが(不具合のため試乗できず)、それはシートの下まで鉛電池を満載したかなりヘビーな仕様だった。

しかし今回の試乗車はLIB仕様だったようで、乗っても重々しさは感じなかったが、逆に軽やかさや加速の鋭さも感じなかった。DBXと同じCVTを搭載しているのだが、DBXのような俊敏さは感じなかった。鉛仕様のマシンでもかなり力強いと聞いていたのでLIB仕様なら尚更強力の筈だが・・・もっと高速域で力を発揮するタイプなのか?

Denba70

2段変速の電動スクーター。昨年は誤ってLOW(登坂ギア)で走ってしまい、ドッカンレスポンスをなだめながらの走行だったけど、今年はちゃんと通常ギアを選択。すると良くも悪くも普通のパワーとレスポンスになった。

ただ、惰性走行をするためワンウェイクラッチを使っているらしく、パッとアクセルを開けるとクラッチが一瞬反応遅れを起こした後、急につながってしまう。ハッキリしたショックは意識的なアクセルワークで回避出来ると思うが、全般的にレスポンスがガチャガチャした感じでややガサツな印象が残った。

4輪EV紹介/インプレ

実は2輪より4輪の試乗が先に始まったので、先に上田さんと見に行きました。

MINI-EV

タカエンジニアリングという会社のMINIのエレクトリックコンバージョンです。前半の部では僕が乗りたかったKOBOTは無かったし、僕は免許証をサティアンに置き忘れてしまったので上田さんが試乗を申込みました。人気があるのか4-5人並んでいました。

MiniEV MiniEV MiniEV

順番が回ってきたので、僕は同乗しようと助手席に乗り込もうとしたら・・・何とシートがない!そう言えばこれミニカー登録。つまり1人乗りでござった。ところが、係の人(多分の社長)が上田さんの隣のフロアに座り込み、そのままスタートしてしまいました^^;

EVが静かなのは当然ですが、このマシンは側で見ているとモーター音がまるで聞こえません。タイヤと地面が擦れるジャラジャラという音だけ。運転していた上田さんによればキュイーンという音はしていたそうですが。

乗時間が終わって大分たってからこの会社のブースに行ったら、この試乗車が展示してありました。エンジンルームを見るとツインモータ!(写真上右)。左右のドライブシャフトをそのまま使ってベルト駆動。制御は1個のコントローラから2個のモーターを単に並列つなぎにしているだけでした。 モーターの特性を揃えれば、直進もコーナリングも全く問題ないそうです。

僕は以前から「EVにデフは不要(勿論ミッションも)。左右モータが合理的」と思っていたので、それを実証してくれた感じで嬉しいです。 ただ、ミニカーだから定格600Wという建前ですが、付いているモーターはお馴染みAdvanced DC製で「15HP」とシッカリ書いてあります(^_^;)。これをどうやって定格600Wで通したのか尋ねたら「それは社長が申請したので私はチョット・・・^^;」という事で判らず仕舞いでした。15HPは最大出力だと思うので電圧/電流制限をかけたとしても、定格で1個300Wまで落とすとなると・・・

KOBOT

コボットコポット

写真で見て乗るぞと決めていたこのマシン、4輪試乗後半の部で登場しました。これもかなリ人気があって、開始早々4-5人並んでいました。 何と言っても見た目にキュートで完成度の高いデザイン。しかもコムスやTwingyと違ってちゃんとしたドアが標準装備されています(^^)

ただしウインドは透明シートをファスナーで脱着するみたい。 このEVで先ず気づくのは、モーター音が「ギュイーン」と爆音なことです。外で聞いてても遠くからハッキリ聞こえるレベルですが、乗っていると出だしからまるで軽トラを高速でぶん回してるくらいのノイズです。

普通の日本製市販エンジン車だったら、社内基準に合致しないレベルでしょう。 会社の人によるとギアノイズらしいけど、4輪インホイールモータなのでギアなんて無いはずなんだけど・・・

何れにせよ、エンジンカー/バイクより五月蝿いEVに初めて遭遇しました。 パワー的には中々力強い加速を見せます。最高速は約55km/hだそうですが、そこまでは一気に加速できそうです。4輪のモーターは独立制御かどうか判りませんが(公式サイトにメカニズム的な説明が何もない)、直進性に問題はないし、タイトコーナーでも引っ掛かり感はありません。

ハンドリングはステア操作に敏感でかなりクイック。操舵力は軽く、下手するとレーシングカート以上にピョコピョコ反応し、おまけに重心が高いので落ち着かない挙動です。とは言え妙に楽しくて、制限速度の20km/hを大幅にオーバーしてしまったようで、あとで「結構飛ばしてましたね」と言われました^^;

こうした一人乗りモビリティーは皆、トレッドの割に背が高い似たような形ばかりですが、もう少し低重心にして安定性とスポーツ性を適度に追求したら面白そう。勿論このノイズは何とかして欲しいですが、コスト的な意味においてもリア2モーター位で良いのではないでしょうか?

