東京モーターサイクルショー20132013-03-25
以前報告したトライクレーサーの企画をMotorfanに応募したら、「もし東京に来る事があれば、合ってお話しませんか?」と言われたので、用事はないけど作ることにした。それが東京モーターサイクルショー。しかし、9年ぶりかあ、そりゃ僕も歳取るなあ(・_・;)
交通費を浮かすために、往復新幹線+ホテルの格安ツアーを申し込んだため、選択できる新幹線はこだまだけ(ひかりやのぞみは追加料金)。何とこだまは大阪-東京間が4時間もかかるのだった。そんな長時間どうやって過ごそうかと悩んだが、前日ちょっと風邪をひいてしまい、風邪薬を飲んでウトウトしてたら意外と早く着いた。
天気が良かったので富士山もバッチリ見えた。それにしても、富士周辺って新幹線の駅が多いねえ。
東京ビックサイト
終着駅の東京まで行かず、品川で降りて京浜東北で大井町、そこからりんかい線で国際展示場に向かった。それが一番早道の筈なんだけど、りんかい線がなかなか来なかった。
到着したのは14:30頃。久しぶりに見るビックサイトは、ピラミッドが逆さまのまま健在だった。モーターサイクルショーの場所も以前と同じ。そしていつもどおり、先ず野外の試乗会場に向かう。
試乗会
試乗車種は小型、大型A、大型Bの3グループに分かれていて、先ずそれぞれの列に並び、申し込み用紙に記入して免許証を提示し、車種ごとの予約チケットを貰う。人気車種は早々と予約いっぱいで、あまり乗りたい車種も無かったが、BMWのC600というスクーターに乗ることにした。列もすいていて、15:00~の予約が取れた。
次に保険料500円/1台(昔と変わらず高い!)を払う列に並ぶ。これは全員が同じ列なので、15分くらい待ったが昔はもっとかかったような気がする。少なくとも大阪MCショーよりは格段にマシ(流石に高額なだけある(^^ゞ)。で保険料を払ったら、試乗券にスタンプを押して貰い、ようやく試乗エリアに入場できるというシステム。
次は、ヘルメット貸出コーナーに少し並んで、試着&署名して借りる。でようやく試乗車別の列に並ぶのだが、大体各3人くらいしか並んでいなかったが、C600は誰もいなくてすぐに乗れた。ここのコースは、昔通りタイトターンが多いレイアウトだが、C600は案外扱いやすく問題なく走れた。(詳細インプレは別途)
試乗が思ったより早い時間に終わったので、割とゆっくり展示を見ることが出来た。以下の写真で本文中に説明の無いものは、拡大写真の下に注釈を入れた。
ホンダ
CTX700
今年のホンダは話題の新車が多いせいか、人の入りが多かったように思う。NC700系のアメリカンヴァージョン。ボッテリしたスタイルはイマイチながら、車高の低さは想像以上。この極楽足つきなら、こういうバイクも有りかなと思ったが、ステップに足を乗せると足を投げ出し、腰にきそうな姿勢になる。やはりアメリカンらしく、不自然なポジションだった。
New Zoomer
新しく生まれ変わったズーマー。良くも悪くもチープな感じの従来型と比べ、かなりゴージャスになった。またがると、ハンドル幅が広く50にしては大柄なポジション。サスは硬めであまり沈まず、国産ビクスク並みに悪い足つき性。意外と乗り手を選ぶ、原付1種スクーターではあるまいか?
