イントロ
同日、同条件で試乗したノーマルの690Dukeと共通する部分の多いので、そちらのレビューも参照されたし。
690Duke(ノーマル)との仕様上の違いを書いておくと;
①ノーマルは通常のABSだが、Rには「コーナリングABS」(バンク中の転倒防止ブレーキらしい)が標準装備。
②Rにはアクラポヴィッチのサイレンサーが標準装備
③Rは前後サスがフルアジャスタブル。
この他に細かな違いもありいそうだが、試乗当日スタッフから聞けたのは以上。
ポジション/足つき/取り回し
最初に気づいたノーマルとの違いは足つき性。そこで差が付くとは思っていなかったので、試乗の順番が回ってきて跨った瞬間「ええ?!そんな話は聞いてないぞ(;´・ω・)」と戸惑った。僕の場合ノーマルなら何とか両足が同時に接地するが、Rでは絶望的。乗車1Gで数センチ車高が上がった感じ。
仕様的にはRの方は前後フルアジャスタブルだが、サスストローク自体も伸びていると何かに書いてあった。なので、ダンパーの調整で動的な車高を下げることもある程度は出来そうだが、そうすると軽やかなハンドリングが阻害されるかも。
パワートレイン
ビックリングルらしからぬスムーズさに加え、大幅に向上した低速のドライバビリティーはノーマルと共通。
まあエンジン自体はノーマルと同じなので、乗っても差は感じないだろうと思いきや、何故かRの方が軽やかにビュンビュン回るではないか。仕様上の違いはマフラーということになるが、リプレイスマフラーに有り勝ちなバリバリ・パコパコした回り方ではない。
こんなに良く回るなら、従来モデルからピークパワー5馬力アップは余裕という感じだが、素晴らしいのは中低速でも16モデルのノーマルよりスムーズなところ。ツインのMT-07よりスムーズかも(;'∀')
ハンドリング/乗り心地
後述の足長サスのお陰か、ストローク初期のサスの動きがスムーズで、ノーマルより乗り心地も若干良いし、寝かしこみも多少軽やかな気がする。
総合評価
ノーマルとRの価格差は25万円くらいあるが、ノーマルをあれこれ弄った場合の費用対効果と比較すると、最初からRを買う方が断然お得だろう。Rが付くからレーシーかというとそんな事は無く、街乗りを含めたあらゆるシーンで洗練された仕様という感じ。試乗車の個体差や馴らし度合の問題などでなければ、何も犠牲にせずにただ扱いやすく快適で高性能になっている。
唯一敷居が高いとすれば足つき性くらいだが、これも又下78cm以上体重70kg以上あるライダーなら多分関係ないだろう。だから資金も体格も全く不足していない人なら、迷わずRでOKだと思う。残念ながら一方もしくは両方が不足している人は、試乗してから悩んでくだされ。