Tennis -- MCタイチ

Boom MP 20242024-10-30

トップライトなのは良いけど、打感が猛烈に硬かった前作(初代)のBoom MP。2024モデルが出た事を知らず、変わっても色くらいだろうと思っていましたが、「今作のBoomは打ちやすい」というネットのレビューで中身も変わった事を知り、試打する事にしました。

概要/スペック

とは言え、中身の変更点はヨークとグリップエンドにオーセンティック2.0が採用された事だけみたいです。この辺はメーカーサイトを見ても判りません。

ストリングパタンも変わってないと思いますが、改めて見ると縦弦の配置は程々に中央に集中してる感じです。対して横弦は結構分散しており、特にフェイス上部の余白が狭く、全般的にラケット先端に弦が集中している事が判ります。

製品名重量バランスPフレーム厚重量(実測)バランス(実測)
Boom MP 2024295315mm24mm316g※324mm
Pure Aero 2023300g320mm23-26-23mm325g
320g
314g
327mm(ポリ仕様)※
326mm ※
329mm
Vcore 98 2023305g315mm322g326mm
Vcore 100 2024300g320mm25.3-25.3-22mm323g331mm ※
Speed MPL 2024280g325mm23mm298g340mm
CX200 2024305g315mm21.5mm316g325mm
Ezone98 2022305g315mm23.5-24.5-19.5mm329g321mm ※
Boom MP 2022295g315mm24mm315g※322mm
☆使用ガットはポラリス115、テンションは48ポンド
実測重量とバランスはガットとグリップテープ(※印が巻いてあるもの)込み

カタログスペックは前作(2022モデル)と全く同じですが、ガット込みの実測では今作の方が1g重く、バランスは2mmトップヘビーとなっています(粗誤差)。つまりスペックと実際がちゃんとリンクしていますね。

上に挙げた他のラケットの中で、Boomと実測値が最も近いのはCX200です。ただCX200の試打ラケにはグリップテープは巻いててなかったので、もし巻いたら重量は5gほど重くなり、バランスは2-3mmトップライトになっている事でしょう。

しかし、理論的にはグリップ部分に荷重してもスウィングウェイトには殆ど影響しないし、実際に振った感じも軽やかでよく似てます。しかしカタログスペックでは、バランスは同じだけど、重量はCX200の方が10g重いんですね。毎度、カタログスペックは当てになりませんね。特にダンロップのそれは。

試打インプレ

冒頭に書いたように、僕にとっての前作Boomの長所はトップライトでスウィングウェイトが軽い事。短所は猛烈に硬い(衝撃が強い)事でした。それに対して新作は、長所はそのままで短所は粗消えていました。

僕は最近、長年使った古いプロスタッフ(かなりトップライト)ではなく、近年買ったGrinta100 Lite(トップヘビー)を中心に使っていて、それなりに慣れたかなと思っていたのですが、やはりトップライトなラケットの方がしっくりきます。又、スウィングウェイトが軽いお陰で、フレーム厚24mmの空力的に優れているようには見えないフレームでも、振り抜きはそれほど悪くなかったです。勿論、衝撃が各段に緩和されたお陰で、気にせず振り抜けるのは大きいです。

一般にスウィングウェイトが軽いラケットは、衝撃が大きくなりがちですが(最近ではSpeed MPL 2024がそれ)、その点Boom MP 2024は衝撃が上手く緩和されていると思うます。ただ、他の人のレビューの中には、Boomは元々マイルドだったとか、下手すると前作の方が少し柔らかかったというのもありました。まあ僕にとって前作は衝撃が強すぎてレビューどころではなかったけど、実はフレックス自体は柔らかかったのかもしれません。

とは言え、古いプロスタッフの本物のしなりが好きな僕に言わせれば、今作Boomもしなりは殆ど感じられず、HEADらしく硬く淡泊な打感でした。ただ厚めに当てると面が撓んでいる感じは確かにあります。つまりフレーム剛性は高く、面剛性は低いという今時のコントロール系ラケットの特性ですね。

その意味でもBoom MP 2024はCX200 2024に近いですが、CX200の方が面剛性が更に低く、それ故にフラットサーブなどでは腰砕け感もありました。また飛び自体もCX200(やGrinta100 Lite)の方が一回り上に感じました。だから最初の壁打ちでは、衝撃は無いが硬めであまり飛ばない淡泊な印象でしたが、ゲームで使うと暴発し難いという長所に変わりました。

スピンについても、CX200のように勝手に掛かるような感じではなく、掛けようと思えばそれなりには掛かる程度。上であまり飛ばないと書きましたが、それは僕が無意識にやるフラットなスウィングの場合で、薄めに当てて擦り上げるようなスウィングだと、弱めの当たりでも意外とパワフルなボールになります。つまりフラットなショットでは飛びを抑えてコートに収め、スピンボールは簡単に飛ぶが落ちるのでアウトしないという、実に合理的な自動制御をしている事になります。

これはサーブの場合も同様で、トップライトなのでスピン系サーブが打ち辛い訳ではありませんが、敢えてスピンを意識せず、フラットサーブになっても、意外とちゃんと収まりました。なのでサーブの確率が上がり、テニス仲間からも「今日はサーブ良いですね」と言われました。ラケットに慣れてくると更にフラットサーブのイメージが固まって来るし、同時に疲れてもくるので、よりエネルギー効率の良いフラット系のサーブを多用したくなります。

それと、僕はフェイスの先端でボールを捉えるというか、先の方に外す傾向があるので、(特にサーブの場合)ミスが少なかったのはBoomのしゃもじ形状のお陰で、スウィートエリアが先端に広がっているからかも知れません。

ボレーについては、やはりフラット気味に当てる事が多いので、収まりが良いように感じました。タッチは僕にとっては弾き系になりますが、フェイスが撓んでボールを掴む感触も多少あります。好みを言えばもう少しボールを運ぶ感覚が欲しいですが、そうすると振り遅れっぽくなったりするので、この位のタッチが一番ミスしにくいかも知れません。

最後に、これも好みの問題ですが、グリップの形状も気に入りました。他のHeadラケットは忘れましたが、Boomは断面形状の扁平率が低い、つまり長辺と短辺の長さがあまり変わらない、円とか正8角形に近い形状でした。なのでグリップサイズが同じG2でも、他社のものより細く感じられて僕の小さな手にピッタリです。因みにグリップの断面形状は各社傾向があって、ダンロップは同じく円に近く細身。ウィルソンは中庸。ヨネックスとバボラはやや扁平で同じサイズでも太く感じます。

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