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Ezone 100 20252025-02-27

先週借りた新型Ezone 98は、振り抜きは素晴らしいものの、飛びもスピンも控え目過ぎて、僕には手強いラケットでした。そうなると当然Ezone 100が候補になるので、98を返したその日に借りて試打しました。

概要

Ezone 98の記事と同じですが、Ezoneシリーズ全体の変更点又は新技術を纏めておきます。

  1. リム先端の直線部分が長く(両角のRが小さく)なった。つまりフェイス形状が逆三角形に近い形状になった事で、スウィートエリアが先端に伸びた。
  2. リムの両角部分のたわみ大きくした一方、側面厚を少し増やして順しなりを小さく(剛性を高く)した。
  3. ミノムシの糸を使用した新素材「ミノロン」をスロート部に搭載して、振動減衰性を向上した。
  4. 加えてグリップにVDMを内蔵して振動を大幅カット。

同時に借りていないので、98と重ねた写真はありませんが、店頭で比較したところ面の長さは100の方が15mmくらい長かったです。その一方、ストリングの配置は100の方が僅かながら全体に分散しているように見え、結果的に中央部分の升目の大きさは結構差があります。

あと、賛否両論ある色柄ですが、98と同様に晴天の日光の元ではより明るくややパステル調の華やかな色調に見えました。ただ100の方が全般的にフレームが太く表面積が大きい分、ポリバケツ感というかモッサリ感が少し増してしまいます。

製品名重量バランスPフレーム厚重量(実測)バランス(実測)
Ezone 100 2025300g320mm315g
319g※
331mm
328mm※
Ezone 98 2025305g315mm23.5-24.5-19.5mm320g
325g※
327mm
325mm※
Ultra 100 V4300g320mm24/26.5/24mm321g※328mm※
Percept 100 2023300g320mm23mm319g※326mm※
Pure Aero 2023300g320mm23-26-23mm325g※
320g※
327mm(ポリ仕様)※
328mm(Xcel仕様)※
Vcore 100 2023300g320mm25.3-25.3-22mm323g※331mm※
Ezone 100 2022300g320mm23.8-26.5-22.5mm315g328mm
☆使用ガットはXcel 125、テンションは48ポンド
実測重量とバランスはガットとグリップテープ(※印が巻いてある場合)込み

試打インプレ

先ず打感ですが、前作Ezone 100と比べると衝撃が大分マイルドになっていました。前々作は柔らかかったですが、しなりと言う意味でもやや柔らかすぎて、強打すると腰砕け感がありました。それが新作では、雑振動は減ったもののしっかり感があります。そういう意味では順当に新作Ezone 98と似ていますが、100の方が面積が大きい分面内剛性が減り(撓みが大きく)全体としても少し柔らかく感じます。また現行のVcore100やPercept100と比較しても、振動吸収としなりの両面で柔らかいと思います。

とは言え新作Ezone 100は、壁打ちでオーバーミスを気にせず打ち込むと意外とがっつり肘に来ます。意外にも一見硬質ながら振動止めを付けると俄然マイルドになるPure Aero 2023より、芯の硬さのようなものを感じました。元々新作Ezoneには雑振動を抑える素材が色々入っているので、これにもし振動止めを付けてもあまり変わらないと思います。

パワーアシストと言う点では、勿論Ezone 100は98より明らかに上です。だから当然100の方が暴発しやすいですが、Youtuber達の評判程飛びすぎ感はありませんでした。他モデルと比較すると、Pure AeroやULTRA V4くらいのパワー感でしょうか。つまりマイルド系(極端に反発しない)黄金スペックのパワー感と言ったところです。

スピンも98よりは全然かかりますが、Pure Aeroより若干かけ難い気がします。特に低め弱めのボールの持ち上がりがやや悪く、よくネットしました。前作のEzone 100がやたらと高軌道で飛びまくった事を考えると、良くも悪くも大人しい性格になったと思いました。

再びEzone98と比較すると、結果的にストロークではパワーとスピンの100が若干有利、サーブは振り抜きの98とパワーアシストの100で粗イーブン、ボレーは取り回しの98とスウィートエリアの100でこれもイーブン、決め球は抑えの利く98有利、球際はアシストの100と言う感じです。ただ100の方はコートで打てる時間が短かったので、もうちょっと使えばもうちょっとアジャストできたかも知れません。そういう意味ではトータルで100の方が有利(気持ちよさではなくポイント獲得率と言う意味で)でしょう。

ただ個人的な話をすれば、僕が新作Ezone 100で一番気になったのは、質量配分です。店頭で持った時は、98より一回り軽く感じましたが、実際に使ってみると逆に100の方が鈍重に感じました。勿論重量的には98より実測値で5gほど軽い(スペック通り)ですし実測バランスもPure Aeroとほぼ同じですが、何故かトップヘビーに感じました。

これは重量とバランスポイントが全く同じでも、質量が先端と手元に分散しているとスウィングウェイトが大きくなるからだと思います。近年のYonexは逆三角形フェイス化が進み、先端の辺がより長く(重く)なっているせいかもしれません。更に空力的にも、フレーム(特に先端)が分厚い分抗力も大きいと思われます。よって総合的な振り抜きと言う点ではEzone 98は勿論、同じ黄金スペックのPure Aero、下手すると前作及び前々作のEzone 100と比較しても悪いと感じました。

基本的にはしなやかで安定感が高く、パワーも適度にあるがどこか鈍重。これってなんとなく最後のVcore pro 100と似てますね。まあ記憶との比較ですから確かではありませんが。

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