Pure Aero 2022 オーナーズレビュー2026-03-14
2025年の3月初旬にピュアアエロ2022-2023を購入して丁度一年が経った今、オーナーズレビューを書きたいと思います。
デザイン
見た目は完全に好みの問題ですが、個人的にはここ5年位の新製品の中で最高にカッコ良いと思います。色は黒/黄だけだと強そうな反面ドギツいですが、グレーや白を混ぜる事でクールさが出ます。更に三角形の色紙を散らしたようなエッジーなパタンが、下手すると鈍重に見えそうな極太△断面のスロートに、動きとシャープさを与えています。僕は基本、パステル系の端正な配色が好きなのですが、ラケットは振り回して戦う道具なので、それではちょっと大人しすぎます。その点、このアエロは見るだけでテンションが上がります。


スペック
このラケットは2つの店で別の個体を借りて試打させてもらったので、買った個体(グリップテープ有/無)を含めて計4パタンの重量とバランスを計測しました。結果を見ると試打ラケ1だけ少し重く、僕のラケットだけバランスが少しトップライトという結果になりました。他の数値はほぼ同じで計測誤差の範囲と思われます。
| 製品名 | 重量 | バランスP | フレーム厚 | 重量(実測) | バランス(実測) |
|---|---|---|---|---|---|
| Pure Aero 2023 | 300g | 320mm | 23-26-23mm | 316g(自分ラケ) 321g(自分ラケ)※ 325g(試打ラケ1)※ 320g(試打ラケ2)※ | 330mm(自分ラケ) 325mm(自分ラケ)※ 327mm(試打ラケ1)※ 328mm(試打ラケ2)※ |
| FX500 2025 | 300g | 320mm | 23-26mm | 323g※ | 322mm※ |
| Ezone 100 2025 | 300g | 320mm | 24.5-26.5-23.0mm | 319g※ | 328mm※ |
インプレ
先ず黄金スペックの中では振り抜き(特に縦振り)が良いという事です。これは名前の通りエアロダイナミクスを意識したフレーム形状のお陰ででしょう。ただ、正面から見て極太のスロートは、縦振りには良いが横振りには空気抵抗が大きい筈だし、逆に正面から見て薄く側面から見るとぶ厚い扁平リム(フープ)は、横振りの空気抵抗は極小だが縦振り抵抗は大きい筈です。
このように相矛盾した空力設計で、実際に振っても抵抗が大きいのか小さいのか良く分かりませんが、縦振りの空気抵抗は他の黄金スペック(中厚系)よりやや少なそうです。一方横振りは普通位でしょうか。リム先端の極薄さは横振り/縦振り何方にも有利な筈なので、それが全体に効いてると思います。
また計測した訳ではありませんが、体感上スウィングウェイトが軽い事も振り抜きの良さに貢献していると思います。重量もバランスも黄金スペックとして標準的なのにスウィングウェイトが軽いとしたら、重量(正確には質量)が重心付近に集中している事になります。簡易テストとして、ラケットの重心付近を持って、グリップ側を振ってもフェイス側を振ってもかなり軽い手応えなので、多分そうだと思います。
次に打感ですが、先のレビューにも書いた通り思いの他マイルドでした。過去のピュア・アエロを打った事はありませんが、ピュアドライブの殺人的な硬さからは想像が付かない柔らかさでした。と言ってもシャフト(面外剛性)はガッチリしており、代わりにガット面がグチャッと潰れる(面内剛性が低い)ような柔らかさです。新採用された麻繊維が振動する事で衝撃を吸収しているようにも感じます。
とは言え、以前使っていたGrinta100 Liteなんかよりは大分硬質感があるので、最初から振動止めとグリップテープは必ず付けて使っていました。ところがある時、輪ゴムの振動止めが落ちて見つからないのでそのまま使ってみると意外と大丈夫でした。そして驚いた事に、プレイ後に全くと言っても良い程肘痛が残らなかったのです。これはかなり珍しい事で、他のもっと打感がマイルドなラケットですら、使った後に多少は痛みが残ります。
因みに他のラケットと打感を比較すると、硬い方から;
【硬さ】Percept 100 2023 ≧ Ultra V4 ≧ Ezone100 2025 > Boom MP 2024 ≧ Pure Aero 2022
と僕は感じました。ネットのレビューでも、Aero 2022は柔らかくなったという人は多いですが、逆に硬くなったという人も意外と居るようです。何故真逆の感想になるのか考えてみるに、剛性は確かに下がっているので、恐らく比較的フラット系で分厚く当てる人は今作の方が柔らかく感じ、逆に薄く擦る人は飛ばないし持ち上がらないので硬くなったと感じるのではないでしょうか?
