昨年からずっと試打して気に入ってたけど、高くて買えなかったGrinta100。2022年中ごろからアマゾンや楽天でガット込み16,900円になり、年末には12,900円になっていたので遂に購入しました。
サービスガットは標準装備のサニーコアではなく、何故かトアルソンのゴールド1.30㎜でした。テンションは縦横50ポンドで注文しました。
因みに、ラケットにはGrinta100とプリントされているだけで、Liteという表記は無く、重量とバランスポイントが表示してあるだけです。これは、本家スノワート ではGrinta100 LIteというモデルは存在しないので、多分このスペックのものを日本ではLiteと呼んでるだけでしょう。
スペック
バランスを測ってみると、僕の試打史上最もトップヘビーな340㎜でした💦重量は最軽量のひとつ300gでした。ノーマルのGrinta100は勿論、最初はトップヘビーに感じたBlade98S V7よりも明確にトップヘビーです。勿論これはスペックだけでなく体感上も明らかです。もっともこれはオーバーグリップを巻いていないのと、ガットが太めなのも若干影響してると思います。
※ オーバーグリップテープ無し。
尚、グリップが思ったより太かったので、加工して細くしました。詳しくはこちらのページ をご覧ください。
壁打ちレビュー
今の所壁打ちしかしていませんが、軽くレビューをば。
バランスはやはりトップヘビーでやや鈍重さが残るものの、重量がかなり軽いので十分扱えます。
打感は気温の低さのせいかガットのせいか、昨年夏にスクールで試打した時のような吸い付くような柔らかさはありません。とは言え十分柔らかい打感だしホールド感があるのでコントロールし易いです。しっかり押し出すスイングが出来るので、パワーも出るしスピンもちゃんと掛かってると思います。
ストロークにしろボレーにしろ「昔はこうだったよなあ」という感覚が蘇り、自然に手が順応します。特に恩恵を感じるのは元々得意だったバックハンドスライスです。ちゃんとボールを掴んで押し出す事が出来るので、ボールが浮かないパワフルなスライスが打てます。
これに比べるとBlade98Sは何と硬く、キンキン弾いてしまう事か。特に今張っているポリツアーREVは猛烈にパワフルなので、ホールド感を得る前にぶっ飛んでしまいます。次にガットを張り換える際はナイロンに戻すと思いますが、それでもGrintaの柔らかさやホールド感には及ばないでしょう。
軽量ヴァージョンのGrinta100 Liteをスクールで試打してから約一年。ようやく通常バージョンのGrinta100の試打ラケットがあるショップを見つけ、借りる事が出来ました。
外観
Blade98sと重ねて見ると一回り大きいフェイスですね。通常、100平方インチと98平方インチでは見た目も大差ない事が多いのですが、今回は面積が2%しか違わないとは思えない程差が有ります。
横から見た厚みの差も結構あります(写真ではわかり難いですが)。Blade98Sはスロート部分はソコソコ厚いですが、リム部分が薄いので差が顕著に出ます。Grinta100は先端から手元まで中厚ですね。
スペック
Grinta100の4つの仕様と他社の黄金系ラケットと比較しました。今回のGrinta100はスペック上は黄金スペックよりも5g重く、5㎜トップライトですが、実測では重量はほぼ同じで、バランスだけトップライトでした。
やはりスペックと実測の乖離の仕方はブランドによって異なりますね。他社製品の重量がスペックと実測で20g程違いますが、ガットの重さは15gもない筈。何時も言うように「黄金スペック」として売るための数値だと思われます。その点、スノワート(15gの差)には黄金スペック信仰は無いのか、比較的正確な値を出してるようです。
試打レビュー
先ず軽く振ったところ、スペックの割にはやや鈍重な感じがしましたが、打っているうちに気にならなくなりました。自分のBlade98s V7 に持ち替えて比較すると、矢張りGrinta100はトップライトだという事が判ります。
ただトップライトだから振り抜きが良いかというとそうでもないです。空力的な面でBlade98はリム部分が薄いので、特にストロークのトップスピンの縦振りがし易いですが、Grinta100は中厚なのでそれなりに空気抵抗が有ります。とは言えこれは完全な薄ラケと比較した場合の話であり、Grinta100も中厚系の中では縦振り抵抗が少ない方だと思います。
