Tennis -- MCタイチ

Dunlop CX200 TOUR 20182019-03-01

Wilson clashがかなり人気らしく、試打ラケットが出払っていたので、代わりにCX200Tourを借りてみました。CX200シリーズと言えば、少なくともClash登場前なら「打感が柔らかいラケットがいい」と言ったら、大抵勧められる製品だったと思います。

因みに、これの前身であるダンロップの300Gというラケットが昔あって、当時も柔らかい打感だと言われていたのですが、厚ラケに不慣れな私には、硬くてタイミングが取りづらいラケットとしか感じられませんでした。なので今回もそれほど期待していませんでしたが、同じようなプロファイルのプリンスTour95が期待以上に柔らかかったのでCX200も試してみることにしました。

スペック

最初はいつもの、というか毎回行が増えていくスペック比較表です。

製品名 重量 バランスポイント フレーム厚 重量(実測)
CX200Tour 310g 310mm 20.5mm 333g
Vcore pro 97 310g 310mm 20.0mm 328g
Prince Tour 95 310g 310mm 22/22/20mm 336g
Pro Staff 97CV 315g 310mm 21.5mm 330g
Pro Staff Tour 90 315g 315mm 17mm 336g

並べてみると…また重量とバランスポイントが同じじゃないですか!矢張りTOURと名が付くと(実態はともかく)このスペックにしないといけないという業界の掟が存在しているのでしょう。フレーム厚も粗同じですね。一方、ガットを含めた実際の重量を計ってみると333gと出ました。これは僅差(多分測定誤差の範囲)ながらTour90やTour95より軽い数値です。

ところが試打すると(実は重量計測より先)、体感的には上の2製品より明らかに重いラケットでした(詳しくは後述)。そこで何時もの簡易バランス測定をしてみると、釣り合うポイントがTour90より10mm近く先端にありました。それだけ違うと体感重量が違って当然でしょう。

試打レビュー

先ず打感は評判通り柔らかく、球持ち感もかなり有ります。全体のしなり感は別として、球持ち感やヘッドの撓み感だけで言えば薄ラケであるPro stuff Tour90より柔らかいかも知れません。

ただしスイングウエイトは上述の通り、Tour90より明らかに重く感じます。よって、トップスピンを掛けるには手首への負担感が大きく、自然とフラット系のボールが中心になります。実際フラット系で分厚く当てればドスンドスンと重くて強いボールが打てます。その意味ではTour95と非常に似てると思いました。

単純に飛び・パワーという点では、同じヘッドスピードならTour90より上だと思います。ただ、厚ラケほど飛ぶわけではないのに、スイングウエイトが重いので結構シンドい部類に入ります。だからTour90の方が、パワーそのものはあまりなくても、ヘッドスピードを上げられ取り回しも良いので全般的に楽に感じます。

スイートエリアについては、ボールをリフティングするとウリ文句通りフェイスの先端部分に広がっているのが判ります。ストリングパタンも先端部分が密で、手元部分は横糸がない領域がかなり広いです。だからフェイスの中心から少し手元の方に外すだけで、(左右方向では中央でも)打感が硬くなり「スイート」ではなくなります。

実際にコートで打つと、通常は上述の通り柔らかい打感ですが、時々ビリビリと硬い振動が伝わってきます(ただし方向性と球威はあまり毀損しない)。これは多分、私の癖で普通は先端で捉えているが、時々手元に外していると言うことでしょう。別の言い方をすると、先端にスイートエリアがあるラケットはサーブが打ちやすく逆にボレーがし辛いのですが、このラケットもそれに該当します。

良く似たキャラクタのPrinceのTour95と比較すると、第一印象ではCX200Tourの方が若干軽く感じましたが、打ち続けるとやはり重々しい事に変わりないですね。打感も何方も柔らかいのですが、ダンロップの方がより粘っこく、プリンスの方が僅かながら軽快で率直な気もします。特にダンロップはフェイスの手元で打つと急に硬い打感になるのに対し、プリンスはそれほど極端な差は無かったように思います。

考察

ソフトな打感(球持ち感)と重々しさはセットという構造的な法則でも有るのでしょうか?その球持ち感自体が重々しさを多少助長しているかも知れませんが、素振りだけでも重々しい(スイングウエイトが重い)のは一体どういう訳でしょう?

これまでは自分の薄ラケに近づけようと、今のラインナップの中では最も薄いフレームで、ソフトな打感と球持ち感を謳う製品を求めてきました。しかしそうした製品より、打感が非常に硬いけどトップライトで取り回しの良いVcorePro97の方が比較的好印象だった事を鑑みると、私にとって重要なのは打感よりもウェイトバランスがだと気づきました。だから次回は薄ラケとかツアースペックに拘らず、ウェイトバランス重視で試打ラケットを選んでみたいと思います。

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