イントロ
昨年乗って印象が良かったこのバイク。今年も更に小変更があったようなので乗ってみた。
ポジション/足つき/取り回し
足つき性は良いイメージがあったが、それはあくまで中型以上のクロスオーバー系としてであって、通常のネイキッドなどと比べたら悪い。具体的にはVersys-X 250と同じくらいの足つき性だと思う。まあ僕の股下長でも大丈夫そうだから、日本人男性の標準体型なら先ず問題はないと思うけど。
ポジションは殿様系なので上半身は当然楽だし、下半身も足が自然にステップに降りる感じで快適。こういうのと比較すると、やはりアメリカンは下体のあちこちに無理がかかってる。それと、50km/hくらいでも風のあたり方がネイキッドなどとは違うので、スクリーンは効いていると思う。80km/hを超えると首から下が無風域で覆われるのかも。
パワートレイン
直前にRebel500に乗ったせいか、排気量通りトルクも2割減といった所。昨年モデルはもう少しだけトルキーでトロっとソフトに回ったような気がするが、今年モデルはもっとシュンシュン回る感じ。リリースには「小型異形マフラーを採用するとともに・・・アンダーカバーを廃止」とあるので、若干のパワー特性と共に伝わる音が変わっているのかも。
何れにしろ本来の500ccのパワーを味わってしまうと、400の非力さが目立ってしまう。大型2輪免許を持ってるライダーにとっては、400も500も維持費は全く同じ。車体価格も重量もほぼ同じ筈なので、グローバルモデルのCB500Xを日本でも販売してくれたら良いのに。
ハンドリング/乗り心地
これもRebel500との比較になってしまうが、400Xの方が走っても止まっても重量感はある(スペック重量はほぼ同じ)。ハンドリングも率直だが以前の印象よりやや重い。ただこれもRebel500と比較するからであって、兄弟車のCBR400Rと比べたら軽快なはず。
その代わり乗り心地は格段に良い。ギャップを靭やかに吸収し姿勢変化が少ないし、シートも分厚くしっとりとして快適(この点アメリカンは本質的に不利)。もっと大柄で大排気量のアドベンチャー系と較べても大差ないんじゃないかと思うくらい。少なくとも、NC750XのLD仕様と比べたら400Xの方が乗り心地が良い気がする。Versys-X250のシートもあんなガチガチじゃなくてこのくらいにしとけばよいのに。
総合評価
足つき極上な上、意外と軽快なRebelも良いかなと思ったけど、このバイクの自然なポジションと快適な乗り心地を味わうと無理・無駄がバカバカしく思えてしまう。しかしこれだけ車体の完成度が高く、サイズが手頃なバイクだからこそ、500とのパワー差があまりにも惜しい。
逆にVersys250と較べても、少なくとも市街地の速度域では、格段にパワフルとか明らかに余裕があるようには思えなかった。感覚的に言うと、250と400のパワー差よりも、400と500のパワー差の方が2倍以上大きい感じ。まあこの場合、パワーウェイトレシオから言って当然だけど。
というわけで、これの500cc版つまり海外向けのCB500Xなら理想的なんだけど、それが日本で売られていないのは返す返すも残念。同じことはグローバルモデルの300と日本向けの250モデルでも起きてるはずで、何時もながら日本の特殊な排気量区分が恨めしい。