ポジション/足つき/取り回し
足つきは従来どおりとてもよく、殆ど原付スクーターの感覚。
ポジションはハンドル位置が相対的に高めで幅も広いOFF車風味。Dトラなどのようにもう少し絞っても良いかも。
おそらく一番問題なのは、シートとステップの距離が短いため膝が深く曲ること(セロー系の伝統)。1時間も乗ると足がだるくなりそう。
パワートレイン
08から新たにインジェクション仕様になって登場したエンジンだが、数年前に乗ったキャブ仕様の記憶との比較では、全くと言って良いほど差は感じられなかった。
低速では柔らかな振動だが、今回初めて100km近く出すと、エンジンはガーと唸ってしんどそう。
ハンドリング/乗り心地
跨って車体を揺すると、僅かな力でフワフワとストロークする非常に柔らかなサス。最近のD-trackerXやWR250Xの引き締まったサスと比較すると、差は顕著。
乗り心地が良いのは良いが、体重70キロのライダーが乗ると姿勢変化がちょっと大きすぎる。特に高速域では(と言っても80km/h位から)車体がフラフラと不安定で、時々リアタイヤが滑って蛇行しているような感じになる。
総合評価
06試乗会のタイトなパイロンコースでの印象は良かったが、一般道の移動の道具としては若干プアー。ポジションと言い、高速でのふらつきと言い、セローの悪しき伝統を受け継いでしまっている。
「セロー3兄弟のなかではXTが一番引き締まっている」と雑誌で読んだことがあるが本当かな?少なくとも今回乗ったマシンの印象は、エンジン的にも車体的にも快適なのは70km/hまでと言う意味で、残念ながら昔のセローとあまり変わっていなかった。(ただし、フロントタイヤのグリップ感は全然良くなっているが)
今年モデルのホワイトカラーは個人的には好きだが、エンジンに殆ど差が無いことを考えると、値下がりした昨年モデルの方がお買い得だと思う。