SHIFT 99 V1.02024-12-31
柔らかめでホールド感があり、フラット系の打ち方に合うという話題の新ラインアップ、Shift 99をようやく試打しました。
概要/スペック
近年流行りのホワイト系は嫌いではないですが、粗真っ白はちょっと芸がない気がします。「SHIFT」ロゴのの”I”だけオレンジなので、これを刺し色にしてフレームの一部にオレンジのストライプとか市松模様などを入れたらもっとオシャレになったと思います。
ストリングパタンは通常より横が一本多い16*20ですが、フェイスの先端から手元まで横弦が満遍なく並んでいます。ULTRA(の記事でも書きましたが)と比べると、フェイス長が13mm以上短く、横弦の余白が殆どありません。
製品名 | 重量 | バランス | フレーム厚 | 重量(実測) | バランス(実測) |
---|---|---|---|---|---|
Shift 99 V1.0☆ | 300g | 315mm | 23mm | 318g 322g※ | 329mm 325mm※ |
ULTRA 100 V4 | 300g | 320mm | 24/26.5/24mm | 321g※ | 328mm※ |
Percept 100 2023 | 300g | 320mm | 23mm | 319g※ | 326mm※ |
Boom MP 2024 | 295g | 315mm | 24mm | 316g※ | 324mm※ |
Pure Aero 2023 | 300g | 320mm | 23-26-23mm | 325g※ 320g※ 314g | 327mm(ポリ仕様)※ 326mm(Xcel仕様) ※ 329mm |
Vcore 100 2024 | 300g | 320mm | 25.3-25.3-22mm | 323g※ | 331mm ※ |
Vcore pro 100 2021 | 300g | 320mm | 23mm | 不明 | 不明 |
バランスポイントはカタログ上は315mmと、300gにしてはトップライトですが、実際に持ったり振ったりするとそれ程トップライトに感じません。実測値は、僕の使い古しのグリップテープを付けたところ、322g/325mmとカタログ値の割に重めで、バランスはややトップライトでした。
試打インプレ
まず打感ですが、振動吸収がイマイチというかポリガットのビーンという硬さが割とハッキリ分かります。玉突きをしてもあまりスウィートな部分が有りませんでした。フレーム剛性と言う意味では、グリップを固定してヘッドを押さえつけると、URTLA100より明らかにしなります(特に縦しなりが顕著)。しかし実際にボールを打つと意外にもナイロンマルチを張ったURTLA100の方が明らかに振動が少ないマイルドな打感でした。
インパクトのエネルギーがガットの振動とフレームの撓りに食われてしまっているのか、パワーアシストもあまり感じません。さりとて昔のプロスタッフのように振り抜きが良いわけでも、ポケットフィーリングがあるわけでもありません。スウィングウェイトは確かに軽めですが(但しトップライトというより質量が軽い感じ)、その割に鈍重な打ち心地。
反発力がある訳でも引っ掛かり感がある訳でも、空力的に優れているわけでもないので、当然パワフルでもスピンフレンドリーでもありません。じゃあソフトタッチでプレースメント重視のテニスが出来るかというと、上述の硬い打感のせいでそうしたイメージが湧きません。ガットをナイロンにするか、せめて柔らかいポリをもっとローテンションで張ったら多少は違う印象になるかもしれませんが。
敢えて長所を言えば、Shift自慢のマッシブなボールを低めに打ち出してコートに収めるようなショットは確かに打てました。しかしそれ以外はストロークもボレーもサーブも良いところが見つかりませんでした。