居住性/ラゲッジ
ここではインテリアについて書くと、先ずインパネやドア内装の素材感が今の軽にしては安っぽい。現行パッソ(ブーン)に見られるパリパリのプラスチックと共通の質感。トヨタの影響か?
少なくとも、ミラやミラココアの上質感に遠く及ばない。かなりコストダウンしたはずのエッセの方が安っぽさがない。
120万円の最上級グレードでもリアシートは分割せず、ヘッドレストが付かない。この内容で果たして安いといえるのか? 全長を切り詰めたショーモデルのコンセプトを捨て、大人4人が快適に座れる室内空間を目指したというのに、この粗末なリアシートは矛盾している。
パワートレイン
キーンという甲高い音が結構耳につく。ノイズが大きく回転が上がってるのに加速が鈍い。滑り感が大きいパワートレーン。
特に発進加速や登板路では、かなり頑張らないと周囲の車から完全に出遅れる感じ。50kgも軽量化したボディーにしては、パワー感は日産モコ(スズキMRワゴン)に劣るとも勝らない。
アイドリングストップは僅かな停止で発動するため、エンジンのON/OFFが頻繁すぎる。燃費計の平均燃費は17.5km/Lを指していた。普通に流れに乗って走るとこんなものだと思う。
ちなみにエアコンはONだったが、それほど暑い時期でもないので、さほど回っていなかった。
ハンドリング/乗り心地
ステアリングは軽いが、アシスト感が時々不自然で、インフォメーションも希薄。サスが柔らかくロールが大きいというだけでなく、なんかこうグニャクニャで節度のないハンドリング。軽量ボディーの恩恵も特に感じられず。
総合評価
コンパクトでカッコよかったショーモデルから一転、ミラの廉価バージョンのようなスタイルになってがっかり。登場した実物の質感を見てがっかり。そして走ってがっかり。
有体に言って、走りも質感も15年くらい前の軽にもどった感じ。ドンドン上質になってきた最近の軽の中にあって存在意義が不明。「30km/Lの低燃費とアイドリングストップ」でカタログを飾っただけで、実際の効能はあやしい。
低価格も売りにしているようだが、この内容からして特に安いとは思えない。もし安さを追求するなら、今新古車として72万円とかで売りに出されているエッセの方がよっぽどお買い得。
かなり辛らつなインプレになったが、これが偽らざる感想。トヨタとの関係でどのような内部事情があるのか判らないが、ダイハツのこれからを不安視させる1台。