ポジション/足つき/取り回し
ハンドルは近く高く、フルカウルのバイクとしては勿論、ネイキッドとしてもアップライトな楽チンポジション。CB400SFの方がハンドルが遠いと思う。
ボディーがスリムなので救われているが、足つきはCBは勿論グラディウスより若干悪いかも。高重心な重量感を含めて、取り回しは最近の400の中では良い方ではない。ER-6fとの違いを感じなかった。
あとウインドスクリーンだが、少なくとも僕の座高と90km/h以下という速度域では逆効果だった。スクリーンの上を通った風が鳩尾周辺を直撃し、ネイキッドよりもむしろ風当たりがきつかった。
パワートレイン
アイドリングはドコドコと案外野太い音、少し回すとギュイーンというメカノイズはカワサキらしい演出か。当然ながらER6と同じ雰囲気でありながら、排気量が小さい分だけアクセルON/OFFによるギクシャク感は少なく、スムーズに回る気がする。
ただ、低速でそれほど粘る訳ではないし、回転の上昇もスムーズではない。ノイズが増大し気分が高揚する割に速度は伸びてない。ギア比も低めなのか、トップに入れても80km/h強で既にエンジンが頑張ってる感じ。本質的にパワー・トルク不足だと思う。
グラディウス400の方が明らかにスムーズかつパワフルだった。
ハンドリング/乗り心地
ハンドリングはER-4nより明確に安定志向になっているというが、セルフステアが付きすぎるより好ましいバランスに思えた。重量感はあるが、倒しこみはNinja250に似て割とパタッと倒れる系統なので、軽快感は損なわれていない。一旦バンク角が確定するとピタッと安定するのは重量車(?)らしい挙動だと思う。
ただ、サスは硬くストローク感に欠ける。ギャップでの突き上げはきつく、乗り心地は悪い。
総合評価
カワサキもスズキに次いで400クラスに力を入れ始めたかと思いきや、少々期待外れだった。エンジンはグラディウス400の方が確実に上だし、車体は重く、乗り心地は硬い。
Ninja250は出だしはかったるいが回転上昇がスムーズでパワーも充分、サスもそれなりに上質だから、そこからグレードアップしてるとは言い難い。
売りといえば、値段が安い割りに見栄的な仕上がりが良い事位で、どうも走りの煮詰で手を抜いた感じのあるバイクだ。