Wilson Blade98 16*19 V72020-01-18
Burn FST 99Sの問題点
昨年(2019年)の夏にBurn FST 99Sを購入した事で「ラケット選びの旅もようやく終わりの時が来ました」と書いておきながら、また試打ラケットを借りてレビューを書き始めました(‘◇’)ゞ
というのもこのBurn FST 99S、最初に感じたようにちょっと軽すぎて、無駄にに振り回し勝ちになります。意識して丁寧に振ればパワーも正確性も良いのですが、タッチが硬くホールド感が希薄なので、しっかり捉えてラケットの重さをボールに与えるというイメージがし辛いのです。また久々のゲームをこのラケットでやったのですが、壁打ちよりも当然スウィートエリアを外しやすいので、普段以上に手に伝わる振動が大きく、1時間ほどで手首や肘が痛くなってしまいました。
逆に考えると、重いラケットはパワーがありタッチも柔らかく感じるのは(勿論物理的に慣性モーメントが大きいせいでもありますが)、振り回しにくいから丁寧に振って結果的にスウィートエリアで分厚く捉えているからだと思います。もっともゲームでは、ショットに時間的余裕が無い事も多いので、より重く取り回しの悪いラケットではやはりスウィートエリアで捉えにくいという理屈も成り立ちますが。
そんな折、Wilson Bladeの新型が出た事を知りました。前作のBlade 98CVはタッチは最高だけどスウィングウェイトが余りにも重いと書きましたが、新型は若干ながらバランスポイントが手元に移動しているようなので、期待を込めて試打する事にしました。
外観/スペック
ページタイトル通り、試打したのはBladeシリーズの中では最も一般的なBlade 98 16*19(フェイスが98平方インチでストリングパタンが16*19)です。
製品名 | 重量 | バランスP | フレーム厚 | 重量(実測) | バランスP(実測※) |
---|---|---|---|---|---|
Blade 98 V7 | 305g | 320mm | 21/21/21mm | 325g | +16mm |
Burn FST 99S | 299g | 305mm | 19/22/19mm | 320g | 0mm |
Blade 98 CV | 304g | 325mm | 21mm | 330g | +22mm |
Prince Tour 95 | 310g | 310mm | 22/22/20mm | 336g | +5mm? |
Pro Staff Tour90 | 315g | 315mm | 17mm | 336g | 0mm |
※私のプロスタッフツアー90を基準に何㎜ずれているか(先端方向がプラス)
前作の98CVと比べると、スペック重量は1gだけ重くなっていますが、実測では5g重く軽くなっています。バランスポイントはスペックで5㎜、実測でも6㎜ほど手元寄りになっただけですが、実際に持つと前作より明らかに軽く(スウィングウェイトが小さく)感じました。
その下のPrince Tour95は今回のBlade 98 V7よりもっと重々しく感じたのでスペックを比較してみたのですが、確かに重量は10g強重いもののバランスポイントは10mmも手前にあるんですね。これだと体感上は粗同じスイングウェイトになる筈ですが、そうならなかったのは私が試打レビュー開始直後でトップヘビーなラケットの扱いに慣れていなかったからかもしれません。或いはPrinceの反発力が(ガットのコンディションも含め)比較的弱いから、頑張ってるのに報われないと感じたとか?
見た目をBurn FST 99Sと比べると、正面から見たフレームの厚みはBlade 98 V7の方が大分薄いですね。フレームを除いたガット面だけで比べると、Blade 98 V7の方が幅はわずかに狭く、縦には若干長いようです。
側面から見ると何方も薄い部類ですが、スペック上通りBurn FST は先端と手元がやや薄く中央部が相対的に膨らんだ形状ですが、Bladeは先端から手元まで均一の厚みなのが見ても判ります。
試打レビュー
先ずスウィングウェイトですが、持った時の印象同様、先代モデルBlade98CVより明らかに軽く感じます。先代は重すぎてスピン系のヘッドスピードが速いショットを試す気にもなれませんでしたが、新型は自分でも意外なほど違和感が小さかったです。だからスピンサーブやトップスピンのストロークなども試す気になるし、実際普通に打てます。
もっともこれは『余りにも重かった先代と比べて』というバイアスがかかった評価なので、私本来の好みからすれば新型もちょっとトップヘビーすぎるラケットではあります。実際1時間程度の壁打ちで、肘や手首にちょっと負担感を覚えました。ただ先代がどう扱ってよいか判らないというレベルだったのに対し、新型は重いラケットなりの打ち方に変えれば、これはこれで武器になりそうな気がしました。
打感については先代同様、私が試した近年のラケットの中ではベストと言えます。フレームがしなやかでホールド感も適度にあるからコントロールしやすいし、痛い振動が無いのに反発力もちゃんとあるからパワーもちゃんと乗ります。上でスピン系のショットも打ちやすいと書きましたが、ラケット(ガット)がボールを掴みやすいから、擦る方向にヘッドスピードを上げなくてもスピンがかかるのでしょう。
因みに試打ラケットに張ってあったストリングは、シグナムプロというドイツのメーカーのポリプラズマ1.28という製品です。リンクしたラケットショップやユーザーの評判は上々で、トータルバランスに優れたストリングのようです。ただ118ゲージは弾きもスピンも良好とありますが、これは2段階太い128なのでハードヒッター向かもしれません。なのにパワーアシストも上々なのはラケットのお陰でしょうか。テンションは48ポンドと緩めで張ってから間が無い(ヘタりが無い)という、一番良い状態だったからかも知れませんが。
次回は、このラケットより5gだけ軽くバランスポイントは同じBlade 100 V7(1/18日現在未発売)を試してみようと思います。