Grom
XR100モタードの後継とも言えなくはないが、基本的には新型ミニモタード。タイ産で125ccエンジンを積むという。見た感じもタイカブのエンジンっぽい。
またがるとサスが柔らかくリバウンドストロークが長い感じ。Zoomerより大分足つき性がよく、良い感じの足回りだ。ただ、小さなホイール(10インチかな?)はハンドリング的にトリッキーにならないかちょっと心配。スタイルはキュートさやファニーさを狙ったのかもしれないが、頭でっかちすぎてややアンバランス。ただ、シートはXR100モタードやKSR110より大分幅広なので、又裂きの刑になる危険は少ないと思う。
また勝手に商品企画をすると、タイカブではなくPCX125のパワートレーンを積み(つまりCVT) ホイールも同じ前後14インチにしたら良かったと思う。スタイルはこれと同様のモタード/レジャー系で、タンクはダミーで中はラゲッジスペースになっていれば便利に違いない。
その他
カワサキ
カワサキも今年は華やかで、客の入りも良かったというか大混雑だった。と言っても、その殆どがZ250に対する注目度と言った感じだったが。
Z250
昆虫顔路線が板についてきた感じの最近のカワサキだが、顔や全体的なプロポーションはかつて乗っていたZ750に近い印象。ただしタンクなどの造形は、よりエッジがシャープだ。よって、色はNinja250と同様に白が似合うと思う。
Z250に跨ると、Ninja250より一回りアップライトなポジション。カウルがない分見た目にも軽量感があり、僕にはこの方がしっくり来る。
Z800
昆虫系の最先端を突っ走るZ800。タンクにペキペキ樹脂パーツをくっ付けるあたりが、ネイキッドの一線を超えてしまった感じ。
しかしそれより驚いたのは足つき性の悪さ!一見、Z250と大差ないサイズに見えるが、シート高835cmは伊達じゃなかった。僕の場合、両足のつま先を同時に接地できるか出来ないかというレベル。その高いシートから、急坂を転げ落ちるようにタンクそしてメーターパネルがドンドン低くなる超前のめりのプロポーション。
つまり、オフ車並の足つき性と、大型直4ネイキッドの重さと、スーパーバイク並みのつんのめり感を併せ持つ恐るべきバイク。日本男児や大和撫子を完全に無視した潔さが際立つ。推奨体型は手足の長い175cm以上(ただし彫りの深いイケメンに限る)。
スズキ
今年の(今年も?)スズキは日本メーカーの中では一番地味だった。注目のニューモデルが殆ど無いからだと思う。
ヤマハ
ヤマハも例年通りというか、特にニューモデルは無かったが、圧倒的に惹かれたのがこのXVS950CU BOLT(市販予定モデル)。
前々から、HDのスポーツスター風の渋いアメリカンを日本メーカーが出さないかと思っていたが、ついにやってくれた。本家よりやや直線的な造形で都会的で、微妙ではあるがうまく差別化出来ていると思う。
その他
KTM
390Duke
ホンダやカワサキに次いで人気絶好調のKTM。跨る隙も写真を撮る隙も殆どなし。Duke200については遂に写真すら撮れず。市場でも未だにバックオーダーという異様な人気。今年も試乗できずに終わってしまうのか?
注目の390Dukeに初対面。200や125と同じ車体なので、当然ながら跨っても超コンパクトなポジション。床に固定されているので良くは判らないが、重量感は流石に125や200よりはあるようだ。ただ、それでもNinja250よりは軽い感じ。
その他
Adiva
AD3(ADtre)
今回のMCショーで技術的に最も興味があったのは、この前2輪トライク。その構造が実物を見てハッキリ判ったのは今回最大の収穫かも。
サスペンションアームは僕のアイデアと同じで、車体側ピポットが同軸のダブルウィッシュボーン形式。それに左右のロアアームをモノショックで連結するだけというシンプルな構成。左右独立懸架にはならないが、これでリーン時には無抵抗に左右逆位相ストロークし、ギャップ走破時のみショックユニットがストロークする。
MP3のようなテレスコピックフォークを使わないので、重量的にも剛性的にも有利。トレッドもMP3位に収まっており、普通の2輪用駐輪スペースに充分置ける。
AD200
AD3との違いは、多分フロントホイールの個数だけ。これだけ車高があると、2輪では不安定な気がする。
キャノピーはAD3と同様のシステムで、屋根を畳んでオープンにすることが出来る。ただその場合、後ろのラゲッジスペースに屋根を収納するので、荷物が殆ど積めなくなるみたい。それでも、雨が降ってなければ屋根は邪魔なだけだから、他のキャノピー付き2輪/3輪にも採用して欲しい。
Cargo3
これはEVで後ろ2輪のトライク。チルト機構もAD3とは異なり連結スイングアームのようだ。
スタイルは他のAdiva製品とは異なり、中小企業の手作りEV風。もっとも公官庁専用で確か100万円くらいするので、一般消費者には関係ないが。
BMW
最近、BMWのバイクをチェックしてなかったら、GS系のラインアップが妙に増えていた。しかも同じような形、同じような名前なのでかなり混乱する。
Motorradのサイトに寄ると、G 650 GSというのは単気筒で、昔のF650に近いバイクのようだ。片や従来からあるF700GSとF800GSはパラツイン。しかし名前に反して排気量は両者同じ、なのにパワーは違うという謎の設定。
今回跨って判ったのは、足つき性が一番良いのはF700で、意外にもG600は次点、そしてF800が続く。
C600 Sport
試乗会で消去法的に乗ったこのバイクだが、意外と乗り易かった。ただ、ポジションはやはり大柄(ハンドルが遠い)。詳しくはインプレNEOを参照方。
Triump
トライアンフのタイガー系もしばらく見ない間に車種が多くなり、BMWに似た混沌状態になってきた。おまけにスタイルまでGS系に似てるなあ。跨ってみて足付き的に何とかなりそうだったのは、タイガー800くらいか?
