ポジション/足つき/取り回し
写真のようにそそり立つアップハンドルのお陰で、無印より更にアップライトな殿様ポジションになっている(これもハンドリングに影響してるかも)。これも重厚/快適なこのバイクのキャラにあっていると思う。
250で188kgという装備重量を見ただけでグッタリしそうだが、上述の鬼ハンいや殿ハンの効果もあってか、取り回しは絶望するほど重くはなさそう。何と言っても、あのスーパーストリートバイクMT-09と同じ装備重量なのだから、ものは考え方ようだ^^;?
パワートレイン
試乗するのは昨年のGSR250(カウルなし)以来だが、改めてパワフルかつスムーズなエンジンだと思った。スムーズだからつい回してしまう、よってパワフルに感じるのだろう。
よく雑誌などでは、「スペックの割に非力さは感じない」とか「中低速トルクが充実してるので、マッタリ走行が楽」と言った評価を見かけるが、重量を考えるとライバルよりパワフルじゃなかろうか。
例えば、一見レーシーなNinja250やCBR250Rなんかは、回すほどにフリクションが増えていくような抜けの悪さを感じるし、200Dukeはよく回るけど排気量なりのトルクという感じで、ギア比がショートなので速度の割にはうるさい。その点GSRはパワーに対する振動の少なさが圧倒的に優位。
まあ例によって、舞洲のコースは感覚の割に速度は出ておらず、公道ではカウルなしも含め乗っていないので甘めの評価になるかも知れない。ただ、6速-70km/hでのエンジンの余裕は200DukeやCBRよりあると思う。
ハンドリング/乗り心地
重さや大きさを活かした乗り心地の良さや、重さを活かした割とシャープなリーンなど、基本的なハンドリングは無印(カウルなし)と共通。中/大型のバイクはカウル有りと無しでハンドリングがハッキリ変わる(ジオメトリも含めてわざと変えてある)モデルが多いが、GSR250についてはそれほど変えてないようだ。
なので若干の差ではあるが、同日/同コースで試乗した無印は、Sと比べるとハンドリングに塊感があり、乗り心地も僅かながら硬く感じた。当然ながらネイキッドである無印は、メーターやライト類がステアリングと一緒に動くので、割とパタッと切れるのに対し、Sはそれらが車体側に付いている為良い意味で安定感が増しており、このバイクのキャラにあっていると思う。
総合評価
昨年無印のインプレを書いた際は、走りはともかく重厚長大金満中華風味のバイクだと酷評したが、このSを見て乗るとここまで徹底してたら逆に潔いと思ってしまった。美意識やテクノロジーコンシャスとは対極にあるが、この体にも免許にも財布にも優しいバイクでマッタリ旅をしたいという誘惑にかられる。
250に有るまじき重厚長大な車体も乗り心地の良さに少なからず貢献してるだろうし、無駄にデカく見えるミッションケースも、偶力バランサ付きだからかも知れない。かくなる上は見た目や速さと言った邪念を一切捨て、この国籍不明/年代不明/クラス不明のカオスなマシンに身を委ねる時、ライダーとしての悟りの境地に達するのではあるまいか?
追伸:翌年出たフルカウルのGSR250Fにも乗ったが、これはあまりにハンドリングが緩慢だった。アンダーカウルは見た目的にも機能的にも蛇足だと思う。一方ネイキッドは上述のようにややこのバイクのキャラに合わない部分があるので、このSがGSR250シリーズ中最も好ましいモデルだと思う。