ポジション/足つき/取り回し
これもやはり以前と同じで、大型な見た目から予想するより足つきはマトモ。シートの表皮が滑り防止のシボがついたようだが、新旧並べて比較しない限り判らないだろう。シートの形状や硬さも恐らく同じだと思う。
パワートレイン
昨年までのNC700Xと比較して、先ずエンジンのゴリゴリ感/バタバタ感が増しているのを感じた。排気量アップに伴いハイギアード化されているため、使っている回転数が更に下がっているというのが大きいと思う。
というのも、試乗会では終始30km/h台というスーパースロー走行(偶々前のライダーが遅いのではなく、マーシャルの先導が遅い)だったため、回して加速するなんて状況が皆無だった。それに加えて、超燃費重視なDCTのプログラムが、何と30km/h強で3速に入れてしまうので、本当にアイドリング回転(多分2000rpm弱)付近の走行だった。
よって、ツーリングどころか街乗りでのエンジン特性すら不明という情けなさ。アイドリング走法に限ったインプレでいうと、2軸バランサーを採用した回転のスムーズさは全く体感できず、50cc強の排気量アップの効果も判らなかった。違いはギア比アップ→回転数低下(あるいはボアアップに因る振動の違い?)によるゴリゴリ感の増加くらいだ。
ハンドリング/乗り心地
当然ながら、ハンドリング特性は700時代と変わらず、低重心による安定感と軽快な倒しこみだった。
乗り心地もまた良くも悪くも変わっていないと思う。LDではない普通のXなのでNCシリーズの中ではサスストロークに余裕があるが、僕が跨った状態(1G')からさらに奥のストロークはさほど感じられず。これがSだったら、以前と同様に突き上げ食らうと思われる。
総合評価
新旧モデルの変更点は、細かな装備を別にすれば、排気量アップと2軸バランサの採用だろう(旧モデルは1軸)。ボアアップで製造コストが上がる事はないし、トルクアップの効果もバランサ追加によるフリクションの増加でほぼ相殺されるのはなかろうか?
という事は、実質的な差はバランサの追加に因る振動低減の効果ということになるが、これが価格7万円の価格上昇に見合うかどうかだ。今回のようなアイドリング走法では違いが判らなかったが、公道で乗って回転フィーリングがずいぶん違っていたという人も居るから微妙なところだ。僕もまた気が向いたら、ドリームで試乗させてもらうかも知れないが、それまでに興味が無くなってりまう可能性も・・・
ところで、世の中には自分の持ってるものの新製品が出ると気になって仕方ない人がいるようで、デジカメなんかがほぼ毎年(ヘタしたら毎半年)ちょっと目先を変えた新モデルを追加するのも、そうした心理を利用した商法だと思う。
でこのNC700から750への変更も、ホンダがそこまで意識したかは別として、結果的にそういう事態になりかけているようだ(NC700オーナーのブログを読むと)。勿論、新機種の初期に大きなランニンチェンジが続くのはある程度仕方ないし、多分今回の変更は成り行き上そうなっただけでさほど他意は無いと思う。
しかしこれに味をしめてではないが、年次変更でやるような改良を新機能と言ったり、あるいは持ってる技術をわざと小出しにして頻繁に「新製品」を投入し、価格も徐々に上げていくような考えはくれぐれも起こさないで欲しい。