電動車椅子インプレ2012-11-11
幾つかの電動車椅子やシニアカーに乗る機会があったのでインプレをお届けします。
電動の乗り物屋さん
Facebook友達の上田さんのお店に行ってきました。本来の目的は電動バイクの試乗ですが、介助用品も扱っているので試乗させてもらいました。
スズキ ET-40
シニアカー自体初めてだったのですが、車道で乗るにはかなりスリリングな乗り物でした(・。・;
出だしのトルクは意外とありますが、ここからという時に加速終了(5km/h)。交通量が結構多い上に道幅が狭めの道だったので、車に抜かれる時はヒヤヒヤです。
問題点をピックアップすると・・・
- 5km/hしか出ないので、原チャリで車に抜かれる時より速度差がある。
- 小さいとは言え4輪なので2輪より幅がある。
- 路肩は凸凹でカントが付いているので、ロールと振動である2輪より不安定。
- トレッドの割に重心が高いので、2輪感覚で足で支えたくなるが、足つき性は良くない。
という訳でやはり歩道で乗るべきマシンだと思いますが、その歩道が狭いとこれまた運転しにくい。何だか2輪と4輪の欠点を併せ持つマシンに思えます。恐らく若者でもかなリ集中力を要する乗り物なのに、老人にこれが乗りこなせるのでしょうか?最低でも自転車用のヘルメットは必要な気がします。
CTM HS6500
こちらは台湾製の電動車椅子。結論から言うと上のシニアカーより更にスリリングな乗り物でした。
これは左右のモータを独立制御して曲がるので、その場でぐるぐる回転することも出来ます(気持ち悪くなるほど高回転)。前後左右ジョイスティックを倒した方向に進むのですが、非常に敏感で操作がとてもシビアです。直進するとき少しでもスティックを傾けてしまうと、巻き込むように曲がってしまいます。
特に路肩はカントが付いているので、微妙に修正蛇をあてる必要があるので直進がとても難しい。もし車に抜かれる時に右に巻き込んでしまったら・・・と考えるととても怖いです。
猪名川町介助用品フェア
数日後に近所で介助用品フェアがあり、出品された電動車いすに幾つか乗ることが出来ました。
ヤマハ JWアクティブ(Pタイプ)
ヤマハらしくカジュアルでクールなデザイン。左右のインホイールモータで駆動します。上述のCTMのように左右にシビアな反応はなく、狭い室内でもスムーズに動かせました。
パワーが5段階位選べますが、最弱だとかなリ緩慢、最強でも慣れれば狭い場所で操れます。スティックを真横にしてもCTMのように高速スピンを演じることはありません。
このマシンはまた、介助者(後ろから押す人)もモーターアシストで楽に押すことが出来ます。両方で操作できるのはこの中ではこれだけです。当然、同時に操作できるのは何方か一方ですが。
背もたれの後ろに、脱着式のニッケル水素電池が装備されています。容量は24V*6.7Ahしかなく、電動アシスト自転車より軽いくらいです。重量は全体で28kgです。
アイシン TAO-LightⅡ-m
トヨタ系のミッションメーカーとして有名なアイシン精機が電動車いすを作っていたんですね。こちらは座った人だけが電動操作出来ます。介助者は自力だけです。
パワーデリバリーはヤマハのと同様にスムーズで、唐突な動きをすることはありません。これも5段階くらいのパワー切り替えでレスポンスを選択できます。バッテリは同じくニッケル水素で容量は24V*8.6Ah。
見た目に低くコンパクトな車体かつアルミチューブフレームなので、重量は21kgと最軽量。 乗ってもやはり軽快感があるので、俊敏に攻めてみたくなります。
ナプテスコ NAW-16C-DT-HP-G
このマシンは座った人は何も操作することは出来ません。「介助用電動いす」となっており、介助者を電動でアシストするものです。見た目も他の2台と違って、いかにも介助用品と言った感じです。
ただこのマシンが面白いのは操作系で、グリップが抜き差しする方向に動くようになっており、これがスロットルです。グリップを前に押す(差す)事で前進スイッチが入ります。
ただし、空車(誰も座っていない)状態では、押しても軽いのでそのまま進んでしまいスイッチが入りません。人間が乗った状態で押す、つまり負荷がかかって初めてモーターが駆動するという仕掛けです。
逆に下り坂などで転げ落ちないようにグリップを引っ張る動作をすると、モーターのバックトルクでブレーキがかかるそうです。この時回生はしていないようですが、押す時より引くときの方が人間にとってしんどいのでこれは助かるそうです。必要に応じてアシストするという面白い仕掛けですね。
感想
僕も将来爺さんになって、こういうもののお世話になるかもしれません。僕のお気に入りはアイシンの電動車椅子で、15km/h位出るように改造して走り回りたくなります。勿論これは違法で^^;もし事故って世間に知れたら「暴走老人、改造車椅子でクラッシュ」とか書かれるかもしれないのでやめておきましょう。
冗談はさておき、この手のマシンは車道で乗るのは余りにもリスキーだと思いました。これなら、足つき性に全く問題がない軽量な2輪の方がまだマシです。4輪に関しては年取ると車両感覚が怪しくなるので、爆走車椅子の延長としてミニカー的な乗り物が必要だなと思いました。それは屋根付きシニアカー的なものではなく、パワーも走行安定性も衝突安全性も70km/h位はちゃんと出せる新規格ミニカーが望まれます。