Tennis -- MCタイチ

Percept 100D 20232024-12-07

先日試打したパーセプト100が思いのほか良かったので、より目の詰まったパーセプト100Dを試打しました。

概要/スペック

Percept 100(ノーマル)と100Dのフェイスサイズと形状は全く同じ、というかモールド(フレーム形状)が完全に同じらしいです。違うのはストリングホールの数と大きさ(100Dの方が小さい)、そして重量配分という事になります。

ストリングパタンは100が通常の16*19で、100Dは18*19という特殊パタン。通常、目が細かいモデルは18*20とかで、Sラケだと18*16など縦横の数が逆転するんですが、縦弦だけが2本多い18*19は他に見たことがありません。

今回は両者同時には借りれませんでしたが、100Dの現物を見る限り、升目の形状は(縦弦が多い割には)全く縦長ではありませんでした。フェイスの下の方を除いて、やや細かめの升目が碁盤の目のように均一に広がってる感じです。

現物比較の代わりに写真を重ねて一方を半透明にしてみましが、弦の配置がどこでどう違っているのか良くわかりませんでした💦 敢えて言えば縦弦の左右の余白が、100Dの方が僅かに狭いようですが、あとは均一かつ本当に僅かづつ間隔を狭めているようです。

一方本数が同じ横弦の配置は割と明白に違っており、100Dの方がフェイス下部の余白が大きく、全体にトップ寄りに高密度で配置されており、これにより升目の形状が縦長になっていないようです。

製品名重量バランスPフレーム厚重量(実測)バランス(実測)
Percept 100D 2023☆305g315mm23mm326※324mm※
Percept 100 2023300g320mm23mm319g※326mm※
Boom MP 2024295g315mm24mm316g※324mm※
Pure Aero 2023300g320mm23-26-23mm325g※
320g※
314g
327mm(ポリ仕様)※
326mm(Xcel仕様) ※
329mm
Vcore 98 2023305g315mm322g326mm
Vcore 100 2024300g320mm25.3-25.3-22mm323g※331mm ※
CX200 2024305g315mm21.5mm316g325mm
Ezone98 2022305g315mm23.5-24.5-19.5mm329g※321mm ※
Vcore pro 100 2021300g320mm23mm不明不明
☆使用ガットはポリツアーREV、テンションは50ポンド。
実測重量とバランスはガットとグリップテープ(※印が巻いてあるもの)込み

Percept 100Dのカタログスペックは黄金スペックより5g重く、5mmトップライトという若干競技系のスペックです。実測では100より7g重く、スペックの+5gに加えて縦弦2本分ですから、まあ妥当な値でしょう。バランスは2mmだけトップライトですが、これも縦弦の増加分で説明がつきます。それにどんなラケットもガットを張るとカタログのバランス値(ガットなし)の差は縮まる筈ですし。

試打インプレ

まず手に取って持つだけで、Percept 100Dはズッシリと重く感じます。軽やかなPercept 100はもとより、Pure Aero100と比べても重いと思います。そのおかげか、壁打ちでの第一印象は100より柔らかく、ボールを包み込む感じがあります。ただし重いので体力消費量は大きく、言うなれば鈍重だけど安定感があったVcore Pro 100に近い印象。

飛びに関しても、100Dの方が推進力があり、ドカンと重い球が打てます。こう書くと、所謂「フラット系の低い弾道」と思われそうですが、スピン性能も100と遜色ないように感じました。弦の本数が多く、しかもグロメットホールが小さいとなると、弦が動かない/撓まないでスピンが掛かりづらい筈ですが、その分ボールが潰れて接触面積が増え、こすり上げ易くなっているのかもしれません。

今回は壁打ちだけでも3回やり、2回目は体調がイマイチでラケットの重さが更にしんどく感じましたが、3日目はコツが掴めてきました。と言うのも、最初は重く感じたこのラケットは、厚く打ち抜くのではなくコンパクトに(畳み込むように)ワイパースウィングをすると振りやすい事が判りました。トップライトだからスウィングウェイトは左程重くなく、その場で回すスウィングほど軽く感じるという事でしょうか?

