ポジション/足つき/取り回し
GSR600と同じ車体なので400クラスとして大柄な方かもしれない。2回の試乗会それぞれで小柄な人が立ちコケするのを目撃した。
とは言え、Z750と比べるとシートは明らかに低く、足つき性や取り回しはXJ6やER-6と同等だと思う。ただこの2車より幅広な感じで、特にタンク周りにボリュームがありニーグリップでピッタリフィットする形状だが、かなり股を開くポジションになる。
上体はXJ6Nより僅かに前傾姿勢かも。ガラスに映った自分の姿を見ると、ハンドルバーが横に開いていて、ストリートファイター的なポジションだった。
パワートレイン
【8/30全面修正】低速回転ではウルトラスムーズかつスーパーマイルドレスポンスかつトルクや粘りもOK。
すこし開けるとクォォーーンと澄んだ音を出しスコーンと伸びて行く。トルクの上昇も伴うので速度の伸びはかなり良い。全体にフリクションが少なく生き生き回っている感じの非常に気持ちよい特性。ちょっと回すとガーガー騒がしい従来の直4とは一線を画す。
400クラスで比較すると、CB400SFより明らかにパワフル。中低速トルクはSV400と同等だと思うが伸びきり感は遥かに上。馬力規制がかかったGSRの08モデル以前には乗ったことがないが、おそらく別物に生まれ変わったのではないだろうか。
600クラスでは、最新で出来の良いXJ6Nや兄貴分のGSR600と比べても一回りトルクが細いかなと言う程度。それ以前のSSを除く600スポーツと同等の加速感。
絶対的なパワーはともかく、GSR400は回転がなめらなので「実際に出す気になるパワー」と言う意味で600と比べて遜色ない。
しかもこれで平成20年度排ガス規制をクリアしているのは凄い。昨今の排ガス規制でパワーダウンは当然のように言われているが、現在の電子制御技術を駆使すれば排ガス浄化とパワーアップそして燃費効率アップも可能だという見本。
ハンドリング/乗り心地
GSR600の強力なセルフステアがウソのような非常にナチュラルなハンドリング。フロントタイヤの挙動はシャープすぎず鈍すぎず、バンク途中に何処かで引っかかるような感じも皆無。
軽快なヒラヒラ系というよりはどっしり系のハンドリングだが、確かな接地感を伴いながら路面にピッタリ張り付いたようにコーナリングする。
特設コースのみの試乗なのでギャップは通過したことがないが、乗り心地はフラットでしなやかだと思われる。少なくともZ750のような突き上げはないだろう。
正直シャシ性能だけを見れば、実用重視のXJ6やER-6よりグレードが高いと思われる。ただし、幅180のリアタイヤは400にはオーバーサイズ。ルックス重視にしたってせめてワンサイズダウンして少しでも軽快感を出す方が良かったのではないか。
総合評価
馬力自主規制をやめて61馬力になったこの09モデルから、従来の400クラスの枠を超え、600クラスが比較対象になるくらいの素晴らしいパフォーマンス。
250クラスだと物足りないし、750以上だと持て余す。その点このGSR400は街乗りでは余裕がありながら、峠や高速ではパワーを使い切る感じを楽しめるだろう。本来のパワーを出し切れば、やはり400は日本の公道にジャストサイズなのかも。
その代り定価もXJ6Nより5-6万円高くなったが、実際には(スズキらしく)値引き幅が大きく、国内仕様だから諸経費も安いので、トータルで10万くらいXJ6Nより安くなるようだ。
シャシ性能を勘案すると、大型免許を持っていてもあえて400にする価値があると思える。
カワサキは明確に250クラスと大型バイクにポイントを絞る戦略のようだし、ヤマハとホンダもスクーターが加わる以外は似た方針のようだ。そんな中、スズキは一人400というニッチな市場に挑戦しているように見える。バイクはジェントルになったが、企業戦略は「漢スズキ」らしい一点突破型。玉砕しないように皆で応援しよう!