それより一番意外だったのは打感です。勿論、Blade98sと比較すれば遥かに振動はマイルドですが、昨年打ったGrinta100 Liteと比較して何故か硬い気がしました。通常、同じラケットの通常版と軽量版を比較すると、通常版(重い方)の方が柔らかい打感になりますが、このGrinta100は逆に通常版の方が硬く感じるという不思議さ。ただ硬いと言っても腕に伝わる振動がキツイという硬さではなく、剛性が高くしならない硬さです。
張ってあるガットはセット販売のサニーコア(ナイロンマルチ+ポリコーティング)でテンションは45ポンドと低めなので、それが硬さの原因とは思えません。実際ハードヒットするとすっぽ抜けるように暴発するので、ナイロンにしてはテンションが緩すぎだと思います。
にも拘わらず、Grinta100の方がLite版より硬く感じるのは何故なのか?1年も前に打ったLite版の記憶が改ざんされてしまったのか?その辺を確かめるために、両方同時に試打できるウインザーラケットまで行って、交互に打ってみました(但し狭い室内の試打ルーム)。
そうしたら、本当にLite版の方が柔らかいんですよ。昨年スクールで打った時の感覚が蘇ります。対してノーマルのGrinta100は特にスロート部分ががっちりした感じで高剛性です。普通ノーマルバージョンを軽量化してLiteバージョンにする時、フレーム手元側(内部)に付いている錘やフォーム(?)を抜いて調整すると言いますが、それだと打感は硬くなるはず。なのにGrinta100 Liteは硬くない(寧ろ柔らかい)のはカーボンフレームそのもの(例えばチューブの肉厚を薄くしたり?)を変更したんでしょうか?
理由は良く判りませんが、しなり感という意味ではGrinta100 Liteの方が僕の好みです。一方、スウィングウェイトは両者粗同じに感じたので、トップライトでやや重めのノーマル版の方が好みです。この辺はその人の好みで選べばよいのですが、剛性感の違いも含めて打つ人によって感じ方が違うかも知れません。結局、自分で試打して決めてくださいという何時もの結論になってしまいますね💦
振り抜きが悪いとレビューしたVcore pro 100 ですが、店頭で少し持ち比べてみたら此方の方が大分振り抜きが良く、バランスもトップライトに感じたので試打してみました。
概要/スペック
Vcore pro 97
Vcore pro 97
フレーム断面は100と同様、スロートからリム全体が粗同じサイズのボックス形状でした。ただ厚みは21㎜と言う割には厚めに見えました。フェイスの形状を僕のBlade98Sと重ねて比較してみたところ、縦横の長さはほぼ同じでVcore pro97の方が角張ってるので四隅が出っ張っています。という事は面積はBlade98より大きくないと辻褄が合いませんね(;’∀’)
使用ガットはアスタポリ125。テンションは48ポンドでした。
カタログスペックは重めでトップライト。実測重量も331gと重く、バランスは319mmとトップライトな部類です。今気付いたんですがこの実測値はVcore98と全く同じですね。しかし記憶を辿ると、Vcore98の方が重い印象が有りました。
試打レビュー
先ず振り抜きですが、コートでちゃんと振ってもVcore pro100より明らかに良いです。スイングウェイト感はよりトップライトながらより重いので100と同等でしょうか。SX300Tour やVcore98 より若干軽いですがEzone100 2022よりは若干重いと言ったところ。前作のVcore pro97と比べると、後期型(紺に金)と同等の重量感ですが、前期型(紺にオレンジ)と比べると明らかにトップヘビーで重々しいです。
さて、打った感想としては確かに非常に柔らかです。これはフェイス/リムが撓んでるとかスロートが撓っているというよりも、ラケット全体が柔らかい感じです。かなり硬く感じた前作の前期型と比べたら勿論の事、少し柔らかくなった後期型と比較しても明らかに柔らかいです。
ただ如何せん飛びません💦 これで僕のPro stuff tour 90くらいスウィングウェイトが軽ければ問題無いのですが、この重さでこの飛びは正直しんどいです。この後、Blade98S V7で打ってみるとカンカン飛ぶ感じがしましたw
このラケットが合うのは、かなりパワーがあるけど持ち球がフラット系で、暴発を防ぎつつタッチは出来るだけソフトなのが良いという人でしょう。最近までウッドラケットを使っていたという人に良いかも知れませんw
ダンロップのCXシリーズは何種類も試打してきましたが、SXシリーズは今回が初めてです。
