
2023~2025ラケット比較2025-03-03
僕の数年に渡るラケット選びの旅もひとまず区切りがついたので、その間に試打したラケットのクイック採点をしてみます。勿論これらの数値は機械で測定したものではなく、僕(打者)の主観です。また数値は高ければ高いほど良いとは限りません。項目によって程度の大小を示す場合と、良し悪しを示す場合(良否と記載)があります。数値は見やすいように5点満点ですが、ちょっと粗いので0.5刻みにしました💦
1:最小(又は最悪)、2:小(又は悪い)、3:普通、4:大(又は良い)、5:最大(又は最良)
名称 | パワー アシスト | スピン アシスト | スウィング ウェイト | 振り抜き | コントロール | 剛性 | 衝撃吸収 | 総合評価 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Ezone 98 2025 | 2 | 2.5 | 3 | 4.5 | 3.5 | 4 | 3 | 3.5 |
Ezone 100 2025 | 4 | 3.5 | 4 | 2.5 | 3.5 | 4 | 4 | 3.5 |
Shift 99 V1 | 3 | 2 | 3 | 3 | 2.5 | 3 | 3 | 2 |
ULTRA 100 V4 | 4.5 | 3.5 | 4 | 3 | 3.5 | 4.5 | 3.5 | 4 |
Percept 100 | 3.5 | 3.5 | 2.5 | 3.5 | 4 | 4 | 2.5 | 3.5 |
Percept 100D | 2.5 | 3 | 4 | 3 | 5 | 4.5 | 2.5 | 3.5 |
Pure Strike 100 | 3 | 3 | 3.5 | 3.5 | 3 | 3.5 | 3 | 3 |
Pure Strike 100 18*20 | 2 | 2.5 | 4.5 | 3 | 3 | 4 | 2.5 | 2 |
Boom MP 2024 | 3.5 | 4 | 2.5 | 2.5 | 3.5 | 4 | 3.5 | 4 |
Pure Aero 2023 | 4 | 4 | 3.5 | 3.5 | 4 | 4 | 4 | 4.5 |
Pure Aero Team 2023 | 5 | 5 | 1.5 | 4 | 2 | 4.5 | 2 | 3 |
Pure Aero 98 2023 | 4 | 3.5 | 4 | 4 | 3.5 | 3.5 | 4 | 3.5 |
Vcore 98 2023 | 3 | 4.5 | 3 | 4.5 | 3 | 4.5 | 2 | 3 |
Vcore 100 2023 | 3.5 | 4 | 4.5 | 2.5 | 2 | 4 | 3 | 2 |
Speed MPL | 3 | 3.5 | 2 | 3 | 2.5 | 4.5 | 1 | 1.5 |
CX200 2024 | 3.5 | 3.5 | 2.5 | 4.5 | 3.5 | 3 | 5 | 4.5 |
CX200 tour 2024 | 2.5 | 3 | 4 | 4 | 3 | 4 | 3.5 | 3 |
各項目の説明は以下の通りです。
- パワーアシスト:平たく言ってボールが飛ぶか否か。理論的にはボールとラケットの相対速度が同じなら、どれだけ初速が出るか(つまりエネルギーロスが少ないか)。勿論これは打者の主観なので、振り抜きや衝撃吸収が良い程高い値になることが多い。
- スピンアシスト:僕にとってスピンを掛けやすいか否か。これもスピン量をマシンで計測した訳ではなく、振り抜きやすさ、打球時の引っ掛かり感、結果としてのボールの軌道、そして壁打ちで壁にぶつかったボールの跳ね方などから類推。
- スウィングウェイト:これも測定器で測ったわけではなく、僕が振って感じる重さ(数値が小さい程振り易い)。尚、個人的にはトップライトなラケットが好み。よく言われるように「トップヘビーだとヘッドが走る」とは感じず、寧ろ加速しづらく振りにくい。
- 振り抜き(良否):スウィングウェイトと完全に区別して評価する事は出来ないが、一応ラケットの厚みや形状など空力的な振り易さ。ちょっとややこしいが数値が大きい程振り抜きが良い。
- コントロール(良否):狙った場所に狙った軌道で安定してボールを飛ばせるか。ボールが暴れたり吹かしたり、逆にネットし易いと点数が低くなる。この指標は数値が大きければ大きいほど良い。
- 剛性(面内+面外):所謂硬さだが、振動の大小ではなく剛性(しなり難さ、変形しにくさ)。そして、面内剛性とはボールが当たった時のリムやガット面の撓み難さ。面外剛性とは主にスロート部の順しなり、縦しなり、そして捻じれの少なさ。これらのトータルで、体感的に変形しづらい(所謂「硬い」)ほど数値が高い。
