2輪の排気量別維持費比較2014-08-29
PCXを買う際に125と150、つまり原付2種と軽2輪の維持費を比較したが、更に小型2輪(250cc以上)も含めて比較することにした。本記事は差し替え版。
軽自動車税
ご存知のように2015年度から軽四輪や2輪車の税金が値上げされた。正確には課税する各自治体の判断で、2015年度から従来の1.5倍まで増税できるように税制が改正されたらしい。例えば僕の住む自治体では、2015年度は従来額に据え置きで、2016年度から1.5倍になった。
クラス(排気量) | (2014年度迄) | 2015年度以降 | 原付きとの差額 |
---|---|---|---|
原付2種(〜125) | 1600 | 2400 | 0 |
軽2輪(125〜250) | 2400 | 3600 | 1200 |
小型2輪(250〜) | 4000 | 6000 | 3600 |
因みに、軽自動車は2014年3/31までに最初の車検を受けていれば、その後もずっと旧税率が適用される(正確には13年経過後まで)。しかし、軽2輪以下は正確な経過年数の把握が困難として、年式にかかわらず最初から増税されるという。なんじゃそりゃ!
じゃあ、2014年度以前に登録した小型2輪は旧税率が適用されるのだろうか?よくわからないが、当記事では全て新税率で考えていく事にする。
重量税
原付には重量税はかからないが、それを超えると次のように重量税を払う必要がある。
- 軽2輪:4900円 (新車登録時のみ)
- 小型2輪(自家用、初回車検から13年未満の車両):新車登録時5700円(3年間)、以降車検の2年毎に3800円。
年間に直すと、小型2輪の場合はちょうど1900円/年。軽2輪の場合はそのバイクに長く乗り続けるほどお得になるが、例えば5年乗ったとしたら980円/年となる。
車検費用
「250以上のバイクは車検があるから割高」と考えている人が多いが、車検時に2年間の自賠責保険料や重量税を一緒に払ってるだけで、法的な検査費用自体は1700円だ。車検の有効期限は2年間だから年間850円という事。ただ、新車で買うと最初の3年は車検は免除されるので、もし5年で乗り換えたとすると、その間に1回=1700円で年額たったの340円だ(;^ω^)
ユーザー車検体験記に書いたように、自分で車検場に持ち込めば自賠責や重量税を含めて19,660円ですむ。バイク屋や車検代行業者に頼んだらいくら掛かるのかよく知らないが、見積もり金額からこの約2万円を引いた額が、業者に払っている代行手数料+車検に伴う整備費用ということになる。
ただ実際の車検では、引っかかるとすれば光軸検査くらいで、あとはよほど酷いコンディションじゃない限り通ると思う。よってもし代行業者に提示された「整備」が本当にそのタイミングで必要なのであれば、それは車検とは関係無い通常のランニングコストということだ。
まあ「自分で検査場まで行って手続きを行う手間と時間もコストだ」と言えなくはないが、それを言ったら自分でやるバイクの掃除やメンテナンスも全てコスト計算しないといけなくなる。その意味でユーザー車検は、実労数時間程度の誰にでもできる簡単なお仕事で代行業者に払う何万円かが浮くわけだから、かなり美味しいアルバイトと言えるだろう(^^)
自賠責保険料
自賠責は契約年数によって1年あたりの料金が異なるが、新車購入時には大抵加入するであろう36ヶ月で考えてみる。
クラス(排気量) | 36ヶ月 | 1年あたり |
---|---|---|
原付(〜125) | 12,410円 | 4,137円 |
軽2輪(125〜250) | 18,970円 | 6,323円 |
小型2輪(250〜) | 18,020円 | 6,007円 |
小型2輪より軽2輪の保険料のほうが高いというのは初めて知ったが(車検の有無?)、原付とそれ以外の差額は年間2000円程度だ。
購入時の「諸経費」
