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Wilson Blade100 V72020-02-28

前回のBlade98 V7のレビューで、タッチや飛びは最高だけどバランスは未だトップヘビーだと書きましたが、それより重量が若干軽くバランスポイントは同じBlade100 V7を借りてみました。

外観/スペック

製品名 重量 バランスP フレーム厚 重量(実測) バランスP
(実測※)
Blade 100 V7 300g 320mm 22mm 316g +18mm
Blade 98 V7 305g 320mm 21mm 325g +16mm
Blade 98 CV 304g 325mm 21mm 330g +22mm
Pro Staff Tour90 315g 315mm 17mm 336g 0mm

※私のプロスタッフツアー90を基準に何㎜ずれているか(先端方向がプラス)

先ず重量ですが、Blade98V7と比べるとスペックでは5g軽いだけですが、実測(ガット込み)では9g程軽くなっています。今回のガットはアスタリスタ130(50ポンド)というものですが、前回のBlade98V7に張ってあったポリプラズマ1.28と比べて重量にそれほど差があるとも思えないので、多分ラケット本体の重量差でしょう。バランスポイントもスペックでは同一ながら実測ではBlade100の方が僅かにトップヘビーでした。

計測前に持ったり打ったりした感想も、重量的に軽めでバランスはややトップヘビーにするという厚ラケ(ゴールデンスペック)化を感じたので、粗実測値通りの結果ですね。見た目もBlade98V7と並べて比較したわけではありませんが、フレームの厚みが少し分厚いのは判りました(他は見分けがつかない)。ノギスで実測したところ、根元から先端まで22.5mmくらいでした。

試打レビュー

第一印象はシャンシャンと軽く硬い打感で、中厚的なBlade98とは違い厚ラケ的な性格にしてきたなと思いました。ただ普通の厚ラケと違ってしなり感はかなりあるし、ボールをしっかり掴んで打ち出すようなホールド感もあります。その反面、分厚く当ててもそのしなりが底付きせず、インパクトのエネルギーをちゃんと反発力に換えている感じがします。パワーアシストも十分あるしホールド感によってスピンもかかりやすいです。

因みに、Clash100はより弱い当たりで撓りますが、強く当てるとそれ以上は撓らずに衝撃が手に伝わりました。またClashシリーズは撓りだけ許容して捻じれは極端に抑制していましたが、このBlade100 V7は普通に捻じれるので私が好む薄ラケに近い感覚です。試しに机にグリップを固定し、ラケット面に対して力を加えていくと、Clash100に次いでよくしなりました(私の薄ラケTour90よりしなる)。

このように打感については理想ともいえるこのBlade100 V7ですが、やはりトップヘビーすぎる重量バランスが個人的には唯一の欠点です。それなりに振り回すスピン系のストロークでは手首への負担は大きいので、ゆったりとボールを運ぶようなスイングに切り替える必要があります。

一方、ボレーはボールに合わせるだけで十分なパワーが得られますし、ソフトタッチでホールド感もあるのでコントロールも容易です。もっともトップヘビーで取り回しは良くないので、接近戦など速い動きは苦手かも知れませんが、普通に時間的余裕があるボレーならかなりやり易いと思います。

サーブについては、先ず普段使っているラケットと重量バランスが違い過ぎてタイミングを合わせ辛いですが、慣れれば重さを生かしてパワフルなボールが打てそうです。ストロークと同様、速く擦ってスピンをかけるような打ち方はできませんが、ボールのホールド感を生かせば左程擦らなくてもそこそこの回転はかかるようです。

総じて言えばこのラケットに向いているのは、厚ラケのパワーと薄ラケのしなりやホールド感を両立したいが、Clash100は撓り過ぎと感じる人でしょう。個人的には、打感がもう少し硬くなっても良いからもう少しトップライトにして欲しいですが、近年主流の厚ラケ(ゴールデンスペック)のバランスに慣れている人には問題ないと思います。

因みに、試打ラケットには前に借りた人が輪ゴムのような振動止めを付けたままで、最初はそのまま打ったのですが、実はこれが意外と効果的でBlade98V7と変わらない打感でした。この輪ゴムは中央の3本くらいのガットにしか触れてないので、こんなの効果が無いだろうと思って外して打ってみたところ、厚ラケ然とした振動が発生したわけです。もっともその後はずっと振動止めを外したまま上のレビューも書いているので、何もなくても十分柔らかい打感ではあります。

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