Speed MPL 20242024-04-19
今作のSpeedはAuxetic2.0になり、より打球感がマイルドになったらしいので試打ラケを借りてみました。ただ以前、前作のMPを試打しましたが(レビューは書いていない)、僕には余りにもスウィングウェイトが重すぎたし、今作のMPも持つだけで相当重く感じたので、今回はより軽いMPLにしました。
概要/スペック
フェイス面積は100平方インチながら、余り大顔に見えないのは、横幅が狭く面長だからだと思います。ストリングパタンは普通に16*19ですが、近年流行の中央が密になっている配置ではなく、割合均等に分散しているように見えます。
ルックスは今作からマッドフィニッシュになって、見た目も手触りもしっとりした高級感があります。白も真っ白ではなく、僅かにベージュと言うかグレーというかシックで良い感じ。
スペック上前作から変わった点は、バランスポイントが330mmから325mmになった事です。僕はトップライトであればある程好きなので、この変化は歓迎です。しかしガット込みで実測すると、何とバランスポイントが340mmもありました。ただ後述するように、実際に使うとそこまでトップヘビーには感じませんでした。試打ラケにはグリップテープが巻いてなかったから、計測上はトップヘビーになったのかも知れません。
製品名 | 重量 | バランスP | フレーム厚 | 重量(実測) | バランス(実測) |
---|---|---|---|---|---|
Speed MPL 2024 | 280g | 325mm | 23mm | 298g | 340mm |
CX200 2024 | 305g | 315mm | 21.5mm | 316g | 325mm |
Ezone98 2022 | 305g | 315mm | 23.5-24.5-19.5mm | 329g | 321mm |
Blade 98S V7 | 295g | 325mm | 21mm | 314g | 332mm |
試打インプレ
流石にMPLなのでMPのような重々しくはありませんが、軽量モデルに有り勝ちなトップヘビーなバランス。個人的にはもうちょっとトップライトで全体重量が重い方が好みです。ただ正面から見て薄いフレームのお陰で、フラット方向の振り向きはかなり良いですし、逆に擦るような縦振りでも思ったほど空気抵抗を感じませんでした。
ガットの目の粗さと大きめのグロメットの穴の効果か、ガット面が程よくたわみ、ボールを掴んでいる感じが伝わってきます。なのでコントロール性もスピン性能も上々です。またフレーム剛性が高く、比較的スウィングウェイトが軽いのでパワフルなボールが打てるし、抑えが効くので暴発も起きにくいです。
ただ問題は打球感で、腕に伝わる振動がかなり大きい事です。最初、軽く丁寧に打ってるうちは上述の掴み感もあって軽量モデルにしては柔らかいなと思ったのですが、その後普通のスウィングスピードで振ると、シャープな振動が肘にガンガン伝わってきます。延べ30分程度の壁打ちで肘痛が再発してしまいました。
振動止めとして輪ゴムを付けると若干マシになりますが、やはりピリピリした高周波振動が残ります。Boon MPの時ほど酷くありませんが、それに似た打感ですね。今回のSpeedはテニスYoutuberのレビューでも公式サイトでも柔らかさを謳っていますが、少なくともMPLは僕には硬すぎでした。Headのラケットって振動吸収をあまり気にしてないように見えます。