個人的には、それまで使っていたGrinta100 Liteでよく吹かしていたので、もう少し収まりが良く制御しやすい事がピュアアエロ 2022を選んだ第一の理由です。ただ他の黄金スペックと打ち比べると、飛ばない方でもありません。上の5機種を飛ぶ方から順に並べると以下の様になります(勿論僕の主観)。
【飛び】Ultra V4 > Ezone100 2025 > Pure Aero 2022 > Percept 100 2023 > Boom MP 2024
ただ一般的に、スウィングスピード(正確には飛んできたボールとラケット面の相対速度)と、打ち出されるボールの初速は単純に比例関係にあるわけではありません。例えば軽く振ったら結構飛ぶのに、シッカリ振っても左程ボールの速度が上がらないラケットも有れば、逆に軽く打つと全然飛ばないのに、中くらいの振りから急に球速が増すラケットも有ります。アエロ2022は後者のタイプのようで、繊細なタッチでドロップショットを打ったりスライスロブで逃げようとしたとき、最初は思いの他飛ばずにネットさせていました。
一方厚く速く振り過ぎると、弾性限界を超えたかのように打感が急に硬くなり、それ以上振ってもラケットの運動エネルギーが衝撃に変わるだけで、球速は伸びないように感じます。つまりアエロ2022は、水平(フラット)方向のヘッドスピードは余り変えずに、垂直(スピン)方向のヘッドスピードで軌道や球速を調整せよというラケットなのかも知れません。
で、そのスピン性能ですが、目が詰まったストリング配置のせいか引掛り感やホールド感が弱めで、最初はあまりスピンが掛からないラケットかと思いました。ところがサーブやストロークの収まりが比較的良いのに、相手が押され気味になっている事から、実はスピンもスピードも意外と出てるんじゃないかと思うようになりました。スピン性能を他のラケットと比較すると大体こんな感じでしょうか;
【スピン】Pure Aero 2022 ≧ Ezone100 2025 > Percept 100 2023 ≧ Ultra V4 > Boom MP 2024
最後に個人的に気になったのは、グリップがちょっと太すぎる事です(扁平率も高め)。その結果、リストワークを以前ほど使わなくなってしまいました。ただ、グリップテープを外してもそれ程衝撃は増えないし、トップヘビー感もあまり無い事が判りました。更にバボラの元グリはしっとりした感触で滑り辛いので(写真のようにテープの張り跡が残るほど粘着性がある)、少なくとも冬場はグリップテープ無しでいけそうです。僕が使うグリップテープはバボラの薄い(0.4mm)やつですが、それでも有りと無しではグリップの太さの違いは十分判るので、当面なしで行こうと思います。
使用ストリング
ラケット購入時に工賃無料なので張ってもらったガットは、その店で最安値クラスのテク二ファイバーのXR3 125です。このストリングは他の所有ラケットに何度も張ったお気に入りですが、アエロとの組み合わせではやや硬さが目立ってしまいました。アエロもXR3も、当たりが弱いと硬くて飛ばないが、シッカリ振っていくと弾力感が出て来るタイプ。似たもの同士の組み合わせは、特性が強調され過ぎるのかも知れません。
その後XR3はいつも通り毛羽立ってきて、スピンもスピードも少しづつ落ちてきました。しかし切れそうで切れないのでツイツイ交換を先延ばしにしていましたが、1年近く経ってからようやく交換したのがTCS 120です。
このストリングの素材は、ポリとはいっても通常のポリエステルと違ってポリエチレンです。ポリエチレンは伸びやすい素材らしく、実際TCSは張ってる時から伸びやすく、すぐテンションが落ちるストリングと言われています。僕の印象も、最初から指定テンションの割には張りが柔らかく感じ、振動もマイルド。張りたての良好な反発力は数日でなくなりますが、その後もさほどパワーダウンは感じず打感も柔らかいまま。毛羽立ちが無く滑りが良いので目ずれも少なく、スピン性能も良好です。この特性がピュアアエロにぴったりハマり、スピン性能も打感も向上しました。
まとめ
Pure Aero 2022の特徴を纏めると以下の様になります。
- 縦振りに適した空力形状とSWの軽さにより振り抜きが良い。
- 高い面外剛性と低い面内剛性により、高い安定感と打感の柔らかさを両立している。
- 上の2つの特性により、飛びとスピン性能とシッカリ感を両立している
- 従って、サーブ、ストローク、ボレーの何れのショットも打ちやすく、攻撃力もある。
最初に試打した時から打ちやすかったですが、使い込むに従いPure Aeroの特性に僕が馴染んできたようです。なので、ラケット選びに満足してしまい、事もあろうかテニス熱まで少々冷めてしまいました。しかし、購入1年後に軽い浮気心が再発し、出たばかりの新Vcore98と前年に出たFX500を試打しました。何方も思いの他ソフトで良かったのですが、自分のエアロはより軽快でパワーもスピンも強力なのに、打感はマイルドで打ちやすい事を再確認しました。