イントロ
日本での発売とほぼ同時にホンダRideOnFestaに来ていた。因みに同イベントのサイトでは試乗車リストに載っていなかった(Rebel250はあった)
【2017/11/2】初めて公道で試乗したので、修正・追記した。
ポジション/足つき/取り回し
足つき性は、以前「僕の知る限り最高の足つき性」と称したStreet750よりも良いので、目下のところ史上最高(;´∀`) シート高自体は大差ないと思うがシート下のスリムさが尋常でないのだ。というのも、パラレルツインのRebelは、通常Vツインであるアメリカンのように後ろバンクがシート下に鎮座しないしマフラーが横切ることもない。よって股下には邪魔なものが何もないのだ。
一方ハンドルは、アメリカンらしく遠めで高め。だから足つき性が非常に良いからって、小柄な人向きのバイクという訳では無さそう。僕も座高には恵まれているが手は足と同様に短めなので、ハンドルが遠すぎて前傾姿勢になってしまう。
正確に言えば、スポーツネイキッド系くらいステップが後ろの方にあるなら、レブルも決して前傾がキツイわけではない。しかし、レブルのステップは前の方にあるので、バランスから言うと上体はもっと起きていないと不自然。この辺は快適性や操作性より傍からの見た目を重視したジオメトリなんだろう。大体ハーレーなんてステップもハンドルも前の方にあり、手足を投げ出すようなポジションだから、それに比べたらマシな方だと思う(例えば、Street750と比べてもマシ)。
パワートレイン
アイドリングでは幾分低音寄りで野太い音だが、走り出すと兄弟エンジンを搭載したCBR400Rや400Xっぽいやや軽い音になる。しかしトルクは体感上400の25%増しくらいで実は結構速い。低速トルクのお陰でさほど回す必要もないが、多少回してもレスポンスはアクセルON/OFFの過激すぎず鈍すぎず。
勿論、MT-07のような弾けるようなパワーは無いが、このクラスのツインに未だ若干残るスナッチーさ(アクセルレスポンスが唐突でギクシャクする)が無くスムーズで扱いやすい。ドゥカティやハーレーとは比べるまでも無いが、SV650ABSと比べてもドコドコ感が希薄な良い意味で普通のネイキッド的なエンジン。
ハンドリング/乗り心地
跨って左右に揺すると、スリムでコンパクトな見た目通りこのクラスとしては軽快。また、キャスターアングルは然程寝ていないようで、アメリカンタイプに有りがちな低速での切れ込みも無い。コーナリングは若干立ちの強さというか、セルフステアに多少フリクションを感じる部分があるが、それ以外は基本的にニュートラル。
似たパッケージングのValcan Sと比較すると、前輪の反応の軽さはバルカンの方が上だが後ろがボッテリ重いのに対し、後輪も含めた車体全体ではRebelの方が軽快だと思う。もっとも後述の極低シートやその割に上体が前傾するポジションのせいで、僕のように体重や座高に恵まれたライダーであっても、それなりに積極的に体重移動をしないと軽快な旋回性を引き出せない。
よって、同クラスのパラレルツインエンジンを積んだネイキッドほどヒラヒラと旋回出来るわけではないが、同じくネイキッド的にコーナリング出来ると言われたVT750と比較しても、切れ込まない分だけレブルのほうがネイキッド的だと思う。
乗り心地は、リアサスのストロークがミニマムに見えるのでゴツゴツ来るかと思いきや、荒れた路面でも意外と快適(同じ場所を走ったNC750SやCB250Fの方が遥かにゴツゴツしてた)。
総合評価
トルキーでスムーズなエンジン、軽快でスリムな車体、そして極上の足つき性。人生で一度はこういうバイクに乗るのも良いかと思ったけど、値段を知って急に醒めた。78.5万円とな!MT-07のABS無しより税込み7万円も高いやん!
MTのような速さも、400Xのような快適性も、CBR400Rのような豪華なカウリングも無い。タンクとフェンダー以外は全てブラックアウトしオフ車よりシンプルなこのバイクの思想はズバリ質素倹約(カッコよく言うとミニマリズム)ではないのか?なのにこんなに高くてどうする?エンジン以外は全く同じRebel250が54万円(それでもホンダの他の250より高い)という事は、シリンダー1個分で24万円アップとな!
まあ、鬼値引き前提の定価かも知れないから、それに期待かな。でも実売価格でMT-07(ABS無し)より5万円以上安くないと、少なくとも僕の購入候補には入らないだろう。