イントロ
2016年にモデルチェンジした縦2灯のグロム(写真)。プレスリリースでは外装関係の変更だけのように見えるが、マフラーの位置が変わるなど中身も結構変わっている。2018年のホンダ・ホームカミングの試乗会でようやく試乗できた。(試乗車は白いカラーリングから2018モデル)
ポジション/足つき/取り回し
最初にディーラーで跨った時に感じたのは、以前のグロムより僅かながらアップライトなポジションになっているということ。もっともハンドルのクランプ角度によって吸収されてしまう程度の差異だが。兎に角、このサイズのバイクにしては窮屈さや不自然さが最小限のポジションだと思う。ただシートはモンキー125やカブ系と比べると随分硬い。形状的に股にフィットするようにカットされているのが救いだが。
また、エギゾーストの取り回しが車体底辺に移ったお陰だと思うが、跨って左右に振った時の重量感が軽くなっていた。旧型はアップマフラーのために重心が高く、軽い車体の割には傾けるとグラっと来たが、新型重心が下がって名実ともに軽々の取り回しになったと思う。
パワートレイン
試乗したのがフラットな超ミニコースなので、本当のエンジンパフォーマンスは判らないが、同じ場所で試乗したモンキー125より若干シャープに吹け上がる印象。公道で乗った旧グロムは上り坂でも意外なほど粘るエンジンだったが、新型はもっと高回転型なのかもしれない。
ハンドリング/乗り心地
新型グロムで一番戸惑ったのはハンドリング。小径タイヤ特有のトリッキーさというか、車体を傾け始めると即座にステアリングが切れて車体が倒れ込もうとする。セルフステアだけが不自然に強いタイプではないが、挙動が全体的に軽すぎクイック過ぎる。
旧グロムは高重心なのでバッタリ倒れ込んでしまう感じがしたが、全体的な動きはこんなにクイックではなかった。またモンキー125は勿論、同じ環境で乗った他のどの原付二種と比較しても新型グロムはシャープ&ライトなハンドリグだった。もっともこういう話はライダーの期待とバイクの挙動のギャップの問題なので、ずっと乗っていれば多分慣れると思う。しかしもしこれに慣れてしまうと、どんなバイクに乗っても鈍重に思えてくるだろう。
総合評価
発売当初は主にルックスが変わっただけのモデルチェンジかと思ったが、エンジンもハンドリングも大分シャープな性格になった。後から考えれば、数年後に出るモンキー125マッタリ系にするつもりで、グロムはスポーティ路線を狙ったのかも知れない(ルックスもそれにあっている)。そういう意味では棲み分けがハッキリ出来ているので「グロムがダメならモンキーを買えばいいじゃない」という話だね(^_^;)