Yonex EZONE 100 20202020-04-10
3月末に試打して良い印象がずっと残っていたので、9月初旬に再び借りて打ってみました。スイングウェイトが比較的軽いのとボレーがやり易いのは前回と同様でしたが、ストロークとサーブの打感がちょっと変わったので最下部に追記しました。実測スペックも修正しました。
試打レビュー
スイングウェイトとしてはEZONE 98と同じバランスで全体に一回り軽くした感じでしょうか。私のTour90やBurn FSTと比べたらやや手元が軽いですが、ゴールデンスペックの中では最もトップライトな部類だと思います。
それに打感が非常にスウィート。しなやかでホールド感があるのにパワーもあってスピンも強力です。スウィートエリアも(Yonex形状に慣れたからかもしれませんが)EZONE98より広いと思います。勿論、厚ラケらしく分厚くヒットするとフレームの硬い領域に入ってしまいますが、巻き込むようにスピンをかけるモダンスイングを心がけると、楽にマッシブなショットが打てます。
サーブも同様に、軽いからビュンビュン振れるし、更にホールド感があるからコントロール性もスピン性能もパワーも高次元で両立しています。更に好印象だったのがボレーですね。ちょっと押してやるだけで十分なパワーが出ますが、ホールド感があるのでコントロールもし易いという正にボレーマシン。ダブルスなら問答無用で強力な武器になりそうですが、シングルスでも省エネで勝ちに行く実践的なプレーが出来そうです。特に体力的に厳しいので楽をしたいと思っている中高年には魅力的なラケットではないでしょうか。逆に言うと上級者同士でバシバシ打ち合うような状況だと、意識してスピンをかけたりパワーをセーブしないとホームラン性の当たりになるかも知れません。
因みに、前回のEZONE98はVcore98に近いと書きましたが、このEZONE100は順当にVcore100に近いですね。Yonexのラインナップは、フレームが分厚くパワーアシストが強くなるほどタッチが柔らかくなるようです。ただVcore 100はスイングウェイトが重めでしたが、EZONE 100は軽快なのに柔らかさとパワーを両立しているところが素晴らしい進化だと思います。
外観/スペック
EZONE98と並べて比較したわけではありませんが、見た目は非常に良く似ています。ただ横から見るとEZONE100のフレームの厚さが際立っています。Wilsonのラケットはどのシリーズもフレームの断面形状が手元から先端まであまり変わりませんが、ヨネックスのラケットはリムの部分がかなり扁平で分厚くなっていますね。リムの部分は内側に撓ませる事でホールド感を出し、スロートの部分はやや薄めにして撓らせるという役割分担がハッキリしてるようです。
製品名 | 重量 | バランスP | フレーム厚 | 重量(実測) | バランスP(実測※) |
---|---|---|---|---|---|
EZONE 100 | 300g | 320mm | 23.5/26/22mm | 315g 323g | +13mm +11mm |
EZONE 98 | 305g | 315mm | 23/24/19mm | 321g | +8mm |
Blade 100 V7 | 300g | 320mm | 22mm | 316g | +18mm |
Blade 98 V7 | 305g | 320mm | 21mm | 325g | +16mm |
Vcore Pro 98 | 305g | 315mm | 22/22/21mm | 335g | 未計測 |
Vcore 100 | 300g | 320mm | 24/25/22mm | 323g | 未計測 |
Pro Staff Tour90 | 315g | 315mm | 17mm | 336g | 0mm |
※私のプロスタッフツアー90を基準に何㎜ずれているか(先端方向がプラス)
2度目に借りた時に測定しなおしたら前の数値が間違っていました。上の表の通り重量が8gも違っており、Ezone98より何故か重くなってしまいました。バランスは2mmほど手元寄りに修正されたもののEZONE98よりは先端寄りなので、EZONE100の方が重く感じる筈。ところが実際に打った感じではEZONE100の方が一回り軽く感じたのでEZONE98の計測ミスか?
ガットですが、今回のEZONE100はアスタリスタ125が50ポンドで張ってありました。このガットは柔らか系のナイロンですが、EZONE98に張ってあったG-Tour3はポリエステルで、掴み感が特徴だけどさほど柔らかくはないようです。この違いはEZONE98と100の打感の違いを強調する方向ですね。ただガットの違いはラケットの違いほど大きくないので、EZONE100は98より柔らかくてパワフルなラケットであることには変わりないと思います。
【9/13追記】尚、2度目に借りた時はミクロスーパー16(50ポンド)に張り替わっていました。時期的には7月初旬なので借りてから2か月ちょっと経っています。これって80年代からある定番のナイロンモノストリングですが、古い割に今でも普通に使えますね。ただ少なくともEZONE100との組み合わせではアスタリスタの時より硬くて飛ばない感じになっていました。その前に試打したFX500やExtremeがパワフルだからそう感じたのかも知れませんが。