- 衝撃吸収(良否):剛性とは別の意味での柔らかさやマイルドさ。インパクト時の腕への衝撃が少ない程高得点(これも混乱しやすいか?)。もし全く衝撃が無いとインフォメーションが無いので打ちづらいが、近年のラケットは高剛性で衝撃が大きい傾向にあるため、この数値は基本的に高ければ高い程良い(腕を痛めづらい)。
- 総合評価(良否):勿論私の主観💦 で、各項目の合計得点とも限らない。全体としてそのラケットが欲しい度合。
同族比較
次に同じラインアップのモデル(スペック)違いを比較評価しました。
Ezone98 vs Ezone100
パワー、スピン、ミス許容度の何れも100が明らかに上。しかし、100は僕にはスウィングウェイトが大きく、また形状的に空気抵抗も大きいので、振り抜きや取り回しが悪い。逆に98は、振り抜きや取り回しが他のラケットと比べてもかなり良く、使っていて気持ち良い。あと両者とも前作より打感は柔らかくなっているものの、良くも悪くもすごく柔らかい訳ではない。寧ろYonexらしく高剛性でしっかりした感じ。
Percept 100 vs Percept 100D
100はスウィングウェイトがかなり軽く振り抜きやすいが、打感が硬い。スピンやパワーは100Dより上。100Dは重量的には明らかに重いが、トップライトなのでSWとしてはそれ程重く感じない。そして打ち負けず暴発し辛く、安定感がとても高い。打感も100Dの方が一見マイルドだが、数時間ゲームで使うと何故か肘が痛くなる。
Pure Strike 100 vs Pure Strike 100 (18*20)
両者共バボラのラケットの中では剛性面でやや柔らかいが、他社のコントロール系やマイルド系と比べると別段柔らかくも衝撃が小さくもない。ただノーマルの100は面内剛性が低い(柔らかい)ようでホールド感があり、フラット系のショットは打ちやすい。一方18*20は、面内剛性は勿論、面外剛性も高く(硬く)感じる。RA値は低いのに謎。そして飛ばない。
Pure Aero vs 98 vs Team
Pure Aeroシリーズ上位3製品の比較。Teamはストリング配置のお陰でスピン性能が最高。しかし軽すぎ飛びすぎ打感が硬い。反対に98は最も重いが、トップライトだしフレームが薄いので振り抜き良好。しかも重さを生かしたパワフルなショットが打てる。ただし、反面スピンはかけ辛いので少しづつオーバーしてしまう。ノーマルのアエロはその中間で、パワー、スピン、打感、取り回し、コントロール性全てのバランス良い。
Vcore 98 vs Vcore 100
先ずスウィングウェイトが98の方が断然軽く、フレームも薄いので振り抜き最高。ただし打感は硬く、パワーアシストもあまりない。100はSWが余りに重く、フレームが分厚いので振り抜きが最悪。また重くて面が大きい割には打感が硬い。ホールド感もあまりなく、自慢のスピン性能も体感できず。僕にとっては良い所なし。
CX200 vs CX200 Tour
CX200はSWがかなり軽い割に打感が柔らかくパワーアシストも十分。一方Tourは重くなるのに、打感が硬くなるのは不可思議。おまけにパワーアシストもダウン。今作のTourを選ぶ意味が見当たらない。
ライバル対決というか異種対決
Pure Aero vs CX200
僕が最後まで迷ったのがこの2つ。世間のイメージとしては真逆のキャラだと思うけど、実際に使うと割と近いと思いました。一言で言うと、Pure Aero 2023(2022とも)はマイルドでコントロールしやすいパワー・スピン系ラケット。一方、CX200はパワー・スピン性能が良好なコントロール系ラケット。
そんな中、Pure Aeroを選ぶ決め手になったのはスピン性能です。当初、Aeroはスピン系ラケットにしては左程スピンはかからないなと思い、CX200はコントロール系ラケットにしては滅茶スピンがかかるなと思いました。
しかし2025年の初めに3度目の試打をした結果、CX200が1年前の印象とガラッと変わりあまりスピンがかからなかった半面、Pure Aeroは昨年の印象とほぼ同じ。何だかんだ言ってもCX200よりはスピンがかかるしパワーもあります。ガットは両者、張ってから1年以上経つナイロンマルチですが、CX200は最初ほぼ張りたてのガットで試打したのに対し、Pure Aeroは最初の試打の時、既に張ってから1年くらい経っていたと思います。だから、そこから更に1年弱経っても左程劣化しないという事でしょう。