Grinta 1002022-11-09
軽量ヴァージョンのGrinta100 Liteをスクールで試打してから約一年。ようやく通常バージョンのGrinta100の試打ラケットがあるショップを見つけ、借りる事が出来ました。
外観
Blade98sと重ねて見ると一回り大きいフェイスですね。通常、100平方インチと98平方インチでは見た目も大差ない事が多いのですが、今回は面積が2%しか違わないとは思えない程差が有ります。
横から見た厚みの差も結構あります(写真ではわかり難いですが)。Blade98Sはスロート部分はソコソコ厚いですが、リム部分が薄いので差が顕著に出ます。Grinta100は先端から手元まで中厚ですね。
スペック
Grinta100の4つの仕様と他社の黄金系ラケットと比較しました。今回のGrinta100はスペック上は黄金スペックよりも5g重く、5㎜トップライトですが、実測では重量はほぼ同じで、バランスだけトップライトでした。
やはりスペックと実測の乖離の仕方はブランドによって異なりますね。他社製品の重量がスペックと実測で20g程違いますが、ガットの重さは15gもない筈。何時も言うように「黄金スペック」として売るための数値だと思われます。その点、スノワート(15gの差)には黄金スペック信仰は無いのか、比較的正確な値を出してるようです。
製品名 | 重量 | バランス | フレーム厚 | 重量(実測) | バランス(実測) |
---|---|---|---|---|---|
Grinta 100 | 305g | 315mm | 22-23.7-23mm | 320g | 321mm |
Grinta 100 Lite | 285g | 335mm | ↑ | 300g | 340mm |
Grinta 100 Tour | 305g | 315mm | ↑ | – | – |
Grinta 100 Tour Lite | 285g | 330mm | ↑ | – | – |
Vcore100 2021 | 300g | 320mm | 24-25-22mm | 320g | 326mm |
Vcore98 2021 | 305g | 315mm | 22.5-23-21mm | 332g | 319mm |
CX400 Tour | 300g | 320mm | 23.0mm | 322g | 324mm |
EZONE 100 2020 | 300g | 320mm | 23.5/26/22mm | 315g | 326mm |
試打レビュー
先ず軽く振ったところ、スペックの割にはやや鈍重な感じがしましたが、打っているうちに気にならなくなりました。自分のBlade98s V7 に持ち替えて比較すると、矢張りGrinta100はトップライトだという事が判ります。
ただトップライトだから振り抜きが良いかというとそうでもないです。空力的な面でBlade98はリム部分が薄いので、特にストロークのトップスピンの縦振りがし易いですが、Grinta100は中厚なのでそれなりに空気抵抗が有ります。とは言えこれは完全な薄ラケと比較した場合の話であり、Grinta100も中厚系の中では縦振り抵抗が少ない方だと思います。
それより一番意外だったのは打感です。勿論、Blade98sと比較すれば遥かに振動はマイルドですが、昨年打ったGrinta100 Liteと比較して何故か硬い気がしました。通常、同じラケットの通常版と軽量版を比較すると、通常版(重い方)の方が柔らかい打感になりますが、このGrinta100は逆に通常版の方が硬く感じるという不思議さ。ただ硬いと言っても腕に伝わる振動がキツイという硬さではなく、剛性が高くしならない硬さです。
張ってあるガットはセット販売のサニーコア(ナイロンマルチ+ポリコーティング)でテンションは45ポンドと低めなので、それが硬さの原因とは思えません。実際ハードヒットするとすっぽ抜けるように暴発するので、ナイロンにしてはテンションが緩すぎだと思います。
にも拘わらず、Grinta100の方がLite版より硬く感じるのは何故なのか?1年も前に打ったLite版の記憶が改ざんされてしまったのか?その辺を確かめるために、両方同時に試打できるウインザーラケットまで行って、交互に打ってみました(但し狭い室内の試打ルーム)。
そうしたら、本当にLite版の方が柔らかいんですよ。昨年スクールで打った時の感覚が蘇ります。対してノーマルのGrinta100は特にスロート部分ががっちりした感じで高剛性です。普通ノーマルバージョンを軽量化してLiteバージョンにする時、フレーム手元側(内部)に付いている錘やフォーム(?)を抜いて調整すると言いますが、それだと打感は硬くなるはず。なのにGrinta100 Liteは硬くない(寧ろ柔らかい)のはカーボンフレームそのもの(例えばチューブの肉厚を薄くしたり?)を変更したんでしょうか?
理由は良く判りませんが、しなり感という意味ではGrinta100 Liteの方が僕の好みです。一方、スウィングウェイトは両者粗同じに感じたので、トップライトでやや重めのノーマル版の方が好みです。この辺はその人の好みで選べばよいのですが、剛性感の違いも含めて打つ人によって感じ方が違うかも知れません。結局、自分で試打して決めてくださいという何時もの結論になってしまいますね💦