EVパーツと情報サイト2010-04-18
スーパーカブ電動化計画で、EV用パーツの情報収集を始めて判ったことは、とにかく日本には何も無いと言う事です。そこで、海外のサイトを探したり、人から聞いたりして見つけたEVパーツショップや情報サイトについて紹介します。
海外EVパーツショップ
海外(といっても殆どアメリカ)には、個人のEV製作や電気スクータの改造の為のショップが沢山ありました。色々と探し回って作成したショップリストをミシュラン風に紹介します。
- ★★★Cloud electric:恐らく世界最大級のEVパーツショップ。品揃えが最も豊富で電気系のみならずシャシパーツまで何でもある。値段はまあまあ、送料は高めか?
- ★★★kellycontroles LLC:Kellyコントローラのオフィシャルサイト。あらゆるジャンルをカバーする自社製コントローラは勿論、電装小物やモータキットなども売っている。インホイールモータのラインアップも充実。サポートも質問に的確に答えてくれる。
- ★★★TNC scooters: スクーター&パーツ系。品揃えはほどほどで、価格と送料は最安値。ジャンル分けが大雑把なサイトは見難いが、2011年8月にリニューアル予定とある。表記は無いが問い合わせたら日本にも送ってくれる。サポートも親切。
- ★★Monster scooter parts(MSP):電気スクータ(といっても電動キックボード)系パーツの恐らく最王手。商品価格や送料はTNCスクータ より少し高い。
- ★Currie technologies:Currieという電気自転車/スクータブランドのオフィシャルサイト。他と同様、スペアパーツも扱っている。自ブランドモータ などは最も安いようだが、在庫切れを起しているかも。
- ★evparts.com: オールラウンドと言う意味ではCloudElectricに次ぐレベルだが、品揃えも値段も送料も少しづつ劣る。
- ★★Robot parts & Electronics: ロボット用パーツなら何でも揃う。一見、EVと関係無さそうだが、チェーン・スプロケ、ベルト・プーリー、ギアセット、シャフトや軸受・・・等メカ系の品 揃えが豊富。価格は若干高め。
- ★★Goldenmotor.com:今話題のハブモータブランド のオフィシャルサイトで販売もしている。基本的に自転車用パーツで、バイク用のハブモータもあるが、ホイールサイズが少ない。
- ★★★Cyclone:自転車を電動(ハイブリッド)化するためのキッ トが非常に充実。クランクやBBとセットになっており、ほぼポン付けで電動化できそう。ただ、日本の公道では原付になります・・・
- ★★Electric motorsport: 原付を越えるバイクや四輪カートクラスのEVに最適。特にモータは最近ラインアップが充実し、バイクレースでも活躍するAGNIモータも取扱う。価格は全体に少々高めだが、スプロケのオーダーメイドは日本のそれよりかなり安い。
- ★★Thunderstruck Motors:安いDC-DCコンバータを発見!一見地味だが、そこそこ充実した品揃え。バイクやスモールカークラスをターゲットにしているので、僕には丁度良い。
- ★electric scooterparts: スクーター用のパーツなら何もかも揃う。ただし値段は定価という感じ。カタログ用に。
- ★★?Aliexpress:商談サイト「アリババ」のショッピングカート版(ただしロット販売のケースもあるので注意)。中国のサプライヤから直に購入できる。お買い得になるかどうかはあなたの腕次第(?)。ちなみに僕はここからLiイオン電池を購入。
- ★★?Hobby King.com:思わぬ伏兵ラジコンパーツ。大型モータならなんと8kW級も。まあ実際は少々誇大広告のようだが、コストパフォーマンスは高い。
- ★KTA-EV:四輪など比較的大型のEV向きのパーツが揃っているようだ。
発送元は米国(ショップ系)か中国(メーカ系)ですが、距離の割りに日本への送料は大差ありません。例えば5kgのモータが安いところで$40弱(UPS)。中国からのLiイオン電池パック+充電器(計約8kg)が$40強(Fedex)でした。
送料は当然重さによって変わりますが、同じ物でも店によって違う(選択できる各運送会社の運送プランによる)ので、出来れば比較される事をおすすめします。。
国内パーツショップ
冒頭で触れましたが、日本ではクルマやバイクのカスタムパーツ屋は沢山ありますが、EV用パーツショップはほぼ皆無です。驚いた事に、EVモータで使える太さの電線さえありません。ただ限定された分野で、EV制作に役立ちそうな店があったので紹介します。
電機部品・バッテリー
- ★★★タカチ電機工業:電子部品を入れる防水ケース(配電盤とか)やフルオーダーアルミケースなどのメーカ兼ショップ。サイズも素材も非常に豊富。バッテリーケースとして採用。直接販売はしていないが、個人向きの通販サイトもちゃんと紹介しているところがエライ!
