Prince Tour 100 310G2021-04-17
2021年モデルのCXとVcoreシリーズを試打して、色々と感動はあったものの打感とスウィングウェイト共に自分好みのものはありませんでした。そこで昨年モデルでまだ打った事の無いラケットを物色していると、Prince Tour100のO3が振り抜きやガットの食いつきも良いらしいという事を知りました。ところが何時ものテニスショップに行ってみると、O3モデルは試打ラケットを用意していないらしく、仕方なく普通のグロメットタイプのTour100を借りてみました。
試打レビュー
まずバランスが310mmとは思えない程重々しいですね。そして打つとかなり硬めに感じました。硬めというのは、手に伝わる振動や打球音、フレームの剛性感全てにおいてです。その前に試打したCXやVcoreの柔らかさと比較すると、硬さの元となる高周波振動のケアを殆どしてない気がします。張ってあるガットはアスタポリ130で、これは柔らかめのポリらしいですが、少なくともこのラケットとの組み合わせではキンキンした感触でした。
パワー(飛び)の面でも最初はイマイチな感じでしたが、意識して丁寧にゆったり振ってスウィートスポットで捉えると一転、ホールド感が出てかなりのパワーボールが打てました。ただスウィートエリアはやや狭いようで、ちょっと芯を外すとやはりガッツリ硬さが出て飛ばなくなります。最近、柔らかい打感の反発系や反発力がある薄ラケが各社から出てる中、このように飛ぶけど硬いラケットの存在価値がイマイチ判らない、というのが率直な感想です。
外観/スペック
フェイス形状は今時のラケットとしては割と正確な楕円に近いと思います。よく見ると、スウィートエリアを先端に移動させるという今時のセオリーに従い、リムの上端の円弧は若干平べったく(曲率変形が大きく)なっていますが、YonexやDunlopと比べたらその度合いが小さいですね。特に下端が尖っているのと、ややフェイスが面長?のせいで楕円ぽく見えるのかも。
白いフレームにマリンブルーのガットが美しいです。スペックを見て気付いたのですが、ストリングパタンが16*18となっており、通常の16*19より横糸が1本少ないんですね。実物の見た目としては、ストリングの格子の形状や大きさは要準的だと思いますが、フェイスの下端の横糸が無いエリアが若干広い気もします。
製品名 | 重量 | バランス | フレーム厚 | 重量(実測) | バランス(実測) |
---|---|---|---|---|---|
Tour100 310g 2020 | 310g | 310mm | 22-23-20mm | 333g | 320mm |
Vcore100 2021 | 300g | 320mm | 24-25-22mm | 320g | 326mm |
Vcore98 2021 | 305g | 315mm | 22.5-23-21mm | 332g | 319mm |
CX200 | 305g | 315mm | 21.5mm | 320g | 326mm |
CX400 Tour | 300g | 320mm | 23.0mm | 322g | 324mm |
Vcore 95 2021 | 310g | 310mm | 21.5-22-21mm | 325g | 320mm |
Vcore pro 97 2019 | 310g | 310mm | 20.0mm | 335g | 318mm |
Burn FST99S 輪ゴムカスタム |
299g | 305mm | 19/22/19mm | 318g | 316mm |
Pro Staff Tour90 | 315g | 315mm | 17mm | 336g | 315mm |
実測重量とバランスポイントは先月試したVcore98とほぼ同じですね。ズッシリ重い体感重量も同じなので納得の結果です。ただこれらに比べ、僕のプロスタッフは3gほど重く、バランスは5mm手元にあるだけですが、遥かに軽々と振れるんですよね。じゃあバランスポイントが凄く効くのかと言うと、例えばVcore100は98と比べて13g軽く6㎜トップヘビーですが明らかに軽く感じますし、Vcore95も98と比べて7g軽くバランスは同じですが体感的には一回り軽いです。
このように僕のプロスタッフの場合を除いて、最近試したラケットは皆、バランスよりも重量が体感重量に比例しています。
まとめ
実は昨年、同じシリーズのTour90を試打しましたが、言われてるほど柔らかい打感でもトップライトでもなく、さりとてパワーがある訳でもスピンが掛かりやすい訳でも無かったので、レビューは書いていません。
で今回のTour100ですが、Tour90より易しいラケットかと思いきやそうでも無かったです。スウィートスポットに当たればパワーは90よりありますが、そのスウィートエリアがフェイスサイスの割には狭く感じます。そしてスペックの割にトップヘビーに感じるし打感も意外と硬いと言う意味では90と同じです。
なんかディスってばかりで申し訳ありませんが、今回のTourシリーズは少なくとも僕にはルックス以外に良い所が見当たりませんでした。