バイクインプレNEO by MCタイチ

バイク(&クルマ)試乗インプレ

RSS

Fit 13G (honda)

居住性/ラゲッジ

スタイルについては、顔がいかついとか従来モデルと違いすぎるとか言われるが、僕は昨今のホンダの中でベストの一つだと思う。居住スペースをMAXにしつつエアロダイナミクスも追求しようとすると、先代のようにボッテリしたスタイルに成りがちだが、新型はエッジを効かせてシャープさを出しつつ、なおかついかつ過ぎないという絶妙のバランスだと思う。

室内外の質感や佇まいも上質。従来モデルのシートは小ぶりで頼りなかったが、今回の新型はサイズも十分でしっかりしてた。ポジションも視界も問題なし。

エンジンルーム密度過大な昨今のFF車にしてはハンドルの切れ角があって、意外と小回りできた。もっとも、家のティーダのステアリングがあまりにも切れないからそう感じるのかも知れないが。

パワートレイン

さほど力強いわけでないが、1.3Lのアトキンソンサイクルにしてはトロイ感じはない。CVTの設定もN-Oneターボのように唐突ではなく自然。ただ、五月蝿くないのであまり気にならないが、回転数は結構上がってる感じだった。

スイフト1.2L DJEと比較すると低速域では同等で、50-60km/h以上ではスイフトの方が回転が伸びやかだと思う。ノートのSC付きアトキンソンと比べると過給中のトルク感は流石に劣るが、無過給(クラッチ切り)状態のパフォーマンスはFitの方が上だと思う。

当世お約束のアイドリングストップについては、先ずエンジン停止は何時起きたか判らないほどスムーズ。始動については、まだ充電が十分でない時には停止中に始動するのだが、その際は耳障りなクランキングノイズは無かった。しかし、充電が十分行われ、停止からブレーキを離した瞬間に再始動する場合は、カリカリと結構五月蠅かった。コンピュータが始動を焦ると五月蝿くなるとか?^^;

ハンドリング/乗り心地

走りだしてすぐ感じたのは、失礼ながらホンダらしからぬボディー/足回りの剛性感。スイフトには僅かに及ばないものの、かなり肉薄するしっとり・シッカリ感と静音性。マンホールなどの段差を乗り越えてもドタバタせず乗り心地よし。

ステアリングのタッチ(座り感)もホンダ車にしてはかなりシッカリ・しっとり。ただ、コーナーである程度舵角を与えると反力が不自然に変化する領域がある(ホンダらしさ^^;)。また、ワインディングでもノロノロ運転の時は良いが、ふとした時にフロントサスに剛性感が無いというか腰砕け感を覚えた。

総合評価

今回のフィットはエンジンバリエーションがどれも個性的。ハイブリッドでアクアやプリウスを追い詰め、アトキンソンではノートやデミオはアウトオブ眼中。直噴では通をうならせ、ゴルフ神話を崩壊させるかも。

まあ試乗した1.3Lアトキンソンのフィーリングとパワーはマアマアレベルなので、あとは実燃費次第で高効率か凡庸かが決まる。まあでも、メカ云々抜きで普通にコンパクトカーとして見た場合、Fitというブランド力の上にライバルを下回る価格だから、少なくとも商売的には無敵だと思う。残念ながらスイフトDJEは売上で全く歯が立たないだろう。

とにかく今回のFitには死角がない。技術的にもビジネス的にもホンダの危機感と底力を思い知った。

<前【スイフト XG DJE】  【Diavel】次>

Fit 13G に関するコメント

605

納車は10月下旬の見込みです。
今日試乗はせずチェックだけでしたが、LEDヘッドライト(三菱電機製)を選択しなくて正解かもしれません。プロジェクターなので横方向の照射範囲が狭すぎるように感じました(予想通り)。やはり三菱自動車のスーパーワイドHIDが最強ですね。

最近のホンダは気合が入っていますね。
ディーラーも今日は忙しすぎて猫の手も借りたいほどだったそうです。

MCタイチ

オプションでLEDヘッドライトがあるんですね。因みに試乗してイマイチだったら、予約のキャンセルって出来るんですか?ペナルティー無しに(^^;

しかし、今回のFit人気は凄いですね!僕の近所のディーラーも未だかつて無いほど混雑してました。実はHVに試乗しようと思って行ったのですが、試乗は2組待ちと言わたので、すぐに乗れる1.3Gに試乗しました。
また今度週末を避けてHVに試乗したいと思います。一方、1.5L直噴の方は展示してるディーラーすら殆ど無いですね(;_;)多分最も売れないと思われているのでしょう^^;

605

カメラのキタムラだとキャンセル料の心配無しで予約ができるらしいですが(むしろ店舗側ではその客の名で発注できるのでメリットと考えている)、車の場合は手付金を払う場合が多いですから、それがキャンセル料(その何割か?)になりそうですね。

