ポジション/足つき/取り回し
シート高は725mmしか無いのに、車並みに幅広なシートのおかげで足つき性はあまり良くない。と言っても、T-Maxなどのビックスクーターよりは大分マシ。サイドスタンドから引き起こす時や、ちょっとバランスを崩した時はそれなりの重さはあるが、全く扱いきれない程ではない。
巨体だからってハンドルが遠かったり幅広すぎたりすることはなく、ポジションは普通にアップライト。ただ、ステップ位置とシフトレバーの位置関係がイマイチな気がした。
パワートレイン
1800ccボクサー6という堂々たるエンジンは、ヒュンヒュンとバイクらしからぬ音を発し、レスキャパシティ・レスシリンダ化が進む昨今の4輪車よりもクルマっぽい。
怒涛のトルクではあるのだが、6気筒もあるだけにレスポンスはジェントルで、1.3L-Vツインの蹴飛ばされるようなトルク感とは違う。パワーは凄いがエンジンの存在感は消すといったキャラクター。4輪で言うと、ジャガーのV12なんかがこの感じに近いのだろうか?
ハンドリング/乗り心地
385kgという巨体に有るまじき、自然で軽快感すら有るハンドリング。重心が低いせいだと思うが低速でもふらつかず、下手なスポーツバイクよりよっぽど低速コーナーで扱いやすい。
乗り心地はもう、ギャップがあろうが巨体が全ての振動を打ち消してしまうかのよう。
総合評価
フルカウルアメリカンともいうべき、低く流れるようなプロポーションに惹かれて試乗してみた。ゴールドウイング系に乗るのは初めてだが巨体の割に扱いやすく、年配ライダーに好まれる理由が判ったような気がする。ただし、お神輿あるいはキャンピングカーのように見える通常のゴールドウイングとは違い、F6Bならもっと若い人が乗っても様になると思う。
好きなバイクを選んでアメリカ大陸を横断しろと言われたら、ヨーロピアンツアラーやアメリカンクルーザーよりこれを選ぶと思う。あまりの安楽さに退屈して寝てしまいそうになったら、クルマみたいなインパネを操作して好きな音楽でもかけよう。それでも退屈なら、タブレットPCを置いてFacebookでもやりながら走れば良い。