Tennis -- MCタイチ

Pure Aero 98 20232024-06-16

今作のPure Aero(ピュア・アエロ)は打感が想像よりずっと柔らかく、かなり打ちやすかったので、より柔らかいと評判のAero98を試してみる事にしました。

概要/スペック

並べて比較したわけではありませんが、ストリングが面の中央付近に集中していたノーマルのアエロに対し、アエロ98は割合均等に配置されているので、目の粗さは余り変わらないように見えます。しかもアエロ98は横糸が1本多い20本ですから、弦が面の隅々まで張ってある感じです。逆にAreo100は面の上下左右がスカスカで中央の密度が高い弦配置です(下図)。

因みに、フェイス面積は100平方インチと98平方インチですから、面積比は1:0.98。と言う事はフェイスが相似形だとすると、縦横の長さは1:√0.98(≒0.99)しか変わらない計算になります。しかし実際は、横幅が5mm、縦の長さは10mm近く違っており、1%どころの違いではないですね。何時も通り、カタログスペックは当てになりませんね。

尚、試打ラケに張ってあるガットは縦がRPMパワー130で横がアディクション130テンションは48ポンドでした。

製品名重量バランス
ポイント
RA値フレーム厚重量
(実測)
バランス
(実測)
Pure Aero 98 2023305g315mm70±321-23-22mm329g
325g
323mm ※
327mm
Pure Aero 2023300g320mm69±323-26-23mm320g
314g
326mm ※
329mm
Vcore 98 2023305g315mm23-23-21mm322g326mm
Vcore 100 2024300g320mm25.3-25.3-22mm323g331mm ※
CX200 2024305g315mm6521.5mm316g325mm
FX500 Tour 2023305g315mm6621~23mm324g323mm
Ezone98 2022305g315mm23.5-24.5-19.5mm329g321mm ※
実測重量とバランスはガットとグリップテープ(※印が巻いてあるもの)込み

今回の試打ラケにもグリップテープが巻いてあったのでこれを外したところ、重量が4g軽く(325g)、バランスが4mmほどトップヘビー(327mm)になりました。

カタログスペックは305g/315mmで、最近流行りの「プラチナスペック」です。実測値はノーマルのアエロと比較すると、9g重く3mmトップライトでした。店で持ち比べると、98の方が明らかにズッシリと重く感じたので、実測値通りという感じです。

ただ、YonexやDunlopのプラチナスペックと比べると、実測値は全然違いますね💦 例えば、Vcore98はAero98と比べると実測値も体感も大分軽かったです。ただし、Ezone98とAero98の実測値は似ており、体感上もほぼその通りでした。

Dunlopはもっと酷く、CX200の実際のスウィングウェイトの軽さが際立ちます。また、FX500 TourはAero98より重々しかったのに、重量は1gの差(ほぼ同じ)でバランスは4mmトップライトと言う実測結果でした(両者グリップテープ無しで比較)。同じバランスでも、FX500 Tourの方が先端とグリップにより多くの質量が配分され、SWが重くなっているのでしょうか?あるいは、撓りが大きいラケットは重く感じるのでしょうか?それとも空気抵抗が小さく振り抜きが良いので、Aero98の方が軽く感じるのでしょうか?

試打インプレ

まず感じるのは打感の柔らかさです。今作はPure Aero100(ノーマル)もAeroとしては思いの外柔らかいものの、それなりに高剛性で弾く感じなのに対し、Aero98はガット面がボールを一旦掴んでボールを運べる感覚です。しかし何故面積が小さく、しかもフレックスは僅かに硬いAero98の方が柔らかく感じるのか不思議でしたが、よく考えたら試打ラケのストリングテンションが、Aero100の52ポンドに対し、Aero98が48ポンドで8%ほど緩いんですね。弦長は上述の通り98の方が縦横夫々2~3%程短いので、トータルではAero98の方が緩く(柔らかく)感じるのは理に適っています。すると、もし同じガットでテンションも同じにすれば、Aero100の方が順当に柔らかく感じるのでしょうか?

また、重さはそれなりにありますが、バランス的には割合トップライト。且つ薄いフレームのお陰で振り抜きが良く、100より98の方が楽に飛ぶ感じがします。上手くインパクト出来れば、左程頑張って振らなくても非常に重い球が打て、壁打ちでは「ミシっ」と壁が壊れそうな音が出て、物凄いボールが返ってきます。

ところがコートでは、威力があり過ぎてオーバーミスを連発してしまいました💦 Aero100もあまりスピンフレンドリーではないと書きましたが、Aero98は更に推進力が強大な分、ボールが突き抜けて行きます。本来ならもっとスピンを掛けるべきなのですが、重さとスウィートエリアの狭さにより、僕の技量ではどうしてもフラットな打ち方になってしまいます。また薄く擦るより、分厚く当てる打ち方の方が、このラケットの特性に断然マッチしていると思います。

なのでもし、ベースラインからの打ち合いなら、とても気持ち良くマッシブなショットが打てると思います。しかし、地元のテニスサークル等ではダブルスばかりなので(しかも中高年は全員コートの内側に立って、浅くて弱い球をちょこまか打ち合う展開)、残念ながらこのラケットのパワーを解き放つ機会は皆無でしょう。

勿論サーブなら完全に自分のリズムで打てますが、僕の低い打点(身長と腕の長さ)で強力なフラットサーブを打っても入る筈有りません。入れに行くと逆に入らなくなるので、気持ち良く打ってアウトミスを量産してしまいました(;´д`)トホホ。

敢えて言えば、重さを生かしてフラット気味で叩き込めばよいボレーは打ちやすいと思います(但し取り回しは悪いので接近戦は苦手)。またストロークでも、バックハンドスライスならボールを運べるのでAero100よりは大分打ちやすいし、トップスピンみたいにシバかないので、何とかアウトせずに済みそうです。

ナダルがイメージリーダーであるPure Aeroはグリグリスピンのイメージは強いですが、少なくとも今作のAero 98は、フラット系でガンガン攻めるサーブ&ボレーヤーに向きそうなラケットでした。勿論、推奨身長は180㎝以上です(^▽^)/

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