Tennis -- MCタイチ

Pro Staff 97 V14 vs V132023-04-22

長年プロスタッフTour90を気に入っていた僕が、2019年にテニスを再開して初めて試打したのはプロスタッフ97 CV(V12)でした。しかしこのラケットはTour90のような本当の薄ラケとは程遠いものでした。

次のV13は更に硬く飛ばなくなってるみたいなレビューを見て、一度も試打していませんでしたが、今回登場したV14のレビューで「前作は柔らかい打感だったが今作はちょっと剛性を上げて飛ばすようにした」との事。そこで初めてV13に興味が湧き、何時もの店で未だ試打ラケットがあったので打ってみました。

そしてその何週間か後、スポーツデポでテニスラケットの試打が復活した事を知り(しかも以前は2泊3日だったのに今回から1週間以上借りられる)、偶々あったプロスタッフ97 V14(最新作)を借りて試打してみました。よって今回はV14とV13の合同レビューです。

外観・スペック

製品名重量バランスフレーム厚重量
(実測)
バランス
(実測)
プロスタッフ97 V14315g310mm21.5mm330325mm
プロスタッフ97 V13
Phantom 100 2022305g315mm20-22-20mm327g323mm
Phantom 100 03 2022310g310mm20-20-16.5mm327g323mm
ProStaff Tour90315g315mm17mm336g318mm
CX400 Tour300g320mm23.0mm322g322mm

多くの黄金スペックよりトップライトなバランスなので、重量の割に重さを感じません。スペックもV13とV14で全く変わっていません。ただ実際に使うとV14の方が若干トップヘビーに感じました(残念ながらV13は実測し忘れました)。これはV14のストリングパタンがより先端で密になったからなのか?それともスポーツデポの試打ラケに貼ってあるタグが意外と重いからかは判りません。

写真の写りが悪いですが、一番左がV13で残りの2つがV14です。V14は最近のWilsonの流行りで玉虫色ですが、ベースの色が茶色で本当に虫っぽいというか土っぽくて地味ですね。Bladeの緑やULTRAの青の方が僕は好きです。

試打インプレ

先ずV13のレビューです。上述のようにバランスがトップライトなので、多くの黄金スペックより軽く感じます。かなり軽いスウィングウェイトが好みの僕にはやや鈍重ですが、ユッタリ振る事を心がければドスンと重いボールを打つことが出来ます。ただスピン系のボール、特にスピンサーブは矢張り重すぎてちゃんと打てる気がしません。

打感については先ず貼ってあるガットが、Yonexのポリの中で最も硬いと評判のポリツアースピンなので、ちょっと打つだけで僕の繊細な肘にビシバシ響きます。ただそれでもホールド感やしなり感は多少あったので、ラケット自体は確かに柔らかめだと思います。V12の方がボール弾く感じなのでパワーはあると思いますが、僕はV13の方が好みです。

次にV14ですが、硬いけど意外と痛くはなく、案外飛ぶという印象です。特に僕はフェイスの先端寄りにスウィートスポットを外す事が多いのですが、その場合でもあまりブレたり失速したりしません。

試打ラケのガット種類やテンションを店は把握していませんでしたが、ガットに書かれた文字からNXT 16だと判りました。このガットはナイロンモノっぽい見た目に反してナイロンマルチで、ネットのレビューでも普通に柔らかいそうなので、そのお陰で痛い振動をあまり感じないのでしょう。逆に言うと同じガットとテンションで比較したら、V14はV13より明らかに硬く、やや飛ぶラケットだと言えるでしょう。

ただ上述のように何故かV13よりスウィングウェイトが重く感じます。ゲームで使ってみたら疲れやすいし、特にサーブは全然タイミングが合わず空振りに近いショットまで出始めたので、早々にラケットチェンジしてしまいました。

とは言え黄金スペックが好きで、ある程度振り抜ける人なら、重さも問題なくパワーもそれなりあるので気に入るかも知れません。

まとめ

という訳で、V13は僅かながら薄ラケ的なしなりを感じたものの、V14は完全に先端で捉えてビュンビュン飛ばす今様の中厚ラケットといった仕上がりでした。Bladeよりフラットボール重視。ULTRAよりコントロール重視(飛ばない)という住み分けなのでしょうか?今のHEADで言うとGravityよりBOOMのような位置付けかも知れません。

だから色以外は決して悪いラケットではないと思いますが、僕が求めるプロスタッフ像は影も形もありませんでした。V13もV14もTour90より明らかにスウィングウェイトが重く、硬く、振り抜きも悪いです。飛びもパワーウエイトレシオと言う意味では、良くなっているとは思えません。

もっともこれは近年始まった事ではなく、フェデラー全盛期のSix-Oneシリーズ(90インチの真正薄ラケ)から97インチの中厚になった時点で確定した方向性だと思います(残念ながらこの時代のプロスタッフを打った事が無いので想像ですが)。

そしてそのフェデラーも引退し、イメージリーダーを失ったプロスタッフは今後何処に向かうのでしょうか?個人的にはレジェンダリーな薄ラケとして復刻して欲しいです。僕は(「試打ラケTV」じゃないですが💦)「この20年間、テニスラケットは本当に進化したのか?」と言う疑惑を持っています。現行のPhantom100/03がそうであるように、手元から先端まで薄めの断面形状が殆ど変わらないようなシンプルな形状を、良質のカーボン繊維で作るラケットが結局ベストなのではないかと。

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