Tennis -- MCタイチ

Pure Strike 100 & 16*20 20242024-12-24

ピュアストライクと言えば、硬くて飛ばないラケットと勝手に想像していたのですが、リネンを入れた今作のピュアアエロが意外とマイルドだったので、スペック上はより柔らかいピュア ストライクを試打することにしました。

特に100の16*20はRA値が低く、バランスが310mmとトップライトな僕好みの仕様です。今回はこれとノーマルのピュアスト100を同時に借りる事が出来たので、合同のレビュー記事にしました。

概要/スペック

両者フェイスサイズ/形状は全く同じですが、ノーマルの横弦はスロートに近づくにつれ間隔がどんどん広がるのに対し、16*20は横弦が1本多い分、手元の方でも間隔はそれ程変わりません。一方、フェイス中央~先端寄りのエリアでは両者の升目のサイズや形状はあまり変わりません(縦弦の配置は両者同じ)。

スペックを比較すると、ノーマルは黄金スペックで、16*20は305gでバランスが310mmというやや重&トップライト。ガット込みの実測値は、ノーマル(16*19)がほぼスペック通りの重さで、バランスはかなりトップヘビー。16*20はスペック上は5g重いだけなのに実測では10gも重く(ガット全体で14gくらいなので横弦1本分が5gもある筈ない)、バランスは7mmトップライトでした。

製品名重量バランスRASWフレーム厚重量(実測)バランス(実測)
Pure Strike 100300g320mm6829521-23-21315g333mm
Pure Strike 100 16*19305g310mm6529521-23-21325g326mm
Pure Aero 2023300g320mm6929023-26-23mm325g※
320g※
314g
327mm
(ポリ仕様)※
326mm ※
329mm
Vcore 100 2024300g320mm25.3-25.3-22mm323g※331mm ※
CX200 2024305g315mm6521.5mm316g325mm
Ezone98 2022305g315mm23.5-24.5-19.5mm329g※321mm ※
★使用ガット/テンション共に同じで、Xcel 125 52ポンド ※グリップテープ付き

試打インプレ

まずノーマルですが、打感は期待通り柔らかく、ピュアアエロは勿論、パーセプト100より若干柔らかいくらいです。ただ、この柔らかさはフレームのしなりというより、ガット面のたわみから来ているように感じました。しかし、衝撃という意味では、ガツン!ではないのですが、ビョーンというサスティーン長めの振動を少し感じました。

パワーに関しては、打感の通り弾きは弱めで、一旦ボールを掴んでから押し出すタイプ。またガットは柔軟に動いてる感じはするものの、引っ掛けてでスピンをかけるタイプではなく、比較的低弾道で推進力があるタイプだと思いました。

ただ練習の時は、安定した良いボールを打てるのですが、ゲームになると普段以上にミスを連発して自滅してしまいました。理由は良くわかりませんが、その日は風が強くボールが流されて、悪い体勢で打たされる場面が多かったのですが、そういう時に小手先で返すようなショットがやり難いラケットなのかもしれません。そういえばピュアアエロも小手先ショットが苦手でした。バボラは毎度シッカリ打点に入って打てるベースライナー向けのラケットなのかも。

サーブもどちらかと言うとフラット系になりますが、スピンもそれなりに掛かっているのか、それとも向かい風で押し戻されているのか、収まりは悪くありませんでした。ただガット面の弾力性はあるので、調子に乗って振るとやや暴れ始めます(これはストロークでも同じ)。

一方、16*20ですが、持つとすぐ重さを感じます。ただトップライトなので、ウォーミングアップが終わるといい感じで振れるようになります。しかし問題は、重いくせに打感が硬い事です(振動という意味でも剛性感という意味でも)。ちゃんとスウィートエリアに当たってないのかと思い、試しに玉突きをしましたが、フェイス中央に当ててもカンカンと硬く、もう少し先端に当ててやっと少し柔らかくなります。ノーマルだと中央~やや先端寄り位までちゃんとスウィートなのに。

冒頭でフェイス中央付近のガットの升目の細かさはあまり変わらないと書きましたが、にもかかわらず手で押してみると、16*20の方が明らかにガットがしなりませんでした。これはおそらく、同じガットで同じテンションながら、張った時期(書いてないので不明)が16*20の方が遅く、よって試打された回数も少ないから、まだあまり伸びていないのかも知れません。

なので、このラケットに52ポンドのテンションはちょっと強すぎるのかもしれません(スポーツデポの試打ラケのテンションは皆何故か高い)。ただ一方で、フレームのフレックスは16*20の方がスペック上は低いので柔らかく感じる筈ですが、残念ながら僕は全く感知できませんでした。近年のラケットは程度の差こそあれ面外剛性が高いので、殆ど面内剛性の大小だけが打感に影響を与えているのかも知れません。

あえて長所を言えば、重くて飛ばない分暴発し難く、ガシャてもブレ難い事でしょうか。だから振らないボレーには良いかもしれませんが、一番振るサーブはかなりつらいです。スピンを掛け辛いのは勿論、スピードもあまり出ません。いやその前に、硬さでテニスエルボーが再発し、練習できなくなったら元も子もありません。

中高年女性のインプレ

実は今回一緒にテニスをした中高年女性が、このピュアストライクの色を一目見て気に入ったらしく、「じゃあ打ってみますか」とノーマルの100を貸してあげたら、まさかのべた褒め高評価でした。まず「とても軽くて、何も持ってないみたい」との事。そしてとても打ちやすいそうで「このラケットが私を呼んでいる」という気に入りぶり💦 実際にピュアストで普段以上に良いプレーをしていました。

その人のラケットは2-3月前に買い替えたばかりのULTRA TEAM 100(280g)で、試しに打たせてもらったら当然ながら全然軽いし良く飛びます。しかしその人は、ウルトラチームの方が重いと言い、更にこのラケットを使い始めてから腱鞘炎になったらしく、振動止めに加えてグリップテープを2重に巻くという対策が施されていました。そのせいか僕は、打感もピュアストライク100(ノーマル)より柔らかく感じました。ただ意外と当てるだけでは飛ばないし、軽いが故にガシャると振動が大きいですが。

と言うわけで、ラケット選びの常識を疑う結果となりました。殆どのラケットショップは、非力な女性しかも中高年となると、軽くて飛ぶ(高反発)ラケットを勧めるでしょう。またメーカーもそういう商品企画/開発をしがちです。だから、ある程度振れる人向けのピュアスト100が、そんな層に受けるなんて夢にも思わないでしょう。

しかし実際は、中高年女性の中級くらいまでは、スピードボールを打とうとかスピンをしっかりかけようなんて全く考えていません💦 羽子板打ちサーブややすくい打ちストロークで、ベースラインより内側のかなり浅いポジションから、ゆるふわボールを打ち合います(男性でも高齢者は同様)。だから実は軽くて飛ぶラケットは彼らには向いてないんですね。勿論重すぎ飛ばな過ぎではだめなので、柔らかめの黄金スペックくらいが合いそう。ガットは勿論ナイロンマルチで。

↓↓ ♥ ♥ ♥ Share this post ♥ ♥ ♥ ↓↓