Megelli(メガリ)
一昨年登場のMegelli250rに加えて、今年はネイキッドヴァージョンのMegelli250sが発売される。ネイキッドになってもスタイルは良いし、やはりポジションはこれくらい楽な方が僕は好き。タイヤが浮いた状態で跨ってもそれほどシートは高く感じなかったので、足つき性は全く問題ないだろう。
しかし!価格を見ると、sの方が29,000円高い!倒立フォークのせいなのかもしれないが、フルカウルよりネイキッド版の方が高いという値付けは如何なものか?
発売当初は中国製で42万円という価格にはインパクトが有ったが、その後各社がインドやタイ製の廉価軽2輪を出して来た。価格のアドバンテージが消えた今、中身で勝負できるのか?試乗して確認してみたい。
KIMCO
K-Pipe
独特のフレームワーク、ポップでいかしたデザイン。エンジンを吊ってるところを見ると、カブ系エンジンのレプリカか?黄色いほうが50で赤いほうが125らしい。
跨ったのは50の方だが、スカスカに軽い!シート高は割りとあるけど、車体が超スリムなので足つき性に問題はない。シート幅がオフ車並に狭いような気がしたが、シート素材が硬めなのは好印象。これはぜひ試乗してみたい。
Piaggio
MP3
新型MP3はかなりコンパクトになりデザインもスッキリ。ただ、顔は微妙。また、フロントサスのメカニズムとしては、Adivaの方が洗練されてる。
その他
まとめ
東京を去った後に東京モーターサイクルショーに行くことなどもう無いと思っていたが、ひょんな事から来てみるとなかなか楽しかった。そしてやはり大阪モーターサイクルショーとは格が違うと言うことも再認識した。
それにしても金曜というのにこの人の多さは何なのか?人をかき分け、撮影OR跨りを繰り返していると、2時間ちょっとでぐったり疲れてしまった。好意的に解釈すれば、日本では斜陽産業になってしまった2輪に、少しばかり人気が戻って来ているのだろうか?それでも、ライダーの高齢化は現在進行形だけどね。
MegaWeb
さて、今回久しぶりに東京に来たので、バイク友達だったマヨさんと合って夕食を一緒にとることにした。僕がMegaWebもちょっと見てみたいと言って、そこで待ち合わせにしてもらった。ビックサイトからたった一駅だけど、重い足を引きずるようにMegaWebに到着した。昔通り華やかな雰囲気な上に、人が少ないのが幸いだった。マヨさんを待つ間、最後の力を振り絞って展示物をチェックした。
MINUTE-S
昨年のクルマ未来博にも来ていたトライク風ハイブリッドカー。何とWR250のエンジンとプリウスのモーターユニットを合体させたという。
作ったのはトヨタ社員の同好会で、全国を巡業しているようだ。翌日はデモ走行をしていたらしい。秋葉原なんぞ行かずにまたここに来ればよかったかなあ。
86Q
同じチームが作った86のデフォルメ。ミゼットⅡをベースにしたらしいし、写真の印象からもチョロQのようなものかと思っていたが、実物はめちゃくちゃデカかった。本物の86より全長が僅かに小さいだけで、幅は多分広い。そして高さは並のミニバン以上。
i-Real
色んなイベントでよく登場するトランスフォーマー。残念ながら、試乗タイムは終わっていたが、トヨタレディーがほぼ僕のためだけにデモンストレーションをやってくれた。