- ★★★マルツパーツ館WebShop:上記のタカチ電機のからリンクされた通販ショップ。タカチのケースだけでなく、様々な電機部品を扱う。ただ、DC48V*50A程度のモータ駆動用電力を扱えるパーツは殆どない。
- ★★オリエンタル:鉛電 池を使うならEVには欠かせないディープサイクルタイプを扱う店としてとても貴重。有名ブランドにOEM供給しているFIAMMの鉛バッテリーを扱う店の 中では最も安いと思う。
- ★★デンシ電気店:楽天の片隅にひっそりと佇む小さな店だが、計測器関係が安い。他にカー用品も扱う。
- ★★★BAYSUN:日本では数少ない大容量リチウムイオンバッテリーの製造/販売会社。バッテリーとしてはEVに使える値段ではないが、このサイトはリチウムイオン電池の基礎知識の宝庫。
- ★★★みちのくトレード:出た!海外パーツショップで良く見るリチウムイオンバッテリーが、日本でも手に入るようになった。価格はどっちが安いか見比べてみよう。
- ★?エジソンパワー:電気バイクに使えそうなスペックのリチウムポリマーがある。でも値段が書いてない・・・
- ★??エレクセル:環境関連イベントのブースで知った会社。メインは試作品の受託製造だが、汎用品も扱ってる。値段を聞いたら、国産としては安かったような。要確認。
板金・機械部品
- ★★板金工房:プレス加工の特注 品を作ってくれるネットショップ。
- ★★株式会社ATK:パイプの専門店。ある程度なら 加工もしてくれる。値段もお手ごろ。
- ★★★モノタロウ:FA部品や自動車パーツ、一部電機部品も取扱う総合デパート。スプロケットやベアリング等伝達部品の品揃えが豊富で価格もお手ごろ。
- ★★板 曲げ.COM:オンライン見積りですぐ値段がわかるし(板金工房より少し安そう)納期も短い。しかし最大の弱点は、素材がアルミとステンレスのみで板厚が夫々2種類しかない。穴あけなどの追加加工の料金も判らない。
- ★ミスミ:FA・機械部品販売の最大手。モノタロウに近い商品展開だが、品揃えや加工サービスの種類で圧勝。しかし!法人としか取引しないのが最大の欠点。ショッピングをする為には会社の登記簿か確定申告書をFAXし会員登録する必要があるという。なんじゃそりゃ!
カブ・カスタムパーツ
- ★★★アウトスタンディング:カブ系カスタムショップ。色々みてると楽しいが、実際に買うのはシート。他の装飾用パーツの高さに比べて何故かカブのカスタムシートはお手ごろ価格。あと時々出てくるアウトレットパーツもお手ごろ。
- ★★東京堂:これもカブ系カスタムショップ。シートの値段も形も同じみたい。
自作EV情報サイト
パーツショップと同様、情報サイトにも日米で大きな格差があります。日本最大手のあそこは有料会員向けクラブですから、BBSでは有益な情報は殆ど得られません。
一方、英語圏の情報は豊富です。今までで見つけたお気に入りのサイトは次の通り。
- ★★★Endless sphere.com:恐らく世界最大のEV情報フォーラム。電気の基本から最新テクノロジー、そして個別パーツの情報など非常に充実した内容。
- ★★V is for voltage forum:情報量は上記より多少劣るが、ここもオールジャンル。自作EVの紹介もある。
- ★★evalbum.com:自作EV紹介サイト。国籍別のリストがあり、米国が圧倒的に多いが、欧州からもかなり出品している。日本からはただ独り、リトアニアにも負けている。
自作EV個人サイト
少ないながら、日本で個人的にEVを作っている方のサイトを紹介します。
- 「トランジスタ技術」自作EV特集:電子工作の専門誌「トランジスタ技術」で自作EVの特集をやっている号があり、ここで動画などが見られます。
- Team Prominence:上の冒頭のリカンベントトライクを製作された方のサイト。これまでもソーラーカーレースに自作マシンでエントリーされているようです。
- 電動ミニモト製作プロジェクト:ミニオフロードバイクCRF50FをEVに改造されている方のブログ。他に、市販電気モトクロッサーでレースに参戦し優勝されました。
- eiferwerk:下にコメント頂いたアイファーさんのブログ。ジャイロキャノピーを電動化されています。しかも高出力モーターを搭載し原付枠を超えて、軽二輪というか三輪(側車付き二輪)で登録されています。
雑感
日本の企業はEVや電池で先頭を走っているように見えますが、個人のモノ作りや起業活動に関してはまたもやガラパゴス状態ですね。
上記の英語圏のパーツや情報サイトを見ていると、北米や豪州ではDIY文化のようなものが発達してるように見えます。日本の住宅事情では、大きな屋内ガレージのような環境は望めませんが、ホームセンターがあれほど流行ってるのに、DIY人口がヨーロッパの小国より少ないとは考えにくいです。
まあ、英語圏全体と比較すると日本語情報が少ないのは致し方ありませんが、TwitterやBlogなどの日本語比率の高さから考えると、EV情報の少なさは異常。オープンソースシステム開発等にもいえる事ですが、日本では他愛もない感情表現はあっても、情報の共有とか収斂は何故か進まないんですよね。