居住性/ラゲッジ
室内で見た時は、かなり寝たAピラーが視界の妨げになりそうに思えたが、外で運転すると殆ど気にならなかった。また、今のコンパクトカーとしては、かなり車高が低いが、頭上空間が狭いとか閉塞感は無かった。
ただ、ステアリングのチルトが、一番上にしてもまだ低い。店の人は最初「もっと上がると思いますよ」と言ってたが、結局上がらなかった(^^;
インテリアは今時珍しい直線的で横長の造形なので副臭く感じる。第一、丸っこい外観とマッチしていない。プラスティックの素材感も低く、全体に安っぽい印象。因みにグレードは最上級のGタイプ。
後席の居住空間やラゲッジスペースについては、フィットは勿論スイフトより狭いと思う。
パワートレイン
エンジンが冷えてる時は、最初からエンジンがかかるが、しばらくするとモーターだけのEVモードになる。エンジンがかかってるか否かは、プリウス以上に気づきにくいと感じた。これは、エンジン始動がとても静かなせいもあるが、EV走行が意外と五月蝿い(ロードノイズが大きい)とも言える。よって、インジケーターを確認しながら走っていると、平坦路を大体40km/h以下でさほど明確な加速をしない限りは、ほぼEVモードで走れてしまうようだ。
モード切替は、ノーマル、ECO、EVがあるが、ずっとノーマルのまま走行した。EVモードを押しても、走行状態によっては拒絶してしまう。つまり、EVモードボタンを押しても押さなくても、EVモードになるときはなるし、ならない時はならない。
加速感は排気量が同じティーダの1割から2割増しといった所。勿論、低速であるほど力強い。ただ、フィットHVと比べると、パワー感は2割減といった感じ。しかも、今回の試乗コースは坂はあるものの、最高速は60km/hに届くか届かないと言った状況なので、高速域のパフォーマンスやノイズは判らない。一方で、フィットHVを試乗したのは80km/h以上出るコースだった事を考慮すると、差はもっと開くかも知れない。
アクアのエンジンは1.5Lでフィットは1.3L。なのにパフォーマンスが逆転してしまうのは、やはりAquaのエンジンがミラーサイクルだからか?
ハンドリング/乗り心地
トヨタ車としては、カッチリとしたハンドリング。だらしなくロールしたり、だらしないアンダーステアを感じることもない。低重心が効いているのか、むしろシャープな回頭性。
ステアリングインフォメーションは殆ど無いが、街乗りレベルでは操舵力が不自然に変化する事も無く、回頭性も比較的シャープかつ自然。乗り心地は硬めで、ギャップで多少ゴツゴツ感はあるが、嫌な感じはしない。
総合評価
あまり期待はしていなかったが、思ったより真っ当なクルマだった。ただ、プリウスと比較すると、走行感、サウンド、内装ともHVっぽさに欠ける。最上級グレードでも、質感はプリウスより劣る。アクアに250万円も出すなら、もうちょい頑張ってプリウスにしたい。
一方、フィットHVと比較すると、HVっぽさが無いという意味では似ているが、パワー的に明らかに劣る。室内空間もフィットの方が格段に上で、おまけに値段も安い。アクアが勝っているのは、多分実用燃費と軽快なハンドリングだろうが大差はないと思う。僕がもし買うなら、迷わずフィットHVを選ぶだろう。
このように、単体で見た時の評価は悪くないのだが、価格も含めてライバル(?)と比較すると劣勢に立たされる。アクアが出たことで、ある意味プリウスとフィットHVの評価が上がってしまうという、皮肉な結果になってしまうのではないか?