あまり比較する人は居ないかもしれないが、バイク購入時に税金や保険とは別に「諸費用」とか「登録手数料」といった名目でバイク屋に支払っている筈だ。金額は勿論バイク屋によって違うが、大抵購入する2輪車の排気量(区分)によって決まる。
一例として、大手量販店のPALSの諸費用と、そのバイクに5年乗った場合の年額を下記した。
- 原付2種:18,360円 ⇛3672円/年
- 軽2輪:41,040円 ⇛8208円/年
- 小型2輪:46,440円 ⇛9288円/年
任意保険料
任意保険料は条件によって全く異なるが、若年ライダーのケースで、例えば新規加入で全年齢対象という条件なら、何と34,700円/年もするという(確か排気量には関係ない)。
それに対して、原付はファミリーバイク特約が使えるので、4輪の保険料に6〜7千円追加するだけでOK。しかも、車1台に対し同居家族の原付が何台あっても料金は同じ。更に、原付で事故って保険を使っても等級は変わらない(保険料は変わらない)という。厳密には保証条件が個別に入る任意保険と違うらしいが、それでも原付の任意保険料は圧倒的に安い。
一方、保険条件が31歳以上(恐らく日本のバイク人口の8割位を占めるだろう)対象で、等級が最高の20等級まで進んでいれば、原付(ファミリーバイク特約)との差は精々年間2,000円程度。ネット保険であれば(僕のケースだが)殆ど差はない。
このように、あくまで若者に対して異様に厳しい料金体系だがしかし、任意保険に入らないという選択肢は考えないで欲しい。事故った相手に迷惑なだけでなく、自分も自賠責だけだと保険会社が示談交渉をしてくれないので、相手の保険会社から酷い条件を提示される恐れが有るからね。
トータルコスト
以上を踏まえ、カテゴリー別の年間コストを計算してみた。
軽自動車税 | 重量税 ※1 | 車検費用 | 自賠責保険料 ※2 | 法定費用合計 | +諸経費年割 ※1 | 更に合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
原付2種 | 2400 | 0 | 0 | 4137 | 6537 | 3672 | 10209 |
軽2輪 | 3600 | 980 | 0 | 6323 | 10703 | 8208 | 19111 |
小型2輪 | 6000 | 1900 | 340 ※1 | 6007 | 14247 | 9288 | 23535 |
※1:新車購入から5年で乗り換えたとして計算した1年あたりの費用
※2:3年契約の場合の1年あたりの費用
先ず「法定費用合計」の列にあるように、税金や自賠責の合計は原付2種と軽2輪で年間4000円程度の差。軽2輪と小型2輪でも3500円位の差だ。これに購入時の「諸経費」を年割にして加算すると、原付2種と軽2輪では9000円位の差になってしまい、軽2輪と小型2輪ではその半分の4000円ちょっとの差になる。
更に任意保険料を勘案すると、中高年かつ等級が進んだライダーであれば、上述のようにどの排気量でもほぼ同じ。しかし一方若年ライダーだと、原付とそれ以外の差は年間2万円以上、法定費用も合わせると3万円くらい差が付いてしまう。このへんが「売れるのは125以下か、それを超えるとリッターバイク」という奇妙な現象の理由だろう。
軽2輪と小型2輪では任意保険料が同じなので(若者にとっては何方にせよ高い)、殆ど法定費用の差だ。これは年間約3500円で大差とは言えないが、軽2輪もう1台分と考えるとちょっと引っかかる。それに購入時の「諸経費」を入れると、400と250ではの年間4000円強違うのは色んな意味で微妙な感じ。まあ「パワー不足だけど維持費を考えて250にしとこう」と考えるのは早合点だと言うことが判った(;^ω^)
しかし、日本の環境では結局400位が過不足無いパワーと重量なのに、それがリッターバイクと同じ法定費用とは不合理だろう。もっと言えば、今走ってる大半の軽四輪が7200円しか払ってないのに、400のバイクが6000円とは納得がいかない。なんか250〜400のバイクとリッターカーは同じような境遇だね。ジャストサイズのエコノミーカーなのに妙に税金が高いという意味で。