EV -- MCタイチ

新自動車税制と新ミニカー2011-10-05

EVに限った話ではありませんが、自動車の重量税や取得税を廃止が議論されているそうです。確かに、エコカー減税などで現在の税率は複雑になりすぎたし、公平性の観点からも疑問です。

そこで今回は、現在の自動車の維持費と、検討中という新規格ミニカーも含め、今後の税率のあり方について考えたいと思います。

僕は基本的に、自動車重量税や取得税を廃止し、代わりに燃料に炭素税を導入すべきだと考えています。CO2の排出や石油消費量を抑えたいなら、燃料に課税するのが一番シンプルで理にかなっています。これでカーメーカーも、非現実的なモード燃費の数値を追うのではなく、本当に燃費の良いクルマを開発するようになるでしょう。

一方EVについては表面的には非課税ですが、火力発電で使う燃料に課税すれば、結局電気料金で払うことになります。ただ、火力発電の場合は、排出したCO2を封じ込める技術があるので、それを採用した場合は減税。また、天然ガス発電は元々CO2排出が少ないのでその分減税にすれば良いでしょう。

自動車の法定費用

現行の自動車税と重量税そして自賠責の年額を比較したのが下の表です。普通車の税金は排気量や重量によって変わるので、ここでは最も小さな1L未満/1t未満のクラスを取り上げています。

尚、ここで言う「小型2輪」とは免許上の「小型2輪」ではなく、250cc以上の車検のあるバイクの事です。つまり、どんなに排気量の大きい「大型バイク」でも「小型2輪」って事です(^^

  普通車(1t未満) 軽自動車 小型2輪
排気量(cc) 1000未満 660未満

250以上

自動車税(円) 29,500 7,200 4,000
重量税(円) 10,000 3,800 2,200
自賠責(円)※1 15,110 13,600 9,640
費用合計(円) 54,610 24,600 15,840

※1:12ヶ月契約。参考:自賠責保険料例。

これを見ると、やはり軽自動車のお得感が際立ってますね。タントやワゴンRだと、マーチやビッツ等と大きさも重さも変わらないのに、年間合計で2倍以上:約3万円の差があります。しかも、ここに車検時の費用や高速道路代を加えると、更に差が広がります。

また、重量も専有面積も圧倒的に小さいバイクが、軽自動車とさほどかわりません。しかも有料道路の料金は大抵同じです。まあ、リッターバイクならともかく、400cc位でこの差はおかしいでしょう。

新自動車規格と法定費用(案)

以上を踏まえて、新しい法定費用の案を考えてみました。

  普通車(1.5L) 軽自動車 新規格ミニカー 小型2輪 大型2輪
排気量(cc) 1500未満 900未満

600未満

250~600

600~

自動車税(円) 34,500

19,000

7,000 3,000 5,000
自賠責(円) 15,110 13,600 12,000 9,640 12,000
費用合計(円) 49,610 32,600 19,000 12,640 17,000

先ず、重量税は全面的に廃止します(取得税も)。

新規格軽自動車

日本独特の優遇税制によって、アンバランスなガラパゴス製品になってしまった現在の軽規格。これを改め、グローバルコンパクトカーとしてほぼそのまま輸出できるよう、排気量を900cc未満としサイズも拡大します。すると従来の1L未満というカテゴリと殆ど差がなくなるので、これを廃止してしまいます。つまり900cc以上1500cc未満が普通車のエントリークラスになります。

軽の自動車税は元々安すぎるので値上げしますが、従来の1L未満車よりは安い19,000円とします。自賠責は従来通り。するとトータルでは、1.5L未満車とは17,000円の差がつきます。

また、性能やサイズがほぼ同じである従来の1L未満車より約1.4万円安くなります。これで今まで不人気だったマーチクラスの人気が出ると思います。

新規格ミニカー

あまりにも遅くて危険な現行の50ccミニカーにかわり、国交省が検討中という新規格ミニカーです。欧州の「シティーカー」(2人乗りの超小型コミュータ)あたりが狙い目でしょう。

排気量は2人乗りの4輪または3輪車として、速くはないが無理がない線で600ccとします。当然ながら費用は小型2輪以上、軽自動車未満とします。

通勤や買い物には、通常ドライバー1人しか乗らず、走行距離も片道約15km以内というケースが殆どでしょう。こういう用途で、4-5人乗りの普通の自動車に乗るのはエネルギーの無駄です。

エコカーと言っても、パワートレーンの効率を高めたり、車体軽量化するのはコストの点からも限界は見えています。最も効率的なのは、必要最小限の大きさにすることです。ただ2輪だと雨に濡れるし、荷物もあまり詰めない・・・と言う声に答えるのがこのミニカーです。

また、大きなクルマは車両感覚が掴みにくく、高齢になると取り回しに苦労すると言います。さりとて、2輪は怖いし、シニアカーでは徒歩の延長に過ぎません。高齢化社会という観点からも、この新ミニカーは重要なカテゴリーだと思います。

小型/大型2輪車

走るのに必要最小限の構造である2輪車は、本質的にエコな乗り物です。ただ、排気量の範囲が広すぎるので、従来の小型2輪は600cc未満とし、600cc以上は大型2輪というクラスを新設します。

小型2輪は自動車税を4,000円から3,000円に値下げ。自賠責は従来通り。新大型2輪は自動車税を5000円にアップし、自賠責は新規格ミニカーと同じ12,000円とします(速度が上がり、リスクが増すので)。

以上をグラフに書くと次のようになります。

新自動車税

ほぼ環境や道路負荷に比例した値になっているのではないでしょうか?さらに言えば、駐車料金や有料道路の料金、そして任意保険料もこれに比例して、小さいものほど安くして欲しいですね。

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