Tennis -- MCタイチ

CX200 20242024-01-27

久々のラケットインプレですが、今回はダンロップの新型CX200です。

概要

2021年モデルの前作との違いは、フレックス(RA値)が上がって順しなり(フラットに押し出す方向)は少なく(硬く)なっているとの事。半面、縦しなり(スピンを掛ける方向)は前作と比べてかなり大きく(柔らかく)なっているようです。

一方、リム(フェイスの枠)のたわみ(内側に倒れる)と潰れ(面の中心に向かって縮む)を大きくし、ここで柔らかさを出しているようです。また、ストリングパタンは、前作が中央に行くほど密になるのに対し、新作は全体的に間隔が均一になっています。

試打ラケットに貼ってあるガットはアイコニック・オールで、テンションは55ポンド。

色はスロート付近が写真ではワインレッドみたいに見えますが、実際は赤茶色(レンガ色)に近いです。リムのサイドは蛍光オレンジっぽい色でした。全体的にくすんだオレンジという感じで、個人的には一寸微妙です。

カタログスペックは前作と全く変わっていませんが、実測では6gほど軽くなっていました。バランスポイントは1㎜の差なので誤差の範囲ですね。

製品名重量バランスPフレーム厚重量(実測)バランス(実測)
CX200 2024305g315mm21.5mm316g325mm
(旧) CX200 Tour310g310mm20.5mm330g322mm
(旧) CX200305g315mm21.5mm320g326mm
CX200 2024 スペック

試打インプレ

前作のCX200はスウィングウェイトが軽いのは良いのですが、インパクトでラケットがブレるというか打たれ弱いというか、スウィートエリアが狭く感じました。一方新作は、スウィングウェイトの軽さは同等ながら、ブレる感じは明らかに抑えられています。そして単純によく飛びます。コントロール系ラケットというより柔らかめの反発系と言った感じです。

実を言うと最初の印象は、打感が硬質で反発系っぽいくせにフレームはぐちゃッと潰れるようなチグハグな感じでした。そこで試行錯誤した結果、優しく丁寧にスピンをかけて打てばしっくり来る事が判りました。また打感が硬いと言っても、手に伝わる衝撃は殆ど感じず、後で肘が痛くなることも無かったので、振動吸収性はかなり良いと思います。よく考えたらダンロップのラケットは、振動がマイルドな割に打球音が甲高いものが多い気かがします。その上この試打ラケは、ガットのテンションが55ポンドとやや高めな為、余計に硬い気がしたのでしょう。

ショット別に見ると、ボレーくらいのインパクト(ボールとラケットの相対速度)なら、ホールド感がありアシストも十分でとても打ちやすいです。例えば地面すれすれで何とか当てただけのボールがちゃんとネットを超えて相手のコートに入ります。バックハンドスライスも同様で、コントロール性もパワーもスピン量も十分でした。バウンド後に思いのほか滑ったり、逆に止まって相手が手を出せないという、僕が得意なスライスが久々に打てました。

しかしフォア・ストロークは、ちょっと叩くとすぐ暴発してしまいます。僕の場合フォアは基本フラット系なので、このラケットだとパワーアシストが過剰な上に、ボールが予想より上がりやすいように感じました。そこで、強め・厚めの当たりは控えて優しく丁寧なスウィングを心がけると、いい感じにコントロールできるようになりました。特にスピンは掛けやすく、それによってコートに収める仕様だと思います。

サーブもスピン系(スライスも含む)なら、柔らかなホールド感を伴ってかなりスピンがかかりました。しかしフラット系だとやはり抑えが効かなくなるというか、ラケットの剛性感が低すぎてコントロールし辛かったです。フラット方向に速いスウィングをすると順しなりの弾性域を超えてしまい、インパクトのエネルギーを反発力に変換しきれないのかも知れません。

という訳で新型CX200は、バコッた時の気持ち良さやパワーを諦め、制御技術や年齢(持久力)なりのクレバーなテニスに徹するならかなり実践的なラケットだと思います。言わば「打つ喜びより勝つ喜び」という感じw

なのでこのラケットが合う人は多分、男性ならスウィングスピードが中くらいかやや遅めだけどパワーUPは望んでおらず、スピンやプレースメント重視の方。女性の場合はフラットに打つ人が多いですが、全体的にスウィングスピードは遅めなので、バコラーでなければ多分大丈夫でしょう。弾き感よりホールド感を好む人や、ラケットの助けでもっとスピンを掛けたい人なら合うと思います。また男女とも、ボレーがし易いので(但し弾くタイプではない)、特にダブルス中心のプレーヤーに向いていると思います。

考察

YouTubeでお馴染みのウィルソンの道場氏は、「順しなりはパワーがロスするだけでなく、コントロール性も悪い」と言いますが(その意味で新作CX200を褒めていた)、僕はそうは思わないんですよね。長年使っている元祖薄ラケ:プロスタッフ・ツアー90や、近年のプリンス・ファントムO3なんかは相当RA値が低いと思いますが、パワーが無いかと言うとそんな事はありません。

コントロール性という点からも、順しなりが欠点だとは感じません。確かに、反発系ラケットのように追い込まれた時に合わせただけで返すようなショットは苦手ですが、早めに準備してしっかり丁寧に打てばコントロール性は高いです。またそのような正しいスウィングに自然になっていくという効果もあります。

ラケットの捻じれについては確かにパワーも方向性もロスしますが、捻じれる事によって腕への衝撃を緩和してるように感じます。もしねじれを最少化するなら「捻じり剛性は高いが、順しなり剛性は低い」という初代Clash100のコンセプトで良いと思います。

そして今回のCX200は、順しなりの小ささ(硬さ)を面剛性の低さで相殺し、縦しなりの大きさ(柔らかさ)でスピンを掛ける設計思想のようです。その結果、スピン性能と柔らかなホールド感を得る事に成功しましたが、個人的にはフラットに打った時のしっかり感を伴った弾力性がもう少し欲しいと思いました。もっともそれは、旧作のCX200 TourとかBlade98 V7のような重めのラケットの特性であり、僕が望むトップライトさとの両立を求めるのは無理かも知れません。少なくとも僕が2018年から試打したラケットの中には、それらを両立する製品は一つも有りませんでした。

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