元日産エンジニアの林義正氏が言っていることですが、歴史の浅い直噴エンジンはその資質はポート噴射よりも優れていると考えているが、現時点ではポート噴射の方が熟成されており、インジェクターの汚れなどで超長距離走行まで考慮するとまだポート噴射の方が優れていると。しかし、数年のうちに直噴はポート噴射に追いつくだろうとも予想しています。

確かに初期型GDIエンジンはインジェクターの汚れによる不具合があり(ハイオク指定の影響もあるかも?)、ディーラーでは定期的にインジェクションクリーナーをガソリンに添加するようにしていたそうです。

MCタイチ

GDIエンジンが出た時、僕は三菱の本社勤務でしたが、岡崎に研修に行ったのを思い出します。まあ、理屈の上では凄いけど実際には…?という技術の典型でしたね(*_*;
リーンバーン運転出来る領域はかなり限られており、実燃費は大して良くないばかりか、高負荷時にはかなりリッチに燃料を噴くので、乗り方よっては普通のクルマより大食いだったとか。その上、ススやインジェクタのつまりなど、直噴エンジンの典型的な不具合を頻発して撃沈。

三菱に出遅れて焦ったのか、直後にトヨタも直噴エンジン(D4?)を出しましたが、あれもいつの間にか消滅しましたね。ただ、直噴は歴史が浅いと言いますが、ディーゼルでは昔からあるし、今はデンソーの誇るコモンレールインジェクタもあるわけですから、もうそろそろものになっても良いのではなかろうかと。という訳で、今回のホンダの直噴は注目しています。

605

GDIエンジンの開発では原因不明の失火でかなり苦労したそうですね。
確かにディーゼルの直噴化の方がかなり早かったのですが、やはりガソリンは違うということでしょうか。
GDIは直噴とリーンバーンを一緒に開発してしまい、ダメだったのはリーンバーンで直噴はこれからも期待できるということでしょうね。

しかし、林義正氏によると現役時代にレース専用エンジンでも富士スピードウェイの直線でリーンバーンで燃費を稼いでいたそうです。

MCタイチ

失火も結局インジェクタの詰りによるものですよね? GDIの売りはリーンバーンであり、そのために直噴を採用したようなものです。一方昨今の直噴は、VWのように過給+高圧縮比を実現するのが狙い。で今回のホンダの直噴は高圧縮比に加えてリーンバーンも狙ってる?

605

今だから言えることかもしれませんが、初期の直噴は成層燃焼を導入していて、燃焼のムラがあり排ガス中のカーボンがどうしても多くなったようです。
失火は開発段階のことですから、インジェクタの詰りなら開発エンジニアは当時でも気付いていたと思われます。だから原因がわからず苦労したようですね。

今回のFitの1.5Lエンジンは、まだ詳しいことはわかりませんが基本的にストイキ燃焼で、ピストンにキャビティ(窪み)が設けられているそうです。

MCタイチ

なるほど、開発段階のインジェクタが詰まる前の話ですね。リーンバーン=成層燃焼ですから、着火しないのは筒内で噴射された燃料が点火プラグ付近で上手く拡散してくれないからでは?そこで、ピストンに設けたキャビティーでスワール流(?)を発生させるみたいな。

そう言えば、リーンバーンするとNOx触媒が必要になるんでした。だから今の直噴は仰るようにストイキ燃焼でしょうね。少なくとも大半は。フィットの直噴エンジンはホンダのサイトでも殆ど説明がないし、メディア向けの資料もあまり見当たらないんですよね。なんでもっとPRしないんだろう?

605

その直噴エンジンですが、モーターファン別冊「フィットのすべて」には「吸気側に可変角45度(1.3Lは47度)の油圧ベーン式VVTを採用しており、高回転カムの中低負荷領域では、吸気弁遅閉じによる絞り損失低減効果を利用」とあります。
低回転カムではどうなの?と気になりますが、これはプチ・アトキンソンといえるかもしれません。

以前にも書きましたが、これをオットーとアトキンソンのハイブリッドサイクルというのは無理があるかもしれませんが、過給やモーターアシスト無し等で、加速を良くするにはコストがかからずいい方法ではないでしょうか。

MCタイチ

吸気弁遅閉じならアトキンソン(ミラー)サイクルですね。高回転・低アクセル開度で大きくなるポンピングロスを、これで抑えるという理屈は解ります。この書き方だと、低速側は普通にオットーサイクル(拡張比=圧縮比)でしょうね。
ポンピングロスを抑える方法は他にEGRがありますが(Fitではやってないのかな?)、元々付いてるVVT(内部EGRなら出来る)だけで済めば確かにコストダウンになりますね。僕も今度「フィットのすべて」を読んでみます(^^)

コメントする

お名前:

コメント:

※スパム対策:MCタイチが現在乗っているバイクは?"PC"

※Facebookアカウントでのコメントは中止しました。

最近のコメント[RSS]

▲Page Top