Motorcycle -- MCタイチ

DRZサスセッティング考察2013-08-24

様々なバイクに試乗したり購入シミュレーションを行うと、DRZのコストパフォマンス、とりわけサスペンションの性能と価格のバランスがずば抜けている事を再認識させられる。逃した魚は大きいではないが、買い替えを意識するほど、これだけ調整幅が広いサスのバイクに乗っているのに、あまり弄ってない事が非常に勿体無い気がしてくる。

そこで今回は、DRZで試した事を踏まえ、サスセッティングについて考察してみたい。と言ってもレースとかエクストリームな走りについては判らないので、あくまで一般公道での気持ちよさにフォーカスしているので宜しく。

DR-Z400SMのサスペンション

DRZのサスは、フロント/リア共に伸び縮み両方のダンピングを調整できる(さらに、リアの縮側は高速/低速別々に調整可)。フロントのプリロード調整を除けば、これ以上ないほどフルスペックの調整機構だ。だから、リアのプリロードしか調整できない普通のバイクに乗ってると、この手の話は苦々しく聞く羽目になる(僕が今までそうだった)。

さて、DRZを買った当初は、それまでのZ750に比べて魔法の絨毯のような乗り心地に感動し、ノーマルセッティングで十分満足していた。試しに数ノッチイジってみたが、閉めればギャップで突き上げ、緩めればフワつくようでメリットが感じられず結局元に戻していた。

ただ走行距離が伸びるに連れ、そのサスに慣れてしまったのかあるいはヘタってきたのか、徐々に乗り心地がゴツゴツと硬く感じ始めた。フォークオイルの交換は通常なら1万km台の後半くらいにやってたが、なにせ初めての倒立フォークで難易度が格段に高い。それに、そろそろ別のバイクに乗り換えるかもという浮気心もあり、2.2万km以上走った今でも交換していない。

それでも高機能サス頼みで調整してみると、流石にちゃんと改善されてほぼ新品時の快適さに戻ったように思う。具体的に何をどうしたかと書く前に、サスペンションの基礎的な事から書きたいと思う。その方がバイクやライダーに依存せず、応用が効くからだ。

サスペンションの原理

言うまでもないが、サスペンションには必ずバネとダンパーが付いている。理由は-平たく言うと-ダンパーだけだと縮んだきり戻ってこないし、バネだけだと伸縮を繰り返して中々収束しない(理論的には永遠に止まらない)からだ。この2つを組み合わせることで、縮んだサスは戻ってほぼそのまま動きが止まる。

どちらもサスの硬さに関係するものとして、ゴッチャにしてる人が居るかも知れないが、物理的な意味は全く異なる。まず、ダンパーは変位速度に比例した逆向きの力を発生しサスのストロークを止めようとする。

つまり、ある微小時間dtにおけるサスの微小変位量をdxとすると、ダンパーが発生する力f(t)は次の式で表される。(数式を見ただけで読むのをやめてしまう人も居るかも知れないけど、直ぐ終わるからね)。

f(t)=Ddx/dt (Dはダンピング係数) ※1

ダンパーを調整するということは、このダンピング係数を変えているという事になる。一方、バネの反力Fsは中学で習ったように変位量に比例するので;

Fs=kx (kはばね定数、xは自由長を0とした場合のバネ長の絶対値)

となる。よってサス全体に働く力F(t)は次の通りとなる。

F(t) = f(t)+Fs = kx – Ddx/dt

ということは、もしサスのストロークスピードが無限に遅ければ、ダンパーの影響はゼロでバネだけでサスの特性が決まってしまう。例えば、バイクもライダーも全くの静止状態なら、それらの重量配分と前後のバネレートだけで姿勢が決まり、ダンパーを如何に調整しようが関係ない。

残念ながらバネレートを変えられるバイクは無いので、ダンパーを調整するしかないのだが、それでもバイクの姿勢やサスの体感上の「硬さ」を変えられるのは、サスペンションが常に動き続けているからだ。

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