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Wilson Blade 98S V72021-07-16

もう1年近く経つ2021年の6月末、最近ネット通販で激安になっていたので買ってしまいました!何時もお世話になっている店では98Sの試打ラケットだけは無かったのですが、室内で軽く試打できる別の店を発見し、そこで好感触だったのでポチってしまったのです。

外観/スペック

Blade98シリーズは何度も借りているので見慣れた感はありますが、98Sの特徴は御存じ「スピン・エフェクト」というストリングパタンです。縦18本、横16本と縦糸が多いので、当然マス目が縦長になりますが、ストリングが極端に中央に集まっている僕のBurnFST99Sと比べたら全然普通に見えます。

Blade 98s V7

スペック重量は旧作の98SCVと1g違いなので実質同じとして、最軽量のBlade100Lより10g重く、Blade100より5g軽いという位置づけですね。バランスは、100Lや旧作の98Sより5mmトップライト、100や全ての98V7より5mmトップヘビーになっています。

さて実測ですが、よく考えたら試打ラケットはオーバーグリップを巻いているものと巻いていないものがありました。自分の98S V7は有り無し何方も計測できるので、オーバーグリップ無しを上段、有りを下段に*(アスタリスク)付きで下の表に記載しています。オーバーグリップの重さは6gほどすが、バランスは10mmほど変わってしまうんですね。

その他の試打ラケットについても、数値に*が付いていないものはオーバーグリップ無しで、*が付いていればオーバーグリップ有と言う意味です。つまりBlade98(18*20)と旧作の98Sのみオーバーグリップ有りでしたが、他のモデルと公平に比較する為、もしオーバーグリップが付いてなかった場合の数値を予想して上段の括弧内に記載しました。ここで重量については6g引けば良いだけですが、バランスについてはどの位影響があるか不明な為、スペック的に近い旧作98Sは10mm、元々重い98(18*20)は7mmトップヘビーになると仮定しました。

製品名 重量 バランス フレーム厚 重量
(実測)
バランス
(実測)
相対重量
/バランス
Blade 98S V7 295g 325mm 21mm 313g
319g*
336mm
326mm*
0g/0mm
Blade100L V7 285g 330mm 22mm 300g 347mm -13g/11mm
Blade 98(18*20)V7 305g 320mm 21mm (324g)
330g*
(334mm)
327mm*
11g/-2mm
Blade 100 V7 300g 320mm 22mm 316g 333mm 3g/-3mm
Blade 98 V7 (16*19) 305g 320mm 21mm 331g 330mm 18g/-6mm
Blade 98 CV (16*19) 304g 325mm 21mm 330g 337mm 17g/1mm
Blade 98s CV 294g 330mm 21mm (307g)
313g*
(344mm)
334mm*
-6g/12mm
Burn FST99S
輪ゴムカスタム
299g 305mm 19/22/19mm 318g 316mm

下段 * オーバーグリップを巻いた状態

以上を踏まえ、私の98S V7を基準として、何g重いか/何mmトップヘビーかを記載したのが一番右の列です。先ず最軽量の100Lは13g軽くて11mmトップライト、という事は差し引きあまり変わらない筈ですが、体感的には100Lの方が明らかに軽かったです。旧作の98Sも6g軽く、12mmトップヘビーですからやや重く感じる筈ですが、体感的には若干軽かったです。

Blade100は3g重く、3mmトップライトですから、粗同じ重量感の筈ですが、実際には少し重く感じました。98(16*19)は18g重く、6mmトップライトですが、順当に一回り重く感じました。不思議なのは98(18*20)で、98(16*19)より軽くてトップヘビーなんですよね。体感上も微妙にトップライトに感じました。尚V6の98 CVはスペック上も体感上も一番重かったです。

という訳で、測定値と体感が合致したりしなかったりという、不可解な結果になってしまいました。ただ今回の結果を含めて最近判って来たのは、オーバーグリップを巻くとバランスは結構と変化しますが、体感上の重さは左程変わらないという事です。グリップは支点に近いので、重くても軽くても、スウィングウェイトに殆ど影響しないという事でしょう。

