Teensy4.0+Audio boardが来た2020-01-30
先の記事で挙げた候補のうち、やはり最新最強のTeensy4.0を選ぶ事にしました。圧倒的な処理能力もさることながら、SDカードスロットも付いた専用オーディオシールドは便利だし、Teensy系はシンセ製作のノウハウや開発環境が充実しているからです。
注文と発送
でそのオーディオボードですが、従来のTeensy3系用と新しいTeensy4.0用では見た目は殆ど同じですがピン配置が異なっており、互換性がありません。しかしこのTeensy4用ボード、PJRCでは直ぐに発売されたのに、本家のSparkFunでは何故か発売されませんでした。PJRCが開発元でSparkFunは代理店みたいなもんなんでしょうか?
いずれにせよ、PJRCではエコノミーシッピングが使えないので、SparkFunでの発売を待っていたところ、2019年末に買えるようになっていました。見積もりは以下の通り。
Teensy4.0 | Audio board | 送料 | 総額 |
---|---|---|---|
$19.95 | $14.95 | $3.49 | $38.39 |
細かい事を言えば、オーディオボードがPJRCでは$13.75なのにSparkFunでは$14.95になってるのが不可解ですが、送料が圧倒的に安いので良しとしましょう。PayPalで1 JPY = 0.0088 USDのレートが適用され、総額で4,386円でした。
12/17に注文しカリフォルニアをFedexで出発、その後予定通り音信不通になり、翌年の1/4に突然日本の我が家に届きました。注文から18日なので、何時もebayで深センや香港から無料配送される商品よりむしろ早いですね。
micro SDカード
PJRCによれば、SDカードはSanDiskのUltraがお薦めらしい(他のブランドは規格が同じでも速度が出ないらしい)ので、日本のAmazonで別途購入しました(税+送料込み400円台)。
Tennsy4.0とAudio boardの合体
Teensy4.0の現物を見ると、覚悟はしてたけどかなり小さいですね。ちょっと短いUSBメモリスティックという感じ。オーディオボードも長辺は同じで、短辺が2倍強のほぼ正方形です。
さて裏面にある例の表面実装端子ですが取敢えず使わずに、Teensy4.0をAudio boardの上に直接載せる事にしました。何方も汎用基盤に載せて互いに配線する方式なら、表面実装用のピンヘッダを半田付けして信号を取り出せますが、このはんだ付け自体が難しそうだったので。
ただ直接載せると言っても、PJRCの写真のようなピンだと一旦はんだ付けすると外せないのでNG。また普通のピンソケット(メス)は10ピン単位のものしか無いので、Teensy4.0(14ピン)だと途中でぶった切る必要があります。
そういう場合非常に便利なのが上の分割式のピンソケット。ですが現状では秋月電子くらいしか扱っておらず、Amazonでは在庫切れ、ebayやAliexpressでは見当たりませんでした。1個100円位の商品に送料が500円ほどかかるのは馬鹿らしいなと思っていたところ、何時もよく行く宝塚のテクノパーツにありました!一応同店の通販でも買えますが、これなら秋月の方がまだ安そうですね。
ピン配置
さてここからが本番、下の図はオーディオボードがTeensy4.0のどのピンとどういう役割で繋がっているかを示しています。詳細はPJRCのページを見て欲しいのですが、I2S DAC及びSDカードアダプタとして、合計16ピンで繋がっています。
逆に言うと、その他の12ピン(14*2-16₌12)は使われていないので、これらをスイッチや可変抵抗用等の操作系として何とかやり繰りする必要があります。正確にはうち1個は外部電源入力なので信号には使えません。逆にオーディオボードの可変抵抗取付用の「VOL」端子はTeensy4.0のA1ピンと繋がってるだけです。また3.3VとGNDもオーディオボードの端子から取り出すことが出来ます。
という訳で上の図などを参考に、空いてる12ピンが何に使えるか書き出したのが下の表です。Digital AudioやCAN Bus関連はもう使わないと思うので省略しています。
serial port |
PWM | Pin No. | PWM | analog read |
I2C | |
---|---|---|---|---|---|---|
GND | Vin | |||||
RX1 | PWM | 0 | GND | |||
TX1 | PWM | 1 | 3.3V | |||
PWM | 2 | 23 | ||||
PWM | 3 | 22 | PWM | A8 | ||
PWM | 4 | 21 | ||||
PWM | 5 | 20 | ||||
6 | 19 | |||||
7 | 18 | |||||
8 | 17 | A3 | SDA1 | |||
PWM | 9 | 16 | A2 | SCL1 | ||
10 | 15 | PWM | A1 | |||
11 | 14 | PWM | A0 | |||
12 | 13 |
スイッチ類はどのピン(digital Read/Write)でも使えますが、可変抵抗が使えるのはAnalog Readの5ピンだけです。しかもこのうちA3とA2はI2S用のピンでもあるので、LCDなどに使ってしまうと残るは3つだけになります。
ピンヘッダの半田付け
まあピンの使い道どころか、そもそもどんな楽器を作るかまだ決まってないので、取敢えず必要な箇所だけTeensy4.0にピンヘッダ(オス)をAudio boardにはピンソケット(メス)をはんだ付けしていきます。
ピンソケット側も分割できるので、必要な分だけ繋げば余ったピンはL字ヘッダ等をTeensy4.0の下面から出して高さを節約できます。しかしご覧の通り、ピン配置が歯抜けのようにバラバラで、特に隅のGNDは1本だけ孤立してるので強度が心配です。なので結局、歯抜けはTeensy4.0側(オス)だけにして、背の高いAudio board側のソケットは1列丸ごと立てる事にしました。
因みに、普通はブレッドボードを治具にして半田付けしますが、私のブレッドボードは精度が悪いようで、列の間隔がTeensy4.0と微妙にズレ、ピンヘッダが平行になりません。なので最初から、Audio boardと共に全部組んだ状態でマスキングテープで固定し、やりやすい所から半田付けしていきました。結果、ボードに対してやや斜めにソケットが立ってしまいましたが、平行四辺形なので問題無く抜き差し出来ました。
Audio boardの可変抵抗の3ピンとTeensy4.0の短辺の5ピンは、テクノパーツに在庫があったEHコネクタ(恐らく2.5㎜ピッチで最小)を装着しました。長辺の余ったポートもEHコネクタのサイド(L字)タイプを付けたいのですが、6局とか4局のものは取り扱っていないので、L字ピンヘッダをTeensy4.0の上面に付ける事にしました。