Percept 100 20232024-11-24
パーセプト97は発売後程なく試打しましたが、壁打ちの段階であまりにも硬くて飛ばないので、早々に試打をやめてしまいレビューは書いていません。なのでパーセプト100にも興味が無かったのですが、ネットのレビューが意外と高評価なので、1年以上遅れて試打しました。
概要/スペック
Yonexとしては珍しく、今風の爽やかなパステルカラー。ただしピンクの刺し色は微妙です💦
試打ラケにはグリップテープが巻かれておらず、ちょっと滑りやすかったので、自分のラケットに巻いてあったテープ(バボラの薄いやつ)を巻きました。グリップサイズは2で太くはないですが、僕にはちょっと扁平率が高すぎて、Boom MPやCX200のような丸いグリップの方が好きです。
ストリングパタンは普通の16*19ですが、フェイス全体に弦が分散しており(つまり全般的に升目が広め)、特に横糸は先端ギリギリまであります(つまり先端で捉える前提の今風)。それと、フレーム厚は23mmで近年のラケットの中では薄めに見えますが、Boom MPと1mmしか違わないのは驚きです。Boomの方が断然分厚く見えたんですが…
製品名 | 重量 | バランスP | フレーム厚 | 重量(実測) | バランス(実測) |
---|---|---|---|---|---|
Percept 100 2023☆ | 300g | 320mm | 23mm | 319g※ | 326mm※ |
Boom MP 2024 | 295g | 315mm | 24mm | 316g※ | 324mm※ |
Pure Aero 2023 | 300g | 320mm | 23-26-23mm | 325g※ 320g※ 314g | 327mm(ポリ仕様)※ 326mm(Xcel仕様) ※ 329mm |
Vcore 98 2023 | 305g | 315mm | 322g | 326mm | |
Vcore 100 2024 | 300g | 320mm | 25.3-25.3-22mm | 323g※ | 331mm ※ |
CX200 2024 | 305g | 315mm | 21.5mm | 316g | 325mm |
Ezone98 2022 | 305g | 315mm | 23.5-24.5-19.5mm | 329g※ | 321mm ※ |
Vcore pro 100 2021 | 300g | 320mm | 23mm | 不明 | 不明 |
実測重量とバランスはガットとグリップテープ(※印が巻いてあるもの)込み
パーセプト100は意外とトップライトでスウィングウェイトが軽く感じ、Boom MPより僅かに重いくらいでしたが、実測重量とバランスもそれを裏付ける結果となりました。ただもっと実測値が近いのは意外にもPureAero100(Xcel仕様)でした。僕はアエロの方がもっとズッシリした印象でした(といっても黄金スペックの中では軽い)。
一方、同じYonexの黄金スペックであるVcore100は、体感的にも実測値も遥かにトップヘビーなんですよね。相変わらずカタログスペックは出鱈目ですねえ。もう黄金スペックなら売れるという時代でもないと思うので、Percept 100は現実に即した「300g 315mm」くらいのカタログスペックにしたら、最近流行り始めてる所謂「細マッチョ」になるのに。
試打インプレ
スペックのところでも触れましたが、Percept100は他の黄金スペックのラケット達に比べて実際のスウィングウェイトが明らかに軽いです。その前週に借りたBoom MPと同じくらいに感じました。因みに、これらに比べ僕のGrinta100 Lite(285g 330mm)はズッシリ重く感じます。
個人的にはやはりトップライトなラケットが合っていると再認識しました。理由はリストでコントロールするイメージが湧きやすいからです。トップヘビーだと、だた大きな慣性力に任せて雑に振ってしまうしかありません。もっとも一般的にトップヘビーなラケットの方がミスヒット時のブレや衝撃感は少ないですが。
打感はパーセプト97と比べると明らかに柔らかく、そしてよく飛びます。Boom MPも前作と比べ格段に衝撃が緩和されていましたが、しなり感はほぼゼロでした。だからフェイスのたわみだけで柔らかさやホールド感を出してる感じ。所謂面内剛性が低く、面外剛性が高い今時のコントロール系ラケットでした(CX200もこのパタン)。
それに対してPercept 100は、多少フレーム(スロート?)のしなりも感じられます。一方面内剛性は極端に低くはなく、ある程度分厚く当ててもガット面がぐちゃっと撓むのではなく、ボールの方が適度に潰れてホールド感とコントロール性を出しているように感じます。
勿論、前作のVcore Pro 100と比べたらしなり感やホールド感は少ないです。また、腕に来る衝撃という意味での「硬さ」は若干を感じました。BoomMPの方がシャキシャキした高周波振動はあるのですが、割合淡白というかあっさり振動が減衰する感覚はあります。またCX200もヒットした瞬間の硬さは感じますが、ガットやリムのたわみが大きく柔らかい打感になります。
Percept 100は当たりは一瞬ソフトですが、奥でガツンと重い衝撃を少し感じます(ある意味ヨネックスらしい高剛性感)。と言っても、数時間のゲームで肘が痛くなるレベルはありませんでした。ただ、試打ラケに張ってあるポリツアーREVは、世評も僕の経験からも柔らかめのポリなのに、何故か自社のラケットに張ると硬く感じるんですよね。Vcore 98 2023+ポリツアーREVも相当硬かったです。それに比べたらPercept100は大分マシですが。
パワーアシストはPercept100の方がBoom MPより若干強めで、かつ軌道は高め。スピンについても、ホールド感があるPercept100の方がやや掛けやすく感じました(これはポリツアーRevのお陰もあるかも)。もっとも、ハイパワー&高弾道ですから、不用意に叩くと簡単に吹かしてしまいます。勝手にスピンがかかるラケットではないので、特にチャンスボールは面の向きを意識してスピンをかける必要があります。
ちなみに、前作のVcore pro 100のレビューでは、重量やバランス的には重くないのに何故か鈍重に感じ、それは多分空気抵抗が大きいからだろうと書きました。しかし、今作(Percept100)のモールド(フレーム形状)は前作と変わってないようなので、空気抵抗も同じはず。ということは問題はそこではなく、打感が前作はかなりしっとり柔らかだったから、実は反発力は余りなくて鈍重に感じたのでしょうか?あるいは、僕が硬くて飛ぶ最近のラケットに徐々に適応し、ゆったり丁寧に振るようになったから空気抵抗の大きさを感じにくくなったのか?
脱線しましたが、サーブについてはパーセプト100はかなり打ちやすかったです。Boom MPもサーブは打ちやすく、入る確率が高いと書きましたが、パーセプト100はそれにスピンとスピードが少し増量されてる感じ。受けた人も「ボールが伸びてる」と言ってました。やはり自分の力だけで打つサーブは、振り抜きは良くパワーアシストは強めの方が良いみたい。
ボレーを打つ機会は余りありませんでしたが、普段はよくミスるネット際のチャンスボールを決めることが出来たので打ちやすい方だと思います。
というわけで、意外と良かったBoom MP 2024を少し上回り、目下のところPercept100が最有力候補となっています。纏めると、僕にとっての長所はトップライトでSWが軽い。その割にしなり感やホールド感はある方。そして見た目が爽やかな事です。短所は(少なくともポリツアーREVを張ると)やや衝撃感があること。そしてグリップの断面形状が扁平な事です。