イントロ
前回は商用車のAGS仕様に乗ったが、今回は乗用車のCVT仕様に乗ってみた。グレードは最上級のXで見た目は派手だが、パワートレーンはその下のSと同じ。
車体の特性などは基本的にバンと同じなので、そちらのインプレも参照してくだされ。
居住性/ラゲッジ
昨今の軽としてはノーズがシッカリあるデザインなので、室内は狭めかと思ったが意外と広かった。バンはともかく乗用車の後席空間は十分。グラスエリアが従来のアルトやワゴン系より狭いので、軽独特の開放感・見下ろし感は無いが、普通車の2BOXやセダンと同等の尋常な包まれ感だ。
因みにエンジンルームを開けたら、思ったほど前後に広くはなかった。角ばったスタイルに惑わされるが別段ロングノーズでもなく、今風の室内空間重視のパッケージングのようだ。
パワートレイン
軽量ボディーを活かして低い回転をキープするかと期待したが、出だしでは簡単に回転が上がるややルーズな普通の軽のCVTだった。もっとも全般的には、ワゴン系より回転が低く明らかに静か。
道が混んでいて80km/hのクルーズも出来なかったが、それまでの加速は昨今の軽としては優秀(N-ONEと同じくらいかな)。大雑把に言えば、ノイズは2割減、加速度は2割増しと言った感じ。
因みにディーラーのスタッフの話では、試乗車の燃費計を比較すると、乗用車のCVT仕様の方が、商用車のAGS仕様より若干好燃費だという。これは恐らく、試乗コースがストップ&ゴーの街中なのでアイドリングストップ(AGSには付かない)が効いていると思う。しかし、定常走行中心ならAGSの方が好燃費なのではないだろうか?
ハンドリング/乗り心地
基本的にはバン仕様と同じで、比較的落ち着いたハンドリングと乗り心地。敢えて違いを探せば、タイヤの違いからかゴツゴツ感が少ないような気もする。
ただバンもそうだが、全般的に曖昧というか大味なハンドリング。何と言うかカッチリした節度感や剛性感のようなものが足りない気がした。と言っても軽って皆そうなんだけど、軽さゆえのシャープさみたいなものが欲しくなる。
総合評価
乗用車のAGS付(Fグレード)がディーラーに無いので、CVT仕様に乗ってみたが、やっぱりAGSの方が個人的には良かった。
CVTでも普通の軽よりは低回転で静かに走れるし燃費も良さそうだが、フィーリングとしては特徴がない普通の軽。それがAGSならダイレクトなレスポンスが味わえるし、軽量ボディーを活かしマニュアルモードで低回転&ワイドオープン走行も可能。そういう意味では、上級グレードにもAGSを設定して欲しかった。