Yonex VCORE 100 20182019-03-03
前回、CX200のレビューの最後に書いたように、今回は打感よりも重量配分を重視して試打ラケットを選ぶことにしました。
今まで試した中ではVCORE Pro97が一番トップライトな感じで扱いやすかったので、同じヨネックスでProが付かないVcore95/98/100に着目しました。持った感じはどれも軽めでしたが、フレーム厚は100がダントツで分厚いです。中間的な98は生憎貸出中だったので95か100かで迷いましたが、フレームが薄い95はPro97のように硬い打感を連想させるし、偶には厚ラケ然としたラケットを試すのも良いかなと思って100を借りることにしました。
スペック
先ずはいつもの毎回行が増えていくスペック比較表ですが、今回は初めて他と違います(^_^;)重量は軽めでバランスはトップライトな所謂「黄金スペック」というやつです。
製品名 | 重量 | バランスP | フレーム厚 | 重量(実測) |
---|---|---|---|---|
Vcore 100 | 300g | 320mm | 24/25/22mm | 323g |
CX200Tour | 310g | 310mm | 20.5mm | 333g |
Vcore pro 97 | 310g | 310mm | 20.0mm | 328g |
Prince Tour 95 | 310g | 310mm | 22/22/20mm | 336g |
Pro Staff 97CV | 315g | 310mm | 21.5mm | 330g |
Pro Staff Tour 90 | 315g | 315mm | 17mm | 336g |
今回張られていたガットは、TOALSON ICHIBAN127 というもので、テンションは50ポンドとなっていました。
バランスポイントはいつもの簡易測定で私のTour90より13mmほど先端にありました。典型的なトップヘビー(正確にはボトムライト)ですね。
試打レビュー
先ずビックリしたのが、厚ラケなのに打感が柔らかいということです。中厚で柔らかいCX200Tourや95Tourと比較しても良い勝負で、キンキン硬かったVCORE Pro97とは比べるべくもありません。振動的に柔らかいだけでなく、食いつき感もあるのでコントロール性も良好です。キンキン弾くという厚ラケのイメージを覆しています。
それなのにパワーは厚ラケらしく強力で、しっかり当たれば情け容赦の無いマッシブなショットが打てそうです。一方、当たりが悪い時でも、面の方向が合っていればそれなりに返球出来てしまうイージーさもあります。自分のTour90に持ち替えるとまるで板でボールを打ってるようで、クラシカルなラケットだと初めて感じました。
とは言えTour90でも、真芯で捉えればVcore100と遜色ないパワーと、近年のラケットでは味わえないソフトな打感としなり感が得られます。しかし大半のショットは微妙に芯を外してるわけで、その場合のパワーと安定性はVcore100が明らかに勝ります。要はスイートエリアが広いのでアベレージパワーが上がるという事でしょう。軽さと食いつき感と広いスウィートエリアが相まってトップスピンもガンガン打てます。これは今まで借りた他のラケットでは感じなかった事です。
ただ軽いと言っても手元が軽くて先端が重いバランスなので(ボトムライト)、調子に乗って振り回してるとヘッドが走りすぎてしまい、ちょっと手首が痛くなってしまいました。このあたりは個人的に黄金スペックに馴染めない部分で、スピンよりフラット系でドスドス打ち込む方が適してると思います。でもTour90やPro97のボトムヘビーなバランスの方が思い切って振り回せるし、逆に繊細なコントロールもやりやすいと思うんですよね。
ボレーは打ちにくいわけではないですが、ストロークほどイージーではないし、サーブもフラット系は良いけどスピンサーブは勢い余って打ち辛いようい思います。もっとも振り回し過ぎないスウィングを意識してそれに慣れてくれば、サーブについては順応出来そうな気がします。それに、フラット系のサーブが決まった時の「パキン!」という甲高い音は、凄いスピードが出てそうでテンションが上がりますし、相手を音で威嚇できそうです(^^)
考察
厚ラケ=高剛性=打感が硬いと思い込み、ソフトな打感(球持ち感)を求めて出来るだけ薄いラケットを探していた私の苦労は一体なんだったのでしょう?実はヨネックスのサイトでは、VcorePro97のように薄いラケットほど硬いという表示になっていたのですが、理屈に合わないと思って無視してました。でも実際はヨネックスの表記が正しかったようです。
Vcore100が厚ラケなのに打感が柔らかい理由は、ライナーテックのお陰でしょうか?これはフェイスの外側にある縦糸が、通し穴で出来るだけ方向を変えないように、フレームに対して斜めに通し穴を開ける技術らしいですが、それによってガットが動きやすくなっているのでしょう。そう言えばVcoreProにはライナーテックは採用されていませんね。逆にロックブースターというガットを動かなくする技術が採用されているので打感が硬いのかも知れません。
Vocore98ならライナーテックが採用されているし、バランス的にも100より手元ヘビーなので期待が持てます。人気があるのか何時も誰かが試打していますが、チャンスが有れば次はこれを試してみましょう。