イントロ
コロナ禍であらゆる試乗会が中止された事もあり、かなり久しぶりのインプレになってしまった。
だからという訳ではないが、今回は大注目の新型PCX(4代目)。個人的には160が気になっているが、何処にも試乗車が無いので(ドリーム店にも中々入荷しないとか)取敢えず125版の普通のPCXに試乗した。
尚、短命に終わった3代目はついに一度も試乗できなかったので、比較対象は自分の2代目PCX150。
ポジション/足つき/取り回し
ポジションは勝手知ったるPCXそのもので、非常にコンパクトかつリラックスできる(ただ力は入らない)。敢えて違いを探せばシート高に対して、ハンドル位置が僅かにや低く感じた。
パワートレイン
驚いたのは動力性能。街中での加速感は、ぶっちゃけ僕の2代目PCX150と殆ど変わらない。2代目PCX125だと150より明らかに回転を上げないと同じ加速は出来なかったが、新型125は静かなまま150と同等の加速をしてしまう。唯一違うとすれば登坂の加速感は2代目150の方がやや上かな。
排気音はそれなりにポコポコと聞こえるが、エンジン音自体はとてもなめらかで静か。これと比べると僕の2代目150はガーガーと硬質なサウンド。勿論2代目125とは雲泥の差。
ハンドリング/乗り心地
3代目PCXからフレームが強化され乗り心地が向上したという事だったので期待していたが、ギャップでは意外と突き上げがあった。乗り込んだ時にスッと沈むし良路では快適なので、サスの初期ストロークは柔らかなんだと思う。ただそこから先が急に硬くなるようで、荒れた路面だと結構突き上げて来る。その点、大分角が取れた僕の2代目はあたりこそやや硬いがギャップでは若干マシ。当たりが柔らかなのはシートも同じで、新型は僕の体重だと最初からヘタッた感があるが、これは硬い2代目のシートに慣れてるからであって、この種のバイクとしては普通かも知れない。
ハンドリングは慣れ親しんだ率直さだが、重心が若干高いというか割とパタッと寝る感じ。セルフステアは弱めで逆ハン感が少しだけあり、それがパタッと寝る感じに繋がってるのかも。とは言えこれは完全に慣れの問題だろう。というのは数十分の試乗の後、自分の2代目に乗り換えたらなんか違和感があるハンドリングだったから。
あとブレーキの効きはけた違いに良くなった。勿論ドラムからディスクになったリアブレーキの効きは良いんだろうけど、フロントを含めた全体的なストッピングパワーが全く違う。2代目なんて前後ドラムか?と思う程効かないから(;'∀') 尚、新型の純正タイヤはミシュランのシティーグリップで、確か3代目も同じ。僕の2代目はとっくにリプレイス用タイヤに履き替えてるが(当然今回の比較もこのタイヤで)、純正は悪名高きIRC。それに比べたら新型の純正タイヤはグリップもハンドリングもそして恐らくライフも断然上等。
電子制御
新型は(3代目もか?)スマートキーなので、キーを持ってさえいればレバーを捻ってOFF-トランク-ONにに切り替えるだけ。2代目のように鍵穴の蓋(盗難防止用)を先ず穿って、それからキーを差し込むような手間がかからない。
ただ欲を言えば、クルマのようにキーを持っていればスタートボタンを押すだけでエンジン始動だともっと便利。ただそうなるとトランクのロック解除も車のようにキーを持って近づいたら自動解除にしないといけないのか?
総合評価
インプレを書きながら思ったのだが、エンジンにしろシャシにしろ、今回の進歩は3代目から既に達成されていたのだろうか?残念ながら3代目には乗った事が無いので確認しようがないが、まあ全く一緒という訳ではないだろう。ただ少なくとも僕が知る範囲で言えば、3代目から4代目への最も大きな進化はスタイルだと思う。言っちゃ悪いけど3代目のスタイルは意味が判らない。無駄に目が長く造形がヌメヌメしすぎていた。
そこが改善された今回の4代目は最早無敵としか言いようが無い(乗り心地は若干気になるが)。価格はなんでこんなに高いのか?と最初は思ったが、125にしろ160にしろ性能や上質さから言えば完全に一回り上のクラスだと思う。そう考えればかなりコストパが良いバイクではなかろうか?