3輪EV

実は事前に一番見たかったマシンがこれ。ケイズ技研の「超小型モビリティ試作車」です。

IMG_5208 IMG_5209 ケイズ技研

写真のように後ろ2輪が傾くので、2輪車のように寝かせてコーナリングできます。サス形式としては、2輪と同じスイングアームが左右独立してあります(4輪車でいうトレーリングアーム)。 しかしこのマシンがユニークなのは、左右のスイングアームがチェーンで連結されていること。これによって、一方のサスが縮むとチェーンを引張り、もう一方のサスが伸びるという仕掛けです。しかし、このままだと左右同時にストローク(圧縮)しないので、チェーンは真ん中で切れていてスプリングで連結されています。これによって、半独立サスのような動きになるんですね。

乗っているのは開発者の稼農さん↑ 試乗会にも出てましたが、実は稼農さんの後ろに同乗するだけで、自分でドライブすることは出来ませんでした。なのでリーンの手応えやセルフステアの度合いなどは判りませんでした。 ピアジオMP3を初め、多くの傾くトライクはダブルウィッシュボーン的な構造になっていますが、それに対するこのチェーン方式の利点は次のようなものだと仰っていました。

  1. 路面の凹凸によるストロークによってトレッドが変化しない。
  2. チェーンには引張応力しかかからないので、構造がシンプルかつ軽量で済む。
  3. チェーンの方向は縦でも横でも良いので、レイアウトの自由度が高い。

ただ後になって冷静に考えてみると、車体から見たトレッド変化はなくても、路面から見たドレッド変化はあります。つまり寝かすに従って対地トレッドが増えていくわけだから、タイヤの横方向のグリップ力でリーンを妨げる力が働くのではないかと。 このシステムは歩道の段差に片輪だけ乗り上げるというような状況を重視したようですが、自然なハンドリングという点ではどうなんでしょうね?自分で運転してないので何とも言えませんが。

ホビーな乗り物

FA機器という文字通りFA機器の会社が作った1人乗りのおもちゃ。

Selfi

ご存知セグウェイ風乗り物。僕は昨年試乗して懲りたので今年は乗らず、上田さんが初挑戦しました。やはり「自分でバランスを取るのではなく、マシンに身を委ねる」というのが難しいんですよね。

TOYCART

Toycartこちらは初めて見る乗り物。このバケツのようなマシンに座って、Wiiのステアリングで操作します。微小舵角にはあまり反応しないので大きく切ってカウンターを当てるというスタイルになりがち。

まあフィードバックがないので、Wiiのマリオカートなんかも似たような操舵感覚ですが。 予想通りおっさんが乗っても全く似合わないし、重すぎるのか動きが苦しそう(*_*; 右図のように女性か子供が乗るべきでしょう。

その他展示物

86EVお馴染みTGMYがトヨタ86を早速コンバート。新車なのに外したエンジンはどうしたんだろう? 真ん中の箱はコントローラですが、両サイドの箱はバッテリーだそうです。そしてリアのトランクルームにもバッテリーを搭載。「EVなのに4速」と書いてあったので、ミッション(AT?) プロペラシャフトは流用かな?

いつもどおり電装系+バッテリーは自社開発。改造費1500万円は同社にしては大したこと無いか?しかし、コンバージョンばかりでなく、オリジナルの車両は作らないのかな?

次は兵庫ベンダ工業という会社による、ビートルのコンバージョン。電動化以前に先ずレストアとして美しいです。元々程度の良い車両が手に入ったが、結局全塗装してしまったそうです。

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バッテリーはフロントの黒い箱のみで容量が足りないので、トレーラーに補助バッテリーを積んで引っ張ることにしたそうです。一見サーフボードに見えるソーラーパネルもオシャレ。

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右は完全オリジナルの2人乗りEV。豆腐を切ったような造形のFRPボディー。屋根は作ってるうちに反ってしまったとか(・。・; 内装も超シンプル&スパルタン。デフ付きリア駆動だそうです。試乗したかったなあ^^;

MUNUTE-S 555Tes

Minute555

最後の最後で屋内の展示物を見に行きましたが、時間がなかったので足早に写真を取っただけでした。その中で最も目を引いたのがこれです。

作ったのは、何とトヨタ技術会というトヨタ社員による研究会のようです。トヨタにしてはエキセントリックですねえ。Facebook内のビデオを見て更にビックリ、アクアとWR250がベースですと!WRの単気筒エンジンとアクアのモーター/ギアユニットを合体させた?

カマッテちゃん

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これもトヨタの市販車なんかより、よっぽどセンス良いですね。子供用にしておくには勿体無い、大人が一人で乗りたいぞ!

まとめ・感想

3日間も開演していましたが、結果的に初日に行って正解でした。天気は良かったし平日なので人は少ない、よってあまり待たず試乗できたので。翌日の土曜は雨で野外展示は開店休業、日曜は強風で看板が飛ばされたりしたそうです。出品者の皆さんご苦労様でした。

当たり前ですが、野外イベントは天気に左右されすぎるんですよね。とは言え、屋内のコンベンションホールなどで開催したら、出品も入場も無料と言うわけには行かなくなるでしょう。だからせめてもう少し早い時期(10月中)にやったら、雨でも寒さはないと思うんですけど。

展示内容としてはエコ一辺倒じゃない感じが良いですね。あくまで未来の車ですから、乗り物好きとしては楽しめます。あと、屋内の技術展示も含めると結構マニアックな内容かも知れません。個人的には一般消費者/家族向けより、業界関係者の技術交流的なイベントの方がいいですが(^^ゞ

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