ただラケットショップで他のラケット(Blade98 v8やピュアドラ、ピュアアエロ等)と持ち比べてみると、SX300はずっしりと重く感じました。一方、SX300Tourも重いですが若干振り抜きが良いように思いました。また、複数のYouTuberのレビューによると、今年のSX300は硬めでスピン向き、SX300Tourは柔らかくフラット向きとの事だったので、Tourを試打する事にしました。
概要/スペック
使用ガットはリンクス125というものでヘッドのポリガットのようです。テンションは50ポンドでした。
今回はスペックが似ているツアー系モデルとスペックを比較しました。実測重量とバランスも大体近い値になってますね。ただVcore95は実測の値通り、この中では明らかに軽く感じました。あとCX200Tourも数値の割には若干軽く感じました。
色は僅かに白っぽくマッドな感じなのでバナナっぽく見えました。一方黒い部分は真っ黒なのでコントラストが強すぎて黄色スズメバチか阪神タイガースみたい。
フェイスサイズは僕のBlade98Sと重ねて比較してみたところ(写真2枚目)、何と縦にも横にもCX300Tourの方がフェイスが小さいです。同じ98平方インチというスペックなのに実寸は全然違いますね。
試打レビュー
厚ラケ的なフェイスが撓むような柔らかさと、薄ラケ的なしなりが合体したような打球感です。そしてラケットの重さとしなりの戻りを生かして相当強力なショットが打てます。ストリングのテンションは50ポンドと、最近のポリのセッティングとしてはやや高めながら、打感的には遥かに緩いテンションで張ったかのように弾力性があります。これが縦横のストリングが動く方向を最適化したという新型グロメットの効果なのでしょうか?まあ重量的に高速縦振りは無理ですが、フラットドライブ的に押し出すだけで、スピンも十分に掛かった重い球が打てます。
しなり感や撓み感が強いだけでなく振動吸収性も良いようで、振動止め無しなのに痛い振動を殆ど感じません。ダンロップラケット定番のグリップ上部のゴムバンドは意外と振動止め効果があるのですが、試しに外してみても打球音が甲高くなるだけで手に伝わる振動はあまり変わりませんでした。他のラケットと比較すると、CX200 Tourと同等の柔らかさ。柔らかいと称されるClash V2やEzone100 2022より柔らかく感じました。
また、上の写真の通りBlade98Sより小さなフェイスにも関わらず、ミスヒットした時のブレは100平方インチのラケット並み、下手するとそれより小さく感じました。まあ重いラケットはブレが少なく実質的なスウィートエリアが広いものですが、それに加えて上述のグロメット形状がここでも効いてるのかも知れません。
スピンを売りにしたラケットというと、バボラの様にカチカチに硬いラケットを想像し敬遠していましたが、少なくともSX300 Tourにはそれは当てはまりませんでした。寧ろ最も柔らかい厚ラケと宣伝した方が良いと思います。ただ僕にとっては矢張り重すぎなので、特に疲れている時には打つ気が起きません(-_-;)
今回は一応これを持ってダブルスの練習に行き、最後の方でちょっとだけ使ってみました。既にかなり疲れている上に、これだけ重いと動きの速いダブルスではキツイだろうと思ったのですが、意外と打ちやすかったです。相手が中高年で球速が遅くバウンドしないせいもあるでしょうが、下手にエースを狙わず面を作って軽く押し出すテニスに徹すると、安定しかつ十分パワフルなショットが打てました。逆に自分から打って走らなければいけないシングルスの方が、こういう重いラケットは厳しいのかも知れませんね。
前作のEzone 100 2020モデルはしなやかでパワフルという素晴らしいラケットでしたが、新型はどうなったのか試してみました。
概要/スペック
今回は写真を撮り忘れてしまいました(;^_^A カラーはダークブルーになりましたが、個人的には前作の明るいブルーの方が好きでした。
ガットは柔らかくてあまり飛ばないとの評判のExel130が48ポンドで張ってありました。
スペック重量とバランスはお決まりの黄金系ですが、実測重量は他の黄金系と比べてやや軽いようで、体感上のウェイトも軽く感じます。
新旧で実測値がほぼ一致するので、これがEzone100の設計値でしょう。工作制度が非常に高いとも言えそうです。
試打レビュー
ストロークをしてまず感じたのは、ボールの軌道が高く良く飛ぶという事です。今回は壁打ちだけなので相手のコートの何処に落ちたか判りませんが、左程スピンを掛けた打ち方ではないのにポンポン弾いてしまうような感触だったので恐らくベースラインオーバー連発でしょう(;’∀’)
