ポジション/足つき/取り回し
心配された足つきは思いのほか良く、DRZ-400SMと大差ないレベル。ただしこれはサスの設定で車高を2cm下げた結果だと後でわかった(車高ダウンキットなどは必要なく、リアサスのリンク調整(要分解)とフロントフォークの突き出しによるもの)。
後日、ノーマルサスに跨って見ると、何とか両足のつま先が着く。喩えて言えば、08KLXと同じくらいか?
あとちょっと気になったのは、停止時に足を出したとき、ステップが丁度足に当たる位置にあること。また、シートはかなり細いので、お尻が痛くなるかも。
パワートレイン
排ガスと騒音規制によって、パワーダウン必至と言われる最新の250クラスの中にあって、想像以上にパフォーマンス高し。と言っても高回転型ではなく、低速から力強く加速し、速度の乗りは他の250単気筒を凌駕する。
一方、高回転域でもレブリミットが12,000rpmと言うだけあって、頭打ち感はなし。タコメータがないのでどの位回したかは判らないが、別段頑張らなくても100km/hくらいさらっと出る。不思議なことにその時の速度感があまりなく、むしろZ750の方がスピード感がある。
DR-Z400SMと比較すると、むしろDR-Zの方が高回転型。低回転では穏やかで、回すほどにパワーが出るタイプ。よって、意識的に回せばDRの方が速いが、普通に走っているとWRの方が活発に感じると思う。
排気音は厳しい騒音規制をクリアした割には、バリバリと勇ましい。これは、騒音を測定する時のモード(例えば40km/hから半開で60km/hまでとか)があるので、その条件の時は静かにして、あとはパワーが出るようにインジェクションやEXUP(排気ディバイス)を上手くチューニングすることで規制をクリアしているらしい。R6とかを見ても、このあたりの技術ではヤマハは進んでいるのかも。
ハンドリング/乗り心地
フロント・リア共にしなやかにストロークするサスにより、乗り心地は良好。
ただし走り的にはちょっと姿勢変化が大きい印象(サスの伸び/縮みが速いのかも)。これは「バネレートは高いが、摩擦抵抗が小さいので柔らかく感じる」という高級サスの証しなのかも知れないが。
いずれにしろ、XRや旧Dトラのようにゆったりリズムではないし、ロードバイク並に姿勢変化が少ないDトラXとも違う。大胆に荷重移動を利用する本物のモタード仕様なのかも知れないが、ロードで乗るならセッティングを煮詰めないとストロークをもてあますと思う。
あと、良く言われるマスの集中化は効いているようで、DトラXやXRより少し軽いバイクに乗ってる感じ。ただし、寝かしこみで若干フロントが粘るというか、切り替えしなどで僅かに重さがある。
総合評価
エンジンは評判どおりすばらしい。足つきも車高ダウンすればDトラ並みになる(ただしハンドリングに影響ありか?)。デザインはヤマハらしく洗練されていてかっちょいい。
評判どおりの力作バイクだが、やはり最大のネックは値段の高さ。燃料もハイオク仕様!(実際にレギュラー入れるとノックするらしい)。250にそれだけお金をかけられるかどうか、ライダーの価値観が問われるバイク。