Yonexのラケットは全長が短く感じるものが多いのですが、Percept100/Dも同様です。お陰で錦織選手のようにコンパクトに高速で回すスウィングで放つ、マッシブなショットのイメージが湧いてきます😊 一方バックハンドは当然ワウリンカ選手の「ロマン砲」のイメージ。少なくとも壁打ちでは実際にマッシブなショットが安定して打てるようになりました😃 半面当たりは薄くなるので、軽めに打つと若干硬さと言うか振動を感じるようになりますが、重さのせいか100よりは暴れ感は小さいです。

と言うわけで、愈々オンコートの感想ですが、その日は何時ものメンバーが殆ど休みで、僕と新しく入った人(84歳!)と2人だけでした。その方は久しぶりに運動(テニスの他に登山やマラソンも!)を再開したとの事なので、無理させてはいけないとこちらもソフトに丁寧に打ちました。相手の方も年齢と久々のテニスを全く感じさせない動きで、僕としては珍しく安定したラリーが続きました。

途中から何時ものメンバーが一人だけやってきて、その人も含めて2対1のゲームをやりましたが、やはりパーセプト100Dの安定感は素晴らしいです。ちゃんと当てれば、しっかりしたホールド感ががコントロールを容易にし、暴発もしません。しかも最初は重く感じだラケットが何だか軽く感じます。

ただ、当たりが弱くてもボールが飛ばないわけではありませんが、硬さが目立ってしまうんですよね。実は前々日の壁打ちで輪ゴムダンパーを付けたのですが、当たりが明らかにマイルドになる一方、それを良い事に調子に乗って振るとガツン!と腕に衝撃を受ける事が判りました。更に、ゲームとなるとガシャる事もあるし、かといって腕の心配ばかりしてる訳にもいかず、結果的にその日は久しぶりに肘が痛くなっていました。

それと、壁打ちの時から感じていたのですが、サーブはやはり重さを感じてややしんどいです。収まりは良いので入りはするのですが、スピンやボールの伸びが弱いせいか、真珠湾攻撃の前に生まれた人ににちゃんとリターンされてしまいます。一方ノーマルの100だともっと楽に振れ、ベトナム戦争終結時頃に生まれた人に「ボールが伸びている」と言われました。

100Dでリターンする時は、しっかりとしたボールが安定して打てるのですが、少しづつアウトしてしまいます。まあこれは、相手のサーブが浅いし跳ねないので、大分前の方(サービスラインのすぐ後ろくらい)で構えて打っているからというのもありますが。

というわけでパーセプト100Dは、相手のボールにもある程度威力と高さがあり、少なくともベースラインくらいには下がって(普通はそうだと思いますが)、しっかり打つようなテニスなら良いと思います。サーブもある程度身長がある人が、あまり擦らずにドスンと打ち下ろす感じが合うと思います(その方が多分スピンもかかる)。逆に、お互いにかなり前の方で構えて浅くて緩いボールをちょこまか打ち合うような、高齢者ダブルスには合いませんね。

それと繰り返しになりますが、腕への衝撃は個人的に気になりました。ノーマルのパーセプト100も少し衝撃を感じましたが、100Dのようにその日の夜中まで肘が痛くなる事はありませんでした。両者共、柔らかいラケットではありませんが、100Dはガットの目が細かくグロメットホールも小さい分、より衝撃が大きいのでしょう。

壁打ちでは100Dの方が柔らかく感じたのは、多分ガシャリが少ない事と、オーバー気にせず厚くヒットするからでしょう。もっとも100Dでゲームをした日は寒く、また人数が少ない故に打つ回数が増えた事で、肘への負担も多少増えたと考えられます。ただそれを差し引いても、弱め薄めに当てて入れていくような打ち方の場合、100の方が使いやすく打感も多少柔らかいと思います。

↓↓ ♥ ♥ ♥ Share this post ♥ ♥ ♥ ↓↓