打感は一見新型Vcore pro 100と似たしっとり系ですが、何故か試打ラケットに立派な振動止めが付いており、これを外してみたら意外と硬くシャキシャキした打感でした。旧モデルは振動止め無しでも柔らかな感触だったので、新型は明確に硬くなってると思います。硬い分、エネルギーロスが少なく反発力があるんでしょうが、少なくとも僕の好みは断然旧型の方です。
旧型は軽く打っても撓る(撓む)手ごたえがあってパワーもある反面、分厚くハードヒットした時に撓り代を使い切ったかのように硬く感じる事がありました。今から考えるとこの特性は、軽く打ってもヒョロヒョロにならず、強く打っても頭打ちで暴発を防ぐという、ロバスト性が高い設計と言えるかも知れません。
振り抜きはBlade98程良くはないものの、新型Vcore pro 100より明らかに良く、スピンサーブも打ちやすいと感じました。振動止めを付けた時のしっとりとした打感は新型Vcore pro 100と似ているので、それなら振り抜きが良い分新型Ezone100の方が良いなと当初は思いました。ただ良くも悪くも鈍い感じで抑えが効くVcore pro 100に対して、ボールの軌道が思いのほか上がってしまう新型Ezone100はフラットドライブ系の僕には向いてないと思います。
何より、旧型Ezone100と比べてしまうと僕にとっては残念な変化になっていました。実は昨年、ネットショップで旧型のセールを狙っていたのですが、夏には品薄になってしまい逆に値上がりしていました。逃がした魚は大きいバイアスもあるでしょうが、旧型は多くのレビュアーの評価が高く売れ行きも大変好調だったのに、2年と言う短いスパンで恒例行事のようにモデルチェンジをする意味が判りません。後で聞いた話では、Yonexは現行モデルの生産を早めに終えるそうそうですが、売れ続ける限り同じモデルを継続した方が利益が大きいと思うのですが。何れにしろYonexのラケットは、気に入ったモデルがあれば発売後1年以内くらいで買った方が良さそうですね。
もう半年以上前に試打していたのですが、レビューをサボっており遅くなりました。
前作2018モデル(マイチェン?)は97インチモデルをレビューしましたが、今回は評判の良い100インチモデルです。
概要/スペック
Vcore pro 100
使用ガットはアスタリスタ125、テンションは50ポンドでした。
そして何時もの重量とバランスの実測ですが、計測はしたはずが何と記録した紙を無くしてしまい、記憶もしていないので今回は無しです。
試打レビュー
実は前作のVcore pro 100はウィンザーラケット梅田店の小さな試打ルームで打った事がありますが、滅茶苦茶硬かった記憶が有ります。
ところが今作は打って変ってとてもソフトでホールド感がありました。またミスヒットしてもブレにくく、ねっとりとした安定感があります。パワーアシストも適度にあり、またあまり擦らなくてもホールド感である程度スピンが掛かるので、フラット気味に打っても暴発しにくいと思います。打たれ強く安定した実践向きのラケットという感じです。
ただ全般的に何とも鈍いというか重々しい印象が拭えません。と言ってもとりわけ重量が大きいとか、トップヘビーな訳ではありません(実測データは無いけど持った感じとして)。そこでふと、自分のBlade98Sに持ち替えた時に原因が判りました。Vcore pro 100は明らかに振り抜きが悪いのです。記憶を辿れば同じ100インチののEzone100やVcore100と比べても振り抜きが悪いと思います。
考えてみればこのラケット、所謂ボックス形状なのに分厚いフレームで、しかもその断面形状がスロートからリム全域に渡って殆ど変わりません。という事は縦振りした時は板が風邪を受けてるような状態になるので、空気抵抗がかなり大きい筈。普通の厚ラケなら場所によって厚みが様々で、例えばリムの中間部分はが最も分厚く、ラケット先端とスロート部分に近づくにつれて細くなったりします。断面形状も楕円やおにぎりのような形で縦振りでも左程空気抵抗が増えないようになっていると思いますが、このVcore pro 100にはそうした工夫が見られません。
勿論、横振り(フラット)なら逆に空気抵抗が少ない方向です。それにあまり縦振りをしなくても、上述のようにホールド感でそこそこスピンが掛かるので、持ち球がフラット系かつスウィングが比較的コンパクトな人ならフィットすると思います。ただ、問題があるとすればスピンサーブですかね。相手のボールの威力を使う事が出来ない上、頭上で高速で擦り上げないといけないので。