イントロ
先週末に和田さんが拙宅に来られたので、一緒に近所をプチツーリングすると共に、買われたばかりのモンスターに試乗させてもらった。
ポジション/足つき/取り回し
これまで乗ったモンスターやストリートファイターはフラットなハンドルバーであるにも関わらず、シートとの相対位置が遠すぎ・低すぎだった(少なくとも日本人体型の僕にとっては)。
ところが、このモンスターのハンド位置は低すぎず遠すぎず、意外なほどフレンドリーなポジションだった。上体の前傾度そのものはMT-07とさほど変わらず、ステップ位置はMT07と違って自然なので、トータルの快適性はむしろ上ではないか
…と思ったけど、コメントにある通り、このハンドルはカスタムだった^^;純正のハンドルはもっと広くて低いとのこと(*_*; なんでやねん!アップハンドルにすると、前輪荷重が希薄になったり、バイクとの一体感が無くなったりするけど、和田さんのカスタムは全く問題無し。最初からこれでいいやん。
足つき性もMT-07やMT-09と同等。つまり600〜800ccクラスの中では最良クラス。後日、シート高を2段階(ノーマル:810mm ロー:790mm)に調整できると知って、てっきりローポジションで乗ってたのかと思ったが、和田さんに確認するとずっとノーマルだったそうだ!
ハンドリングへの影響を考えて、シート高はあまり下げたくないので、ノーマルポジションでまともに足が着くのは素晴らしいことだ。
パワートレイン
音はドカティらしくドカドカと勇ましいが、エンジン特性は思いの外扱いやすかった。尚、このモデルはパワーモード(正確にはトラクションコントロールとABSを統合したシステム)を3段階で切り替える事が可能だが、終始一番マイルドなアーバンモードで試乗した。
先ずレスポンスとしては、開け始めのドンツキやキツいエンブレなどは感じられず、この排気量のツインとしてはむしろマイルドと言って良いほど扱いやすい。スムーズで軽快だがややスナッチーなところがあるMT-07と比較して、このモンスターはピストンやカウンターウェイトのマスが大きいのか、エンジン回転の上昇も下降も適度に緩慢でドロドロしたフィーリング。
これは良い意味で言ってるのであって、鈍重とか眠いエンジンという意味ではない。スポーツバイクとして十分以上の瞬発力は備えているが、ストリートバイクとしての柔軟性もあるということ。音から来るストレスがどの程度になるかはわからないが、急かされないキャラクタのお陰で、ロングラン適正はMT-07と同等か、もしかしたらそれ以上かも知れない。
ミッションタッチだが、ドカティ車は一般にニュートラルに入れにくい、又は入ってるかどうか判り難い事が多いが、このバイクではそれは感じなかった。若干入りが渋いかな?と思う事もあるが、買って数週間のほぼ新車ということを考えたら全然妥当だろう。ホンダ車ほどスムーズではないかも知れないが、カワサキ車と同等ではないだろうか^^;
ハンドリング/乗り心地
停止直前のセルフステアが強烈だと事前に和田さんから聞いていたので、乗る前はかなりビビっていたが^^; 至って真っ当なハンドリングだった。
試乗したワインディングで先行車につっかえてしまったので殆ど寝かせられなかったが、Lツイン特有のリーン初期の引っかかりはかなり軽微。軽さで定評のあるMT-07のハンドリングとさほど遜色ないように思われる。
サスはかなり引き締まっているがゴツゴツ感や突き上げが無いのは、ドカティ共通の美点だ。重いライダーが乗って、大きめのギャップに高速で突っ込んでも破綻をきたさない、と言った感じのシャシだ。シート自体は外車にしてはあたりが柔らかいが、やはり奥で踏ん張る特性であり、薄っぺらいとかフニャフニャではない。
総合評価
僕がこれまで乗ったドカティで一番快適で乗りやすいバイク。これまでのドカティといえば、五月蝿い、熱い、ポジションきつい、曲がりにくい、ミッション入れにくいと5重苦くらいの印象だったのに、モンスター821は五月蝿い以外は全て解消されていた。正に新世代のドカティーという感じ。