レビュー

通販でラケット単体で購入したので、先ずガットを張る必要があります。丁度スクールでガット張り代無料キャンペーンをしていたのでそれを利用しました。選択できるガットは限られていますが、FSTに張って非常に好印象だったテク二ファイバーのXR3にしました。但しゲージは130しか選べませんでした。テンションですが、このスクールでは縦横同一テンションでしか張れないそうなので、縦横50ポンドで指定しました。

さて、XR3 130を張ったBlade98Sの第一印象は…飛ばない

XR3は世評も僕の経験上も良く飛ぶガットの筈なんですが、何故か弾力性が無いというか反応が鈍いというか。以前FSTに張った125より太い130なので反発力が劣るのでしょうか?それともV6の98Sがそうだったように、V7 98Sも飛ばないラケットなのか?ただ、室内で試打したV7 98Sにはゴーセンのミクロスーパーが貼ってあったのですが、結構飛ぶ印象だったんですよね。

まあその辺は良く判りませんが、打感についてはFSTより明らかにソフトですし、Bladeに共通する良い意味での鈍さ(ブレにくさ)を感じます。バランスもトップヘビーなので、FSTのようにブンブン振り回す気にはなれず、自然とゆったりスイングするようになります。そうするとボールにパワーが乗るようになり、最初に感じた飛ばなさがあまり気にならなくなりました。

それにトップヘビーと言っても全体が軽量なのでスウィングウェイトが軽いのか、実際に持ったり打ったりした感じは左程重くありません。Blade100を含む所謂黄金スペックの方が重々しく感じました。流石に100Lだと98Sより更に軽量かつトップヘビーですが、僕には飛びすぎソフト過でした(;’∀’) そういうラケットはストロークはまだしも、ボレーが鈍重過ぎてやり難いのですが、98Sなら適度に柔らかいのでボレーも問題ありません。

売りのスピンエフェクトですが、特に「効果」は感じませんねw スピンのかかり具合から言うと、殆どの中厚・反発系のラケットの方が上だと思います。しかも何故かノーマルのBlade98と比べても、特にスピンが掛けやすいとは思いませんでした。寧ろストリングパタンが一番密なBlade98(18*20)の方がボールの掴み感が良く、スピンが自然に掛かる気がするんですよね。

僕は高速縦振りでチャキチャキスピンを掛けるタイプではないので、スナップバックを狙うより掴み感のあるラケットでフラットドライブを打つ方がしっくりくるのかも知れません。じゃあ何故通常のBlade98(16*19又は18*20)にしなかったというと、単に重いから。重いのでスピンサーブが難しく、ドスンドスンとフラット系のサーブばかりになってしまいます。逆に言えば98Sを選んだのはスピンエフェクトを期待したからではなく、Bladeシリーズの中では比較的スウィングウェイトが軽く、取り回しが良いと感じたからです。

因みに、スクールで若い上級者と打ち合う機会があったんですが、その人のラケットも偶然Blade98Sでした。その人のサーブは猛烈に横回転がかかっている(ように感じる?)しオマケにレフティーなので、それに気づく前はボールに当てる事すら出来ませんでした。ただ何とかリターンしたら、僕のボールはバックスピンが強く今度は相手が返球に苦労してました。つまりスピンを掛けるスウィングをしたらしたなりに掛かるラケットという事でしょう。因みにその人も、98Sにした理由は他のBladeと比べて一番シックリ来たからとの事で、スピンが凄くかかるからでは無いようでした。

纏めると、トップヘビーだしあまり飛ばないラケットなので、緩いボールを引っ叩くタイプではないと思いますが、逆にトップヘビーかつ振動吸収が良い素材なので、相手の強いボールに打ち負けないラケットだと思います。

ガット交換

という訳で何週間か使っていたのですが、表面のマルチフィラメントが急速にささくれてきました(でも切れないw)。実はスナップバックがちゃんと起きてる証拠なのでしょうか? FSTに張った125のXR-3もささくれ易かったのですが、今回のXR-3(130)はその上を行くペースでささくれていきます(;’∀’) 下の写真は延べ20時間ほど使った後の状態です。

流石にこんな状態では掛かるスピンも掛からんやろと思っていたところ、丁度スポーツデポでYonexガット張り代無料キャンペーンをしていたので張り替えることにしました。僕としては珍しく3か月ちょいしか経っていないのに(;^_^A 選んだガットはポリツアー・プロ120。ポリの中では柔らかく昔から定番のガットなので取敢えず試しとこうかと。しかもBladeに合う黄色が選べますし。

テンションは「リムの形状が変らないように」という注文はできないが、縦横別の数値を指定できるとの事。縦糸が多い分緩めという事で、適当に縦45/横47ポンドに指定して張ってもらいました。通常とは逆に縦糸の方が緩いと念押しして…

ところが、張りあがったラケットを見ると明らかに丸顔になっています。実はガット無しの場合のリムの縦横の長さを予め測っていたのですが、それと比べて何と縦が4㎜短く、横が4㎜も長くなってるではないですか!

XR-3を縦横50ポンドで張った前回は、縦が2㎜短く、横が1㎜長くなっていたので、今回それ以上に歪んでいます。という事は、縦横逆のテンションで張ってしまったんだと思います。ガット情報が書かれたシール(後述)には47ポンドとしか書かれていませんが、通常は縦糸のテンションを書くそうです。少しだけ打ってみると打感は柔らかく飛びも良い感じだったのですが、こんなにリムを変形させたら強度的にマズイと思い、スポーツデポに再度持ち込んでこの事を説明しました。

するとこのガットを張ったスタッフ(注文時のスタッフとは別)は休みだったので、今回対応したスタッフが電話で確認してくれましたが、本人は指定通り張ったとの事。とは言え僕が説明した状況から考えて、間違えて張った可能性が有る事を認めてくれ、無料で張り直して貰える事になりました。

上の写真は最初に張った時のラベル(上)と張り直した時のラベル(下)です。今回担当したのは「張人」で縦横の数値もちゃんと書いています。ラケットの見た目も今度は元の形に戻ってるように見えます。下の表はリムの縦横の長さを全パタンで比較したものです。

ガット無し XR-3 (50/50lbs) ポリツアー・プロ
1回目(47/45?lbs)
ポリツアー・プロ
2回目(45/47lbs)
縦長さ 327mm 325mm 323mm 325mm
横長さ 245mm 246mm 249mm 247mm

数値的にも今回は歪が緩和され、ガット無しの場合に近づいています。ただ縦糸を弱く張ったのに、XR-3の50/50の場合とほぼ同じ形状になっていますね。因みにXR-3の時は2本張で、ポリツアー・プロは1本張です。1本張りだと縦横に差をつけて張っても、繋がってるので結局均一化してしまうのでしょうか?

因みに以上の話をツイッターで呟くと、ある人から「多分2ポンド程度の違いでは戻らないと思う、自分のSラケは45/50で張ってます」との事でした。https://twitter.com/metabon41234460/status/1454815393667710976

成程そう言う事かあ、しかし縦糸に対しそんなに横糸を強く張ったら、スナップバックが逆に起きにくいんじゃないかと思うんですが。

ポリツアー・プロ インプレ

経緯が長くなってしまいましたが、ポリツアー・プロ(120)を張ったBlade 98Sのインプレです。先ず打感としては残念ながら、間違って張った時より若干硬くて飛ばない印象があります.(;’∀’)

とは言えXR-3(130)の場合と比べて飛びは同等か僅かに良いくらいですし、打感は若干軽快になりましたが硬さはそんなに変わりません。打つと「シャキッ」と音がして、スピンも若干かかるようになった気がします。そして何より、いくら打ってもガットの表面が全然ささくれません(⌒∇⌒)

XR-3 130だと全般的にやや鈍い感じでしたが、ポリツアー・プロ120にするとシャキッと軽快になったと思います。このラケットには細